著者: 永井 するみ
タイトル: 枯れ蔵

音大を中退して、農業大学を卒業した異色のミステリー作家、永井するみさんのデビュー作です。
第1回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。
この賞を受賞した作品はかなりレベルが高く、チェックしている賞なのですが、永井さんのこの作品は、あまり見かけない「農業ミステリー」です。
専門の知識があればこそ、書ける作品だと思い、とても興味深く読みました。

あらすじです。

富山の有機米農家の水田に、日本に存在しないはずの害虫「T型トビイロウンカ」が異常発生した。
有機米使用の商品を企画した食品メーカー社員、映美は調査を開始するが、その矢先、友人であるツアーコンダクターの不可解な自殺を知る。
友人の自殺と、害虫騒動が結びついて、より一層謎が深まっていく。


知識がないので害虫のことなど理解はできませんが、だからこそ面白いです。
自分の知らない分野のことを読めるから、本って面白いなとつくづく思うのです。

永井するみさんの他の作品はこちら。
「ソナタの夜」