来週、北海道へ旅立ちます。
北海道へは、まだ10代の頃から、何度も行った事が有るし、
結構な期間、暮らした事も有る土地です。
楽しい想い出も、たくさん有りました。
由香さんと、初めて出会ったのも、札幌駅だったしね…。
佐和子さんの家で、3人で合宿した時の事も、
生涯、忘れる事が出来ない想い出です。
若い頃は、引っ越しばかりしていた時代も有ったのだけれど、
ここ、20年間は、ずっと湯河原の温泉街に、
隠れるように暮らしていました。
おいらにとっては、凄く、久し振りの引っ越しです。
もう、引っ越しをするのは、これが最後だと思う。
こんなに大変な事は、もう出来ないと思います。
もう、歳だしね。
自分が思っているようには、動けない身体に成ってしまいました。
湯河原も、おいらは、割と気に入っている土地だったのだけれど、
もしも、将来、引っ越す事に成るのだとしたら、
きっと、沖縄か、鹿児島辺りに成るのじゃないかと思っていました。
おいら、寒がりだしね。
それに、海の近くで暮らすのが、好きなのです。
苫小牧に引っ越す事に成ったのは、
ほぼ、100%、妻の梅子さんの影響です。
梅子さんは、夏のムシムシとした暑さが、
一番、イヤなのだと言う。
毎年毎年、夏の暑さが、酷く成っていると言う。
「もう、とても、本州では暮らしていけないわ」と、言う。
それで、梅子さんが希望している苫小牧に、
別荘を買ったのが、きっかけです。
最初、梅子さんが、言っているのは、
「夏場は、北海道で暮らしたいわ」
と、言う事だと思っていた。
でも、それは、おいらの誤解だった。
梅子さんは、元々、口数の少ない人だったのだ。
梅子さんは、夏場ばかりじゃ無くて、いつの季節でも、
涼しくて、サッパリとした空気の中で、暮らしたいのだった。
気温の問題なのじゃ無くて、
ジメジメ、ムシムシとした湿度を嫌っていたのです。
その事に気が付いた時に、
おいらは、自分の願望を捨てる決心をしました。
おいらと梅子さんは、お互いの事を、まだ良く知らない内に、
アッサリと、結婚してしまいました。
その原因は、ほとんど、おいらに有ります。
同棲相手を傷付けてしまって、捨てられた上に、
好きだと思っていた女に騙されて、グチャグチャに成っていた。
誰かに助けて貰わなければ、生きては行けなかった…。
だから、おいらには、梅子さんに対して、責任が有るのです!
おいらの我が儘で、結婚してくれた梅子さんの希望は、
最大限、尊重しなければ、いけないのです。
梅子さんが、ジメジメとした本州は、嫌だと言うのなら、
おいらには、何の決定権も無いのです。
梅子さんが希望するような生活を、
実現しなければいけない義務が、おいらには有るのです。
実は、苫小牧と言う土地には、
おいらは、まだ一度も行った事が有りません。
結構、住みやすいところなのかも知れないのです。
梅子さんが、気に入っている土地なんだからね。