私のごはんはんまいから!!

携帯に向かってワニ子が大声で言い切る。
すごい自信だ!!

どうやら、その自慢のごはんを友達に持って行こうとしているようだ・・・

私と父が顔を見合わせる・・・

いっいどこからその自信がやってくるのか?

というのも、私にはワニ子の思い出の味と言うものに、うまい記憶は残っていないからである。

私にとってのワニ子の味、それは、
カレーは黒いプツプツが浮いている焦げ味。
ビーフシチューは赤い汁と生煮えのジャガイモ入り。
大根とイカの煮物は紫色で生臭い。
野菜炒めは野菜煮。
玉子焼きはもちろん殻入り。
ババロアはゼラチンが多くて固い。

そして味だけにはととまらず、
お鍋は年間1個は取っ手がとれる。
お皿はどれもこれもかけている。
サエバシはすべて長さが合わない。

と、書いても書ききれない程の、ワニ子の料理の記憶はあるが、どれもこれも、うまい記憶ではないのである。

しかし我が道を行くワニ子は、私達の訴えなど気にしないのである。
どんなに料理が上手なお友だちがいても、私のごはんはんまいから!と言い切るのである。
さすが我が道を行くワニ子はどんな時でも自信を持っているのである。