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北海道ニュースUHB 6/29(木) 19:21配信


「医療の進歩により生存率が向上し、がんと共に働く時代へ。仕事をしながら通院するがん患者は、全国で約32万5000人に上ると推計されています。

 しかし、その一方で解雇や退職を迫られる「がんハラスメント」に悩む患者も…。治療と仕事を両立するため社会はどう変わらなければならないのでしょうか?

 子どもから大人まで笑顔になるお弁当。

 「お弁当に合うハンバーグの作り方と"どこでもゆきちゃん"っていうのを作ります」

 札幌市内で、毎月開かれている「キャラ弁教室」。講師は、全国各地で教室を開き、大手弁当チェーン店のメニュー開発なども手がける、フードクリエーターの大島愛子さん(51)。

 フードクリエーター 大島愛子さん:「親子の笑顔を広める活動を"命途切れるまで"一生懸命やっていきたい」

 30代で家族と別居。離れ離れになった、わが子に届けるため作り始めたキャラ弁。そこには、壮絶な人生模様がありました。

 「何度かお手洗いで吐血をして。背中から手を突っ込まれて、ギューってねじられるような痛みで気絶するんです…。これは普通ではないって思って検査に行ったら、間違いなく"スキルス"ですと」

 10年前、見つかった「スキルス胃がん」。胃壁を這うように広がる、進行が早いがんですが、幸い「早期」の段階でした。

 しかし当時、岐阜県で事務員として働いていた大島さんは、会社に「治療のため仕事を休ませてほしい」と伝えると…。

 「『辞めてくれ』っていうのを就労時間過ぎてからですね、言われるんですよ、何日も何日も」

 会議室に、代わる代わる上司が入ってきては、耳を疑う言葉が飛び出します。

 「『あなたは、まだ若いからこれで多分"見納め"でしょ』って言われて、『新しい事務員さん雇わないと、うちもね、困るから、自主退職してくれ』って…。『自主退職しなかったら退職金も出さないから』って」

 何より傷ついた「見納め=死ぬんでしょう? 」という言葉。

 結局、手術2日前まで、仕事の引き継ぎに追われ、治療後、弁護士に相談したものの、再び会社に足を踏み入れることは、ありませんでした。

 「あの時は仕事を無くし、家族も無くして、ベランダから飛び降りようと思ったんです。生きる道を見つけたのがこのキャラ弁だったので…。誰かが誰かを幸せにするツールを教えられるっていうのは、生かされた私の使命なんだなって思っている」

 厚労省の「治療と就労の両立に関する」調査によると、大島さんのように、がん診断後に「退職や異動した人」は37%。そのうちの4割は「会社からの指示」で、解雇や降格させられるケースも少なくありません。

 がん患者の就労問題に取り組む、社会保険労務士の市村通乃(ゆきえ)さん。北海道の企業にも「がんハラスメント」は存在するといいます。

 社労士 市村通乃さん:「私が一番聞いてびっくりしたのは、その方が仕事に復帰して一年経った後、周りの従業員の方が全員、連名で署名して、『○○さんを仕事続けさせるんだったら、私たちみんな辞めます!』って、社長にそういう文書を出したっていう話を聞いた」

 治療で、休みがちな従業員の仕事をカバーするため、増える同僚たちの負担。社長の結論は、がん患者の従業員を解雇。新たに健康な従業員を雇用したといいます。

 「がんを患っても、仕事を続けられるって変わってきたのは、医療の変化だと思うんです。"仕事をしながら治療すること"に対しての、企業側の体制がまだついてきてないのか、とは思います」

 進歩する医療と、理解が遅れる社会とのギャップ。

 国は2016年12月、「改正がん対策基本法」に『事業主はがん患者の雇用継続に配慮するよう努める』ことを新たに盛り込みました。

 そんななか、北海道でも「がん対策」に取り組む企業が少しずつ増えてきています。

 恵庭市にある恵庭建設。2年前から、人間ドッグやがん検診費を助成するなど、社員の一歩進んだ健康管理を行っています。

 恵庭建設 中川則佳常務:「たまたま、社員の一人が人間ドックに初めて行って、がんが見つかった、という事例があったんですよ」

 当時、大規模な建設現場の管理者をしていた50代の社員に見つかったのは、比較的病状が進んだ「腎臓がん」でした。

 がんが見つかった50代の社員は、まず所属する建築部の上司に相談、面談が行われました。

 恵庭建設 中川則佳常務:「本人の病状とか、あるいは、『もし入院したら、入院期間このくらいになるよ』という話から、『もし復職した時に、その現場の対応ができるかどうか』と。やっぱり(話し合いの)前提はずっと勤めてもらいたいという前提ですね」

 しかし手術後、体力が低下。今まで通りの現場仕事は難しくなってしまいます。そこで再び話し合い、働き続ける最善の方法を考えることにしました。

 松本裕子キャスター:「Q. まず始めに、どういうふうに復帰された? 」

 恵庭建設 中川則佳常務:「まずは内勤からのスタートですね。体にあまり負担かけないように」

 ベテランの経験を生かし、見積もりなどの事務的な仕事からスタート。その後、本人の希望で建設現場に復帰しますが、体調を崩し、再び休養することになってしまいます。

 「ちょっと無理させられないな、という建築部長の判断で、また内勤でいてもらって。その時、たまたま別な社員が(がんになった男性の)現場の代わりに。ま、担当者の変更ですね」

 体調に合わせて勤務時間や内容を変更。業務に支障が出ないように、まわりの社員もサポートしました。現在は、負担の少ないリフォームなどの現場を任されています。

 "がん"になっても働けますか?

 仕事と治療の両立には、会社とそこで働く全員の意識改革が"かぎ"を握るといいます。

 恵庭建設 本荘武則社長:「いわゆる理解の促進ですよね。安心して周りで"理解してますよ"と、そういった意味でコミュニケーションが大切。(人材が)欠けた方がデメリットになります。会社としては"人が財産"ですよ」 UHB 北海道文化放送


もちろん周囲の理解というのは大事なんだけど、精神論だけじゃ解決できない面があるのも事実。


がん患者が入院加療した場合や、通院治療中、休職した場合に、国から十分な補助金が出るというような制度面での担保も必要。その必要性は、企業規模が小さければ小さいほど大きいと思う。


では財源はという話になると思うけど、それはもちろん金融資産に課税して賄う。自分の中ではそれしかない。消費税なんて論外。