しらべのブログ

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ものづくりやってるとよく聞く言葉で、技術とか長年の勘とか。

自分だって使います。

 

しかし。

そういう概念的なワードを前面に出して己を語るタイプの、あまり好ましい人に出会わない。

印象とか感覚ではなく、極力数値で語れることが大事だと思うのです。

 

ところがスノーボードのプレス工程ばかりは、かなり多くの面で「経験」と「勘」が「技術」に直結するのです。

あまり好きではない言葉のスリーカード完成でございます🃏

 

繊維素材(グラスファイバー・カーボンファイバー、アラミドファイバーなど)に合成樹脂(エポキシやウレタン)を染み込ませ、ソールとコアとトップシートでサンドします🥪

 

エポキシは若干の黄色を帯びた透明🍺

ガラスもみなさんご存知のように透明ですが、ガラスの糸を編んだ製品であるグラスファイバーは白いです。


これは水は透明なのに雪が白く見えるのと同じで、光の屈折?乱反射?みたいなことです❄️


水もガラスも本質的には透明だけど、雪の結晶の形やガラスの織り・編みによって空気を含んだり、形状に角度や丸みがついた部分を光線が屈折して通過し、我々の目には白く映るという事かと思います⛄️

 

 

エポキシは特注品で、含浸性と粘り強度に特化したものを使用しています。

ガラスは何社か試した結果、アメリカのメーカーが濡れ性が高いので採用しました。

 

が、なぜかガラスの目が残ることがある。気泡残りではなく🫧

これは繊維の束から空気を追い出すことが出来ない時に起こる現象だと思うのですが、アメリカのメーカーの製品が一番起こりにくいです。


しかし、温度?湿度?個体(部位)差?何の影響かわからないけど、脱泡ローラーを転がしても微動だにしないケースがあります。

 

エポキシは可使時間が長いものを採用したので、塗り広げさえすれば相当長い時間動かす事が出来ます。

目が残るのは嫌なので、怪しい時は時間をかけてでも頑張って潰します。


とはいえ30分くらいを目安に見切りをつけないと、エポキシが粘度を持ち始めます🕰️

そうなるとトップシートを乗せた後に余分を押し出す作業が、不可能ではないけど微妙に樹脂リッチになりがちです💧

 

「綺麗に追い出せなかったなー」が体感ですが100回中20回くらいはある印象🤔

しかし型を開くと見た目の影響はない事が多く、20回のうちガッカリするのはせいぜい5回くらい?

 

ここでタイトルの回収です。

「多分この目残りは圧力で消える」みたいな勘が働くようになってきました。

作業時のキラキラ感がちょっと違うんですよねー。


エポキシを広げた時点では全面キラキラですが、勝手に含浸してほぼ透明になります。

残ったところもほとんどは、ローラーを転がせば簡単に消えます。


でも頑固な部位もあります。

消せることもあれば、消える前にエポキシに粘度が出てきてしまって諦めることもあります。

頑張って消えることもあるし、頑張らなくても消えることもあるし、頑張っても消えない時もある。

ところが消えようが消えまいが、時間経過によって粘度が上がったら樹脂リッチになることは確実です。多少とは言え。

 

目残りは半ば自然現象です。

多少のことなら、着色しただけのコアであれば最悪は目を瞑れますが、絵師に描いてもらったコアの時はプレッシャーが本当にエグい。

 

前者であれば工業製品的な品質を求めて、勘が働けば脱泡作業は早めに切り上げてプレスしちゃう事はよくやります。

 

しかし後者の場合、遊び道具としての見た目品質を求めて、確実にネットリ時間をかけて潰しにかかります。

初期の目残りが多いかはガラス様のご機嫌次第。

多い場合、かなり粘って作業して樹脂の粘度が上がってしまい、慌てて圧をかけるまでがワンセットの流れ。

 

↓緑のうねってる辺りのキラキラ感がエグくて、かなり時間をかけて潰したらこの仕上がり👍

↑縦の目は絶対消えないやつ。


↓上の目残りが酷すぎてそっちにマインドを引っ張られた。もうちょい取れたかも。




やはり勘はそこまで有用ではないというお話でした。