井上靖の『楼蘭』を読みました。

 

 

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その中の収録作「北の駅路」を読んでびびりました。

 

 

ある日突然見知らぬ人から江戸時代のものと思われる本を送りつけられ、その後しばらく経ってから手紙がきたという内容。

 

 

その手紙の内容がこの作品の話になっています。

 

 

私は以前小説家になりたいと思っていたこともありましたがなれませんでした。私はあなたの作品を読んだことはありませんでしたが、同じ静岡県出身ということで何かの縁を感じ、先日お送りした本を買ってもらおうと思いました。あの本はあなたの執筆活動の上でネタになるかもしれません。

 

あの本で私も何度か小説を書こうと思いましたが結局書けませんでした。あの本をもとにした小説を私は読んでみたい。お送りしたものの、今はあまりあなたに買ってもらおうとは思いませんが、何かのお役に立てればと思います。

 

 

 

ざっと要約するとこんな感じの内容の手紙。

 

 

しかしこの要約は私のフィルターが強烈にかかっています。

 

 

過去にこんなメッセージやらコメントやらをもらったことが何度かあったので。

 

 

私も時々「このネタで書いたらいいと思う。面白い作品になるし、売れるよ」などというアドバイスはもらいます。アドバイスというよりも「こんなネタの小説を私は読んでみたい」というのが本当のところ。

 

 

そういうアドバイス(?)をもらうと、

 

 

「そんなの自分で書けや!面白いし売れるんなら自分でやれや!」

 

 

と、叫びたい気分になります。

 

 

しかもそういう要望には必ずといっていいほど、

 

 

「私はあなたの作品を読んだことはないけど」

 

 

という言葉がついてくる。

 

 

「読んだことないんかーい!私がどんな作品を書いてるか知らんのかーい!!!」

 

 

 

メッセージを受け取ると思わずそんなつっこみをスマホの画面越しに入れています。

 

 

さらにこの作品の手紙の主は「このネタで書きたかったけど書けなかった」なんてことまで言っている。

 

 

書きたいネタを自分で書けないのは百歩譲って許せるけど、それを他人に「書いてくれ」って……。

 

 

しかも「あなたの作品は読んだことないけど」と失礼だとかそういう感覚なく言えてしまうなんて……。

 

 

うん、あなた才能ないよ。あなたに作家も小説家も無理だよ。

 

 

井上靖さんがこの作品をどういうつもりで書いたのか分かりません。

 

 

分からなくなるくらい、自分が以前に何度か受け取ったことがあるメッセージの数々が思い出されてしまいました。

 

 

こうして「あなたの作品は読んだことないけどネタを提供してやる」みたいなメッセージはSNS時代ならではのものだと今まで思っていました。

 

 

しかしこの『楼蘭』が出版されたのは1968年とのこと。

 

 

……昔からこんなやついたんだなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

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作品についてはこちらをご参照ください。

 

小説「項羽と劉邦」執筆日記

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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