夜明け前の薬局より  

手紙を書いています。


暖炉の火は  

静かに燃えています。


黒猫は  

ブランケットの上で  

まだ眠っています。



今日は  

「ゆるめる」  

という処方が生まれました。



ゆるめる、ということ。



わたしたちは、

気づかないうちに

たくさんのものを握りしめて生きています。



ちゃんとしなきゃ。

間違えないように。

期待に応えなきゃ。



そうやって、

少しずつ力が入っていく。



でもその力は


本当に必要だから

握りしめているのでしょうか。



もしかしたら


手放してしまうのが怖くて

離せないだけかもしれません。



ゆるめる、というのは


なにかをやめることでも

怠けることでもなくて



握りしめていたものに

少しだけ気づくこと。



そして


「もう少し、力を抜いてもいいかもしれない」と

自分に許してあげること。



それだけで


呼吸が少し深くなって

景色が少しやわらかく見えてくる。



「ちゃんとできていない自分」も

「まだ整っていない状態」も


それでも、ここにいる。



ゆるめた先にあるのは


崩れることではなくて



本来の自分に戻っていく感覚。



もし今、


言葉にならない違和感があるなら



それは


無理をし続けてきた自分からの

静かな合図です。



今夜は、


その手を少しだけゆるめてみてください。



今夜もどうぞ、お大事に。



Shiori Pharmacy  

AM5:37  

夜明け前の薬局より