《in KÖln》
新ローマ法王 ベネディクト16世
ケルンを訪問
野外ミサ中
A以下 任務中
R: さっき近間で法王さまを見たんだけど、
感激!
Z: 先輩はカトリックでしたか
R: え? ま.. なんというか まあ
A 無線で
A:〈任務中 無駄話はしない!〉 キリッ!
〈法王さまが移動する〉
Z: R: はい!
R: (法王さまもお年なのに元気だなあ
これからユダヤ教徒やイスラム教徒と
対話をなさるんだ
わあ 忙しい!)
《翌日 ローマ法王 ケルンの
シナゴーグ訪問》
R: 法王さまがレーゲンスブルク大学の
教授をしていた時
ママ よく見かけたんですって
E: エ――――ッ!
じゃ サインをもらっとけばよかったよな
R: どこぞの教会に高く売れたかも
A:〈私語厳禁!〉 キリッ!
法王 シナゴーグを後にし、次の訪問先へ
A以下 シナゴーグの前にいる
EとR 合流
E: 緊急事態って?
A: 今朝 ルクセンブルクで逮捕された
イスラム過激派が
法王のケルン訪問を標的に
テロを計画していたと連絡が入った
仲間が何人かケルンに入っているらしい
H: トルコ系か?
A: いや ボスニアヘルツェゴビナを
拠点とするグループらしい
J: 法王 明日はイスラム教徒と
対話する予定だな
R: 超キビシ ―――― !
A以下 全員 冷汗タラリ...
《数日後 outside in Luxembourg 》
GとR 容疑者を尾行している
R: 法王さまは無事ヴァチカンに
お帰りになったけど
過激派グループと関係した密輸業者を
ルクセンブルク当局が逮捕したから...
〖 A: GとRはルクセンブルク警察へ行って
情報をとってくること
少佐からの指示だ
G: R: はい 〗
R: A先輩たちは逮捕された
テロリストの供述で
ベルリンやハンブルクに行ったから、
私たちは楽な方なんだけど..
G: R! ちょっとR
R: はい?
G: ダメよ もっと離れて尾行しないと
気づかれるわよ
R: でも 見失ったら...
G: 下手くそ!
あたしについていらっしゃい
R: はい
G R 引き続き尾行
R: (この容疑者 家族のことを考えて
過激派とは関係しなかったと主張した
とは言え、
何故警察は釈放したんだろう?)
G: 駅に入ったわね 何処に行くのかしら
《on the train》
R: あの男 一等のコンパートメントに
入りましたね
G: こっちはオープンの二等車だから
見張るにはいいわね
R: ベルギーの何処に行くのかしら
三日もおこもりした後、
突然動き出して
Gの携帯 ブルル
G: Aからだわ
G メールを読む
G: Aたちの追っているイスラム教徒の説教師
ハンブルクからハノーファーに出て
パリ行きの列車に乗ってるそうよ
R: 自爆テロ志願者を募集した説教師?
G: そうよ
R: もし二人が落ち合うなら...
G: リエージュね
《at the station in Liége》
容疑者 列車を降りる
GR 続いて降りる
G: パリ行きが来るのは50分後だけど、
駅の外には出ないでしょうね
R: 多分
G: じゃあ、あたしはメイクを
直してくるから 任せたわよ
R: エッ⁉
R Gを見る
R: そうですね マスカラ、にじんでるし
つけまつ毛、ずれてます
G: フン!
R 駅構内で容疑者を尾行
R: あ やだ どっち曲がった?
離れ過ぎちゃった!
パタパタと捜して立ち止まる
R: (困ったな
パリ行きに乗るとは思うんだけど)
後ろから丸めた雑誌で肩をたたく人あり
ポン!
R: (ドキッ!)
R 振り向く
R: あ...
デ: やあ ペーペーのお姉ちゃん
あんたの追っているやつはあっち
今、おれの部下が張ってる
R: あ.. あなたはMr.. (ゴリ押しディック)
デ: ほう おれを知っているとは
もぐりじゃないな
Mr?
R: は、はい Mr.CⅠA
デ: は は は.. こりゃいい
Mr.CⅠAか
あんたの上司は部下を
きちんとしつけているな
R: はあ
デ: どこのエージェントだ?
ドイツか オーストリアか
ベルギーか?
R: あの.. 言わなければいけませんか?
デ: おれはアメリカ中央情報局の
ディック・グラントだ
R: (知ってるってば!)
私は NATO情報部
エーベルバッハ少佐の部下です
デ: へ? .......ほんとか?
R: はい
デ: こりゃ驚いた
あの鉄のクラウスに
女の部下がいたとは!
オーストリアのマリー・アントワネットとは
違うタイプだな
R: マリー・アントワネットは
フランスの王妃なんじゃ..
G 物陰から見ている
G: Rったら
“ごり押し” なんか拾って..
どうすんのよ
To be continued