京都・亀岡市の事故の加害者少年のこれからを考える vol.2 | 塩川blog(司法書士・行政書士・宅地建物取引士)

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前回に引き続き、加害者少年たちが今後どういうコトになるのか、今現在出ている関連記事をもとに、ざっと考えてみることにします(>_<)





登場人物だけ、おさらいしておきます。


この時点での登場人物は、運転者A、同乗者B、同乗者C、そしてクルマ貸したD


さらに、Aの保護者a、Bの保護者b、Cの保護者c、Dの保護者(クルマ所有者?)d


そして、Dの保険会社(任意、自賠責)





そうそう、前回の「刑事」の場面ですが、補足を少々・・


→すなわち、加害者少年達は今回未成年で、実名報道ない少年法適用の場面となるんですが・・


→実際の量刑に関しては、これだけ重大な事故を引き起こし世間の耳目を集め、かつ18才という責任能力を十分問えうる年齢、しかも運転者には無免許の「前例」があった・・ということで、これは「刑事処分相当」という可能性が少なくないのではないか・・とくりおは考えます(>_<)


→さらに、同乗者B、Cは「Aの無免許を知っていて運転させた」ということで、業務上過失致死傷害罪の「幇助」の容疑で逮捕されたというニュースがありましたから、おそらく、運転者同様の措置が執られ、さらにはクルマ貸したDも刑事責任を問われる可能性が強く、全員そのまま民事上も賠償責任が発生することになると思います(>_<)






さて、今回の本論。事故を起こしたDのクルマの任意保険の契約内容が、運転者Aの事故につき保障されない場合について考えてみたいと思います(>_<)おそらく、このパターンになるかと思うのですが・・・





被害者の側から見た場合、保険会社を直接の相手方にできないというのは、補償の履行の確保という観点からみて、非常にマズイことになります(>_<)



・・というのは、この事故の場合少なくともA、B、C、Dによる「共同不法行為 ※1」となり、A、B、C、D(の保険会社?)は「不真正連帯債務 ※2」の債務者の立場になります。



この「不真正連帯債務」というのがポイントで、手っ取り早くいうと、被害者としては、上記A、B、C、D(の保険会社?)に対しては、うち誰か一人が十分な資産を有する場合、その一人(フツーは保険会社)に対し補償を全額請求することができるんですね(>_<)



そして、保険会社(任意保険)が被害者に保険金を全額支払った後、払ってない人間(および自賠責)それぞれに対して相応の金額を求償(請求)することができるんですね(>_<)


この場合、実際誰がどれくらいの割合で負担するのか・・は、将来始まるであろう裁判で決するところとなります(>_<)




ここでハナシ戻して、保険会社を当事者とすることができず、かつ十分な資産を有する者が加害者側に誰もいない場合、被害者側は直接加害者側に請求していくしかない・・ということになり、この場合加害者側は未成年ですから、事の困難さはご想像していただけるかと思います(>_<)






※1 共同不法行為

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%B8%8D%E6%B3%95%E8%A1%8C%E7%82%BA


※2 不真正連帯債務

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E7%9C%9F%E6%AD%A3%E9%80%A3%E5%B8%AF%E5%82%B5%E5%8B%99#.E4.B8.8D.E7.9C.9F.E6.AD.A3.E9.80.A3.E5.B8.AF.E5.82.B5.E5.8B.99




ただ、ここでA、B、C、(D?)それぞれの保護者の責任というモノが持ち上がり、上記の「共同不法行為」の当事者と認定し、「不真正連帯債務」の債務者の一員として少しでも履行を確保しようとするワケです(>_<)



未成年者(この場合、18才程度の)の不法行為につき、保護者にその責任を問えるのか?という問題につき、判例上は・・



「監督義務者(保護者)の監督義務違反と未成年者などの不法行為者によって生じた結果との間に『相当因果関係』が認められる場合には監督義務者につき一般不法行為が成立」(最判昭和49年3月22日民集28巻2号347頁)。




なんですが、この「相当因果関係」というのがポイントになりますよね(>_<)要するに、少年(達)の保護者(達)の作為または不作為が、加害者少年(達)の(普段からの?)非行につき、何らかの影響を及ぼしたと認定されれば、保護者(達)に少年(達)の責任の一翼を担わせることができることになります(>_<)



ただ、保護者の責任が認定されたとしても、この場合、当事者双方にとって悲惨な結果になることは変わりがないかと思います(>_<)保護者が余程の資産を持っている・・という事情があれば、ハナシは別なのですが・・



ごく普通の一般家庭なら、家、クルマ、預金その他金融資産は原則ほぼ差押となり、ローン中なら売却を余儀なくされ、サラリーマンであれば、給料も1/4が今後ずっと差押(※1)、おそらく保護者の方は破産は免れないかと思います(>_<)



そして、運転者本人(および同乗者?)については、上記同様の状況に置かれたうえで、「無免許運転による」「重過失の」不法行為の損害賠償債務なので、非免責債務(※2)となり、破産してもそのまま払い続けなければならない可能性が高いと言えます(>_<)



※1 民事執行法131条、152条

http://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E4%BA%8B%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E6%B3%95%E7%AC%AC131%E6%9D%A1


http://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E4%BA%8B%E5%9F%B7%E8%A1%8C%E6%B3%95%E7%AC%AC152%E6%9D%A1


※2 破産法253条

http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/hamenseki.html




疲れたので、今日はここまでにします(>_<)



この続きは、気が向いたら書きます(笑)



くりおでしたくり太郎




I am the master of my fate, I am the captain of my soul...