本日はアンコール=トムです。今日も同じチャリンコです。


アンコール=トムはアンコール=ワットの少し後、11世紀後半に最盛期を現出したジャヤヴァルマン7世により建設されました。
正確には9世紀末にやショーヴァルマン1世という王が都の基礎を建設し、のちのジャヤヴァルマン7世が再び戻って整備したという感じです。
アンコール=トムとは一つの寺院の名前ではなく、広い敷地に造られた都市遺跡の名前です。ジャヤヴァルマン7世はアンコール=トムを「首都」としました。よく写真で出てくるのは中心に位置するバイヨン寺院です。

日程が限られている一般的なツアーでは、アンコール=ワットとアンコール=トムを同じ日に回るようです。私は別日に分けました。それぞれでお腹いっぱいになると思ったからです。

そんなわけで、アンコール=トムです。自転車で南大門をくぐります。



まずはバイヨン寺院に行きました。中心で、代表です。



アンコール=ワットのすっきり感とは違い、ゴツゴツした見た目です。なんだか恐竜っぽいです。


回廊は二重で、やはり第一回廊はレリーフが見事です。
戦争の場面が中心で、ベトナムのチャンパーとの戦争が盛んだった時代背景がわかります。他にも、庶民や宮廷の生活が描かれたものもあり、面白いです。





有名な観世音菩薩が彫られた四面塔がたくさんあります。仏教寺院としての強い主張ですね。バイヨンの微笑みとして知られています。世界史の図表に載っているのはこれですね。



男性器を表すリンガもありました。ヒンドゥー文化も色濃いです。



中央祠堂には近づけません。
中は本当に迷路みたいでした。比較ばかりですが、整然としたアンコール=ワットとは大きく違います。この違いが興味深くていいんですよね。感動しました。



しかし、なかなか暑くてしんどいです。一つの寺院を見て回るのも相当大変です。


自転車で王のテラスへ。様々な装飾が施されたテラスが長く伸びています。3つの頭を持つ象が花を絡め取っている様子が面白かったです。




以前王宮があったあたりです。王宮は跡形もなくなっています。他の寺院は残っているので、不思議なものです。信仰と政治の違いでしょうか。



ピミアナカスという寺院に来ました。もちろんアンコール=トムの中です。
ジャヤヴァルマン7世の時代より古く、11世紀初頭の完成です。


ピラミッド型で「天上の宮殿」という意味があるんだそう。登れないので眺めるだけです。



いよいよ体力がしんどいです。トイレの近くに出店があり、値切ってコーラを1本飲みました。


復活。簡単なもんです。コーラで体力回復するんですから、まだまだ若いですね。

バプーオンという寺院に行きました。
11世紀中頃の寺院です。みんな古いですね。

寺院までに至る空中参道が立派です。厳かな気持ちにさせます。
寺院は大きなピラミッド型。ピミアナカスよりかっこいいです。まるで城のよう。しかも上まで登れます。




なかなかいい見晴らしです。


アンコール=トムはここまでです。まだ細かい遺跡もあるんですが、メインどころはしっかり見たのでよしとしましょう。




少し走って、タ=プロームに来ました。
ここもジャヤヴァルマン7世によるもので、彼の母のために建てられたそうです。



ここはとにかく、大木が寺院をなぎ倒さんばかりです。かなり崩壊しており、必死に食い止めている様子がわかります。




自然の力がわかるようにするため、樹木の除去が長年なされてこなかったということです。



なるほど、自然の力で崩壊するならそれも摂理なのかもしれません。しかし、重要な遺跡の保存はやはり大事なことです。人類の遺産ですから。

建築や彫刻、宗教観というよりも、遺跡の保存という点で考えさせられる寺院でした。


観光は終了。本日もいい1日でした。
1時間くらいかけて、宿まで自転車を漕ぎました。本当に疲れました。
アンコール=ワットとアンコール=トムを別日にしたのは本当によかったです。これは単純に体力が持ちません。


宿についてからしばらくして雨になりました。今日は降られずに済んでよかった!