【第3356回】




マネジメントとは、事業上の多様なニーズと目標を

バランスさせることである。

そのためには判断が必要である。

一つの目標だけを探求することは、つまるところ、

この判断を不要にするために魔法の公式を求めることである。



(p.82「現代の経営 上」

 P.F.ドラッカー 

 ダイヤモンド社 1954年著作)



唯一の正しい目標を

追い求めるのは


幻である以上に

毒を成すものだと


ドラッカー先生は

述べています。


判断をおろそかにして

バランスを取らなければ


明日の変化に

気づかなくさせたり


資源の老朽化など、

対処を遅らせる要因と

なるからです。


目標は複数必要であって

その理由は、


事業上の全てのニーズに

応じる必要があるため

と言えます。





よく僕が人に話す時

例えで述べるのは、


ひとつの意見を出すためには


頭の上空に

10個以上の要因を

常に並べたうえで


そのどれにも齟齬がないか

確認しながらでないと


現実に即したものに

ならない、ということです。


当然ながら

相手の意見に対して


どれだけのファクターを

考慮したかを聞くと


一つ二つがせいぜい、


良くて三つくらいが

相場になります。


僕が10個以上というのは

冗談ではなく


本当に出すことができるのは

現にチェックしているからです。


それだけのものを

考慮もせずに


ひとつの目標、要因だけで

判断したと言っても


マネジメントとして

それは判断と呼べません。


始めのうちは

頭上に並べるのは

難しいはずなので


紙に書きながらでも

思考すべきだと思います。


ご参考まで。