【第2806回】



うつ病患者が治るとき


「なぜ自殺なんて考えたのか」


と振り返り、



それは病気だったからだ


と納得するそうです。



そのときは病気と思わず、



性格の問題で


治りようがないから死ぬ



と考えたとのこと。



僕はこれを間違いだと


思います。



性格も変わっていません。



変わったのは状況であり


環境であって、



孤独で苦しかったところへ



病気による注目を得られたから


安心しただけです。



振り向いてほしい相手に


振り向いてもらえたから



病気が不要になっただけです。



もちろん、病気は事実です。



しかし、人間関係に依存し、



依存ができなくなると病気になり、


依存ができれば回復する



という構造の軸にあるのは


孤独な精神と言えます。





これで治ったのかと言われれば


そうは思いません。



だから環境や


注目度の変動によって



すぐに再発しては寛解


という状態を繰り返すのです。



そういう意味で、精神の自立は


非常に厳密な有り様を


指しています。



物理的で一時的な健康を見ても


意味がないのです。



ご参考まで。