【第2751回】



自分の言い分を通すことがいかに難しいかわかるだろう。

相手の言い分に巻き込まれると、すぐ本題からそれてしまうことにも気づくはずだ。


それを防ぐためには、何を言いたいのかをはっきりさせること。

「だいたいこういうことを言いたい」というだけではダメで、

要求を具体的に打ち出す必要がある。



(p.51「第四の生き方」

 アン・ディクソン つげ書房新社 1982年)



引用は、他者からの

支配的な要求に対して


自分の意志を持って断る

場合を対象としています。


人を支配しようとする人間は


手連手管で議論のすり替えと

けしかけをして


相手を論理の罠に

はめようとするので


それに対抗するためには

ひとつの軸が通った断りを

繰り返す必要があります。


そのなかで、相手は


一方的な人格否定や

道徳や倫理の押し付け、


偽物の譲歩などを通して


どうにかして支配しようと

することでしょう。


そういう意味で

実際の仕事などの場面で


うまく切り返すのは

至難の業です。


それは引用の示す通りで

自分の意見を示す以上に、


自分の意志を強固なものに

するだけの学問が


そもそも必要と言えます。


自分にやましさや

曖昧さがあれば


断る意義がゆらぐことで

すぐに支配されます。


その曖昧さは、

考え抜くことを疎かにした

からこそ生まれるもので、


経済社会に出るまでにも

しっかり独学を進め、


経済社会に出てからも

常に問い続けるべきなのです。





そんなのめんどくさくて

やってられない、


と感じるならば


他人に巻き込まれ

支配されるめんどくささを


甘受すればいいだけです。


どちらのめんどくささを

取るかと言われれば


僕は前者の独学であり

自分の人生を支配されない

ことを選択します。


ご参考まで。