【第2665回】




スイッチだけで動く未来の工場には、働く人たちがほとんどいなくなると説く

(中略)

そのような工場で必要とされる者は、電子工学者、理論物理学者、

数学者など純粋の技術者と、守衛だけであると説く。

経営管理者など不要になる。

(中略)

自由経済の誰一人として、計画主義者が勧める処方を受け入れなくなって

しまっているにもかかわらず、彼らは、同じいんちき薬を

不可避なものとしてわれわれに飲ませようとしている。



(p.24「現代の経営 上」

 P.F.ドラッカー 

 ダイヤモンド社 1954年著作)




まず引用を補足すると、


人工頭脳によるオートメ化が

大企業の独占体を

つくるようになる


という企業家のおごりが、


かつて冷戦を生んだ

共産主義の思想と

全く同じものであって、


それは楽園ではなく

悪夢であるというのです。


なぜなら、その世界は


あらゆる人間が

“強制的な”無為の状態に


置かれてしまうからです。


もちろん、VRゲームの様な

ある種の麻薬が与えられる


というのが現代世界では

充分可能な段階に来たので


あとはベーシックインカムを

人民に待望させれば


計画主義者たちにとって

完全な社会の達成となります。


そういう意味で、


トランプによって起きた

計画主義者たちへの反乱は


コロナ騒動という教唆によって


大義名分のもと

人びとを制圧するに

至っています。


そうとは見えない形を

取っているところに


この犯罪の恐ろしいまでの

巧妙さがあるでしょう。


このことを陰謀論と言うなら

ドラッカー先生も

陰謀論者に違いありません。


もちろんそうではなく


社会生態学者を名乗る

先生ならではの


世界の動きへの理性的な

解釈に過ぎないのです。





ネットフリックスなどの

先進企業の在り方にしても


例えば、上位50名の

役職について、

成績順に並べられて、


それがランク落ちになれば

即失職となるような


経営管理を不要とする

能力主義の横行があります。


この能力のオートメ化が

企業を巨大にし、


企業の目的が独り歩きして

巨大化そのものになるのです。


こんなものに人間が

太刀打ちはできず、


調達不能な資金の差によって

支配はますます強まります。


コロナ騒動で

シェアをより大きくした

デジタル企業のあり様を見れば


よくわかるでしょう。


これを打破するのは

政治しかあり得ません。


トマピケティや

マイケルサンデルのような


世界の不均衡を

唱える学者たちの

学術的成果を無視せず


いかに帝王学と結び付けて

理解するかが鍵となります。


個人的な意見として

ご参考まで。