【第2664回】




価値観や信念という

言葉がその人の考えを

示すものですが、


僕にとっては

少し違います。


何が素晴らしいか

という場合の

基準があるからで、


その基準に当たれば

なんでも面白いのです。


一つは、


芸術などの作品において

その人の個性を見る時、


その人の無意識に

眠る問題を

整理して形にしたい


という欲求が現れることを

僕は条件にします。


人の共感や技巧のすごさなど


他者との関係が

優先して軸になるものは


すべて単なる能力に

過ぎません。


表現というのは


無意識のモヤモヤを

何とかして整理する過程に

宿るものであって


それはジャンルを

問わないのです。





もう一つは、


必然の制約を受け入れた

解決の思考が


真の解決能力だ

ということです。


努力や能力とは

関係ありません。


制約を受け入れる

という精神性が


全ての人にとって

応用できる解決の思考法

という意味で


有意義だと思えるのです。


ドラッカー先生の推奨する

イノベーションとは


ほとんど

そのことを指しており


技術革新や制約の打破は

誰もが目指すものではないと

断言しています。


修復不可能な痛手を負う

ギャンブルになるからです。





能力によって

人を凌駕することは


それ以外の人にとっては

何の関係もありません。


個人的な解決を目指す

姿勢でありながら


他の人がそれぞれで

歩むことのできる

指標となることこそ


素晴らしいし、

価値があります。


個人的な意見として

ご参考まで。