青山、もちろん、私が勝手につけた名前です。青山さんは、酔うと全裸になってしまう女性です。少し前に、友だちの紹介で知り合い、仲良くなりました。たぶん、私が一方的に、そう思っているだけだとは思いますが。とにかく、私だけで彼女の家に遊びに行ける関係になりました。
 普通の人にとっては、普通のことなのですが、私にとっては、かなりイレギュラーなことなのです。
 だいたい、私は知り合っても、自分から電話することはしません。相手が迷惑がると思うからです。でも、彼女には、どうしても、もう一度、会ってみたかったのです。ですから迷惑がられても、ずうずうしいと思われて嫌われてもいい、と、そう覚悟して電話しました。でも、彼女は迷惑がる様子などありませんでした。ブログの効果なのでしょうか、最近、他人と接するのがうまくなってきたような気がします。
 私たちは、デパ地下で買い物をして、彼女の家に行きました。彼女は、お酒よりも食べるのが好きということで、デパ地下の買い物も嬉々としていました。私はデパ地下は苦手です。
 彼女は、私の前で平気で着替えます。まだ、お酒を飲む前ですから、全裸にはなりませんでしたが、ブラは、さっと取り、なんでもないように部屋着を羽織りました。唖然です。私なら、絶対にできません。そして、私にも、部屋着をかしてくれました。めんどうなら泊まっていけばいいと言うのです。まだ、たった二回しか会っていないのに……
 そして、私が着替えるときに「おっぱい小さいから、見られるの恥ずかしい」と、言うと、彼女は「ホントだ、でも、気にするほど小さくはないよ、私の友だちにペッタンコな子もいるから、それに、形がいいから、そういうおっぱい好きな男って多いと思うよー」と言って、笑いました。私は、彼女の中に、ものすごく深いドロドロとした何かがあるのだと思っていました。でも、違うのです。
 彼女の裸はセックスするためにあるみたいなんです。酔うとセックスがしたくなる、と、彼女は言うのです。セックスのときには服を脱いで全裸になるものなので、酔うと脱いでしまうのだと思う、と、かんたんに言いました。そこに相手がいても、いなくても、セックスしようとした身体が服や下着を邪魔にするんだそうです。
 私は、自分にも露出願望のあることを告白するつもりで彼女と会いました。彼女なら私のことを理解してくれるに違いない、と、そう思ったからです。でも、違いました。酔ってセックスする相手がいるかいないかも分からない状態になってしまい、そして、セックスを求めて彼女は脱ぐのです。セックスしたくないために脱ぐ私とは、まったく別のものです。
 彼女はその日も、すぐに酔い、そして、すぐに全裸になりました。ストリッパーのように私の前で開脚し、おっぱいを私の顔に押し付けようとします。彼女の言うことが本当だとすれば、私も彼女のセックスの相手として選ばれているのかもしれません。もし、私にオチンチンがあれば、そんなときには、セックスしてしまうのかもしれません。
 私は、脱ぎ、踊り、暴れ、そして、眠った彼女を置いて、寂しく家にもどりました。