2週間ほど東京を離れていると、帰ってきた時にまず人の多さに驚くんだよね。ビルも高いし、土地も狭いし、なんか自分の部屋なのに違和感を感じてる。
とはいえ1つの仕事を終えて、緊張の糸が切れて気が緩んだのか、尋常じゃない疲労と睡魔に襲われて、気がつけばベッドで眠ってた。やっぱり自分に合った枕って大切だよね。安心して夢も見ずに10時間睡眠してました。
その日のうちにできなかった部屋の掃除とか洗濯はなんとか昨日やりまして、日課の筋トレを終えるとまたもや睡魔が、、、ホッとした気持ちで2日連続で早めにベッドに入り、これでもかと9時間睡眠。
そんなこんなで今日です。やはり眠ることは大事ですね。数ヶ月分の睡眠不足を取り戻したのか今は無駄に冴えわたってる。
なのでブログ書くよん。長くなるよん。エッセイくらいの文量になると思うので、お時間がある時に読んでもらえたら嬉しいな。
今回の撮影期間は、個人的にも色々と考える時期と重なっていて、ロケ先で出会った人達や尊敬する先輩方と過ごしていたら、終盤の頃には、ぼんやりだった答えも明確になった気がする。
広域警察シリーズは、全国を管轄とする警察庁広域捜査課の刑事達が事件を追う物語です。そのため刑事ドラマの中でも特に地方ロケに行くことが多い作品なんです。
そもそも役者は仕事柄、色んな街に行く事が多いので、他にはない楽しみの1つだなとか思っています。
今回は都城が舞台です。捜査の過程で鹿児島県にも行きました。そして今回は、全てのシーンを地方ロケで行なっています。2時間ドラマでスタジオ撮影なしは、実は初めての経験でした。
2週間ほど滞在した結果、東京出身の刑事が方言を話すというカオスな現象が起き、現場で慌てて標準語に戻すという作業を繰り返すのでした。それだけ旅先の土地に馴染みつつあった自分を幸せだなとも思った。
同じ日本とはいえ違いはあるもので、ビルに囲まれた東京より空は広くて、それだけ直射日光は届くので明るい時間はさらに長くなってた気がします。
コンビニに行って気づいたのはアルバイトの時給の差額です。東京の物価が高いことを再確認するのでした。
あとさ、ジャスミン茶がどこにも置いてなかったけどさ、都城のみなさんは飲まないの?僕は水分をほぼジャスミン茶で補給しているので(あと日本酒)、行く先々のコンビニで1つも見つからなかったことに驚いた。そして緑茶を飲む度にジャスミンへの想いは募る一方だった(恋やん)。
地産地消という言葉の通り、新鮮な食材を美味しくいただく事ができた。とにかく美味でした。
宮崎牛は最高だね。赤身だとお肉自身の味を噛みしめる事ができて夢見心地で羽ばたけそうでした。たぶん浮いてたと思う。
豚肉は黒一番というお店で、希少な部位をご馳走になってしまい、そのどれもが僕の中で豚肉を超えていた。
鶏肉もすごいよ。新鮮だからかな、お弁当の唐揚げで唸ってしまうのは初めてでした。
写真は雉のユッケ、ずっと口の中にいてほしかったけど、美しいものほど儚くも消えてしまうのよね、うふふ。叶わなかった片想いのように余韻が残るのでした(もはや理解不能)。
ていうか何処で食べても美味しかった。「肉のふくしま」というお店でいただいたチーズメンチなんてさ、写真撮り忘れたくらい夢中だったからね。いま文章を書いているだけでもヨダレが湧き上がるぜ。
そしてマンゴーがさ、べらぼうに美味しいんだわ。東京だと値段が倍になるみたいで、コスパ的にも拍車がかかり、田中フルーツさんのマンゴーパフェを4回は食べた。まだまだいける気がした。
あまりの美味しさに実家と事務所に贈ることにしたのだが、お店で食べたのよりも1ランク上のマンゴーを選んだ自分ってイケてるやんとか思いながら、鼻高々に料金の支払いをした結果、財布の中身がすっからかんになってATMに駆け込んだ自分も今では愛しく感じてる。
書き出したら止まりませんが、いちばん心に残っていることは「人」です。ロケ先で出会った人達です。ロケの時は、いつも邪魔にならないように申し訳なく撮影に臨むのですが、まさか「来てくれてありがとう。」と言われるとは思ってもいませんでした。
こちらは撮影できるだけでも感謝なのに、そんなこと言われたら、惚れてまうやろーでした(心の中でシャウト)。
地元の方との交流会もありまして、親睦を深めることもできました。これまでのシリーズではなかったし。
焼酎はもちろん、地ビールとスコールサワーが美味しすぎて、ほぼヘベレケでした。技術スタッフさんとも何年越しかに仕事以外の話ができた。かけがえのない時間だったと思う。
俳優の先輩方と話すのは本当に面白い。内容は言えないけど、僕の頭の中でつっかえていた事は少しずつほぐれていった。これからの役者の在り方を考えるきっかけにもなったし。
年を重ねてきてよかったと思うことは、こうしてお芝居ができるのもこれが最後かもしれないなって思うようになったこと。最近はいつもこれが最後の現場かなって思ってる。
悲観的に聞こえるけど、とても良い意味なんです。おかげで丁寧に取り組めるようになってきた。若い頃は熱量だけで闇雲に走っちゃう事が多かったから。
土曜ワイド劇場の枠もなくなってしまい、撮影自体が危ぶまれた今作ですが、全員が力を合わせて「広域警察9」を撮り終える事ができました。撮影終盤の頃には、稀に見ぬ寂しさが込み上げてきて困ったぜ。
この年になると、人生が一期一会で溢れてきて、二度と会うことのない人が増える一方だと気づきます。
役者を続けていく限りは、出会いと別れの連続だし、それは幸せな事だと思ってる。また会えた時はすごく嬉しいだろうな。ま、今はライングループがあるけど笑
また現場で会えたら幸せだろうな。
今回の旅先での出会いだって、大半が一期一会かもしれなくて、でもそれは僕にとって大切な一期一会で、忘れることのない思い出だということ。
一番の恩返しは、また仕事で帰ってくることかなと思ってる。辛麺とトマトラーメンもまだ食べていないから、行く理由はあるんだ。何よりマンゴーが食べたいんだ。
大切な場所ができました。出会った全ての方々に感謝しています。ありがとうございました。またね。
そして、キャスト・スタッフの皆様お疲れ様でした。
「広域警察9」
ベストな形で放送されることを心から願っています。どうぞ、お楽しみに。
少しずつ、東京での生活に戻りつつある信和なのでした。さて、次は連載を書かなくては。
さらばだ。