マイホーム購入は人生最大の買い物と言われますが、そのあとの生活の質まで考慮して選ぶことが重要です。

 

前回は中古戸建てを購入してリフォームするメリットとして、予算面の優位性とカスタマイズの自由度について紹介しました。

新築でなく中古戸建てを購入するメリット | SHINWAコーポレーションのブログ

 

 

今回は、中古戸建て購入がもたらす「経済的なライフバランス」と「リセールバリュー」について掘り下げていきます。

 

「家を買った後の暮らし」と「もしも売却することになったら」という視点から、中古戸建て購入の隠れた魅力をご紹介します。

 

 

 

生活の質を保つ経済的なライフバランス

 

マイホーム購入後に「家はあるけど、生活が苦しい」という状態に陥るケースは少なくありません。

 

新築住宅を購入して住宅ローンの返済が始まると、月々のやりくりが以前より厳しくなり、家計を圧迫することがあります。

 

 

 

 

住宅ローン返済額の違いが生む生活の差

 

 

たとえば、6,000万円の新築住宅と5,000万円の中古住宅(リノベーション費用含む)では、月々の住宅ローン返済額に大きな差が生まれます。35年ローン、金利1.0%と仮定した場合は以下のような想定が可能です。

 

  • 6,000万円借入:月々約17.2万円の返済
  • 5,000万円借入:月々約14.3万円の返済

 

この月々約2.9万円の差は、年間にすると約34.8万円。この差額があることで下記のような差が生まれます。

 

  • 月に1回家族で外食できる
  • 年に1〜2回の家族旅行が可能に
  • 子どもの習い事や教育費の余裕が生まれる
  • 老後の資産形成のための貯蓄ができる

 

 

 

コツコツと改善できる柔軟性

 

中古戸建てのもう一つの大きな魅力は、必要に応じて段階的に改修していける柔軟性です。

 

これは単なる予算面のメリットだけでなく、ライフスタイルの変化に合わせた住まいづくりができるということです。

 

  • 「今年は頑張ったから来年は屋根を直そう」
  • 「再来年になったら補助金が出るかもしれないから、その時に断熱をやり直そう」
  • 「子どもが大きくなったから、部屋の仕切りを変えよう」

 

このように、必要性や予算状況に応じて計画的に住まいを改善していくことができます。

 

新築では最初から全てが完成しているため、こうした調整が難しく、ライフスタイルの変化に対応しづらい面があります。

 

ライフイベントを考えておくと、どのくらいの余裕があるのかを予想しやすくなりますね。

 

 

 

リセールバリューの現実と中古戸建ての優位性

 

不動産はいつまでも持ち続けられるとは限りません。転勤や家族構成の変化、経済状況の変化によって、住み替えや売却を検討することもあるでしょう。

 

そんな時に重要になるのが「リセールバリュー」です。

 

 

新築住宅の急激な価値下落

 

新築住宅は購入後の価値下落が大きいというのが不動産市場の現実です。

 

  • 6,000万円で購入した新築住宅
  • うち土地価格が3,000万円、建物価格が3,000万円
  • 数年後に売却する場合、土地価格はほぼ変わらないか微増
  • しかし建物価格は大幅に下落し、2,000万円以下になることも

 

つまり、6,000万円で買った住宅が、数年後には5,000万円以下の価値になってしまうのです。これには以下のような理由があります。

 

  • 建物の減価償却:建物は年々価値が下がる資産です
  • 新築プレミアムの喪失:新築時には販売会社の利益(約300〜500万円)が上乗せされています
  • 他社物件への買い替えコスト:次の所有者がリフォームする可能性を考慮した値引き

 

 

中古戸建てのリセールメリット

 

 

一方、中古戸建てを購入してリノベーションした場合、このような急激な価値下落のリスクが低くなります。

 

  • 4,000万円で中古住宅を購入(土地3,000万円+建物1,000万円)
  • 1,000万円程度をリノベーションに投資
  • 売却時には土地価値はほぼ維持または微増
  • リノベーションした建物も、新築物件ほどの下落率ではない

つまり、同程度の住宅でも中古戸建て+リノベーションの方が、将来の売却損失を抑えられる可能性が高いのです。

 

 

売却する必要に迫られるケース

 

残念ながら、近年は「住宅ローンが払えなくなって手放す」というケースが増えています。アフターコロナの経済状況や金利上昇などで、当初の計画通りにローンを返済できなくなるケースが報道されています。

 

  • 「なぜこんな家を買ってしまったのだろう」
  • 「マイホームが家計を苦しめる原因になってしまった」

 

こうした後悔の声の多くは、「35年にわたる収支バランスを計算しなかった」「自分で少しずつメンテナンスする手間を避けて安易に新築を選んだ」という選択の結果とも言えます。

 

実際の統計でも、住宅ローン返済が困難になって手放す物件は、新築で購入した物件の方が圧倒的に多いと言われています。

 

これは、新築の高い初期投資と硬直的な返済計画が、経済状況の変化に対応しづらいためです。

 

 

 

まとめ:中古戸建てがもたらす経済的なゆとり

 

中古戸建てを購入してリノベーションするメリットをライフバランスとリセールバリューの観点からまとめると以下のようになります。

 

  • ゆとりある家計設計:月々の住宅ローン返済を抑えることで、旅行や趣味など生活の質を維持できる
  • 柔軟な住まいの改善:予算や必要に応じて段階的に住まいを改善できる自由度
  • リセールバリューの現実的視点:将来売却する場合の損失リスクを軽減できる
  • 経済変動への耐性:無理のないローン設計で、経済状況の変化にも対応しやすい
  • 実質コストの透明性:中間マージンが少なく、支払う金額の多くが住まいの価値に直結する

 

住まいは「箱」ではなく「暮らし」です。生活に余裕がなければ、本当の豊かさは得られません。

 

中古戸建てリノベーションは、「住まいの質」と「生活の質」の両方を高次元で実現できる選択肢と言えるでしょう。家選びの際には、購入時の金額だけでなく、その後の人生全体を見据えた判断をすることが大切です。