突然青少年のための大人の短編小説

タイトル「ペニスバンド・ロックンロール」

目が覚めた。既に朝。
昨日までの悪天候から一転、全てを振り払ったかのような快晴。
どこまでも冴える頭と、ジャンプすればワンテンポ遅れてゆれる金の玉。
どうやら昨日の悪夢が全ての邪念を奪い去ってくれたようだ。

ついに試合が始まろうとしている。
僕はやはり昨日の年賀状の通りスタメン。
キャプテンとダブルポリネシアンハンターのポジション。

舞台は整った。
両チームのナインが明らかにカタギじゃない人達に散々ボディチェックされた後、舌戦が繰り広げられる。

言っておくが、悪口の言い合いとかいう低俗なレベルのものではない。
互いの健闘を誓い、そこから愛を育む神聖な儀式だ。
僕は一番美人だと思った選手を舐めようとしたが、高崎が既に舐めていやがる。
高崎のこういうところ、意外と好きだ。

いよいよキックオフ。
まずボールを受けた僕は、両サイドルチャドールの2人がサイドラインを騎乗位の要領で駆け上がる。
負けじと龍原砲の両サイドルチャドールも、タートルネックのセーターを引き伸ばし、頭をスッポリ埋めた状態で、インフィニティを描きながら徹底シックスナイン(サッカーでいうマンマークの事)で対応する。

序盤は両サイドルチャドールの芸術点で争われるのは必至だ。
僕は素直にそう思った。
だが、そのような状況ならば、中央のスペースに必ず隙ができる。
キャプテンは山王丸、高崎はマルシアにそれぞれ徹底シックスナイン状態。
パスは出せない。
僕はまず「夜の経営統合」で龍原砲ディフェンス陣に揺さぶりをかけながら徐々にゴール前に進出していった。

その時だった。
レフトアタッカーの鮫島先輩が一瞬のスキをついてコンボイ(サッカーでいうマークをはずして裏に抜ける動き)し、わずかに龍原砲ヴァージンブレイカー陣のサイドギャザー(サッカーで言うディフェンスライン)が乱れた。
それに呼応し、一瞬気を取られたマルシアをうまくコンボイした高崎の肛門が、蛍のように光ながらパスを要求している。

「ここだ」

既に高崎は「増田ドリラー」の態勢だ。
僕は思い切って高崎にパスを出した。
高崎のアナルは狂ったような悪テンポを刻みながら、ダイレクトで増田ドリラーを放った。

それを見たプッシーアナライザー黒木は、自らの嘔吐物を口内で受け止め飲み干しながら、必死でケツ筋を締めた。
しかし、その堅いケツ筋を弾き飛ばし、唸りをあげながらボールはゴールにつきささっ…

その瞬間、完全にコンボイされたはずのマルシアがボールに向かい、「増田ドリラー」破りの法則に従い「ゼンノロブロイ」を決めてはじき返した。
ルーズボールを巡って全選手のケツ筋が緩み、会場は何とも言えない臭気で満たされていた。

このボールに反応したのは鮫島先輩だった。
ボールの落下地点を予測したように動く天性のゴールゲッターの鮫島先輩は得意技の「女工哀史」の態勢だ。

ボールは見事にゴールネットと蒼井そらの美巨乳を揺さぶった。
解説席の村西元日光ギブミーチョコレーツ監督の

「ナイスですねぇ」

の言葉がその全てを表していた。
芸術点を含めて4点。
我々龍艦砲は幸先よく先制点を挙げることに成功した。

しかしながら、高崎は完璧な「ダイレクト増田ドリラー」を決めたにも関わらず、マルシアの「ゼンノロブロイ」の前には通用しなかった。
マルシアを睨む高崎。
マルシアは半笑いで、そのことがさらに高崎のクールでムッツリなエロ魂に火をつけた。
高崎の肛門は、もう既に赤く不規則に点滅し始めている。

「これはマズイ…」

高崎を誰よりも知る僕は、これがどれほど危険な状態であるかを察するのは容易だった。
止めなければならない。僕は小走りで高崎に歩み寄った。

ズボッ。

次の瞬間、キャプテンは無言で高崎の肛門にペニスバンドを突き刺した。

「冷静になれ高崎。冷静さを失った時が、処女を奪われる時だ。まだお前が処女を奪われる時間帯ではないだろう。」

僕はあえてつっこまないでおいだ。
なんせもう突っ込まれているのだから。

「はい…失礼しました。」

そういって高崎はいつものポーカーフェイスに戻り、マルシアにフレンチキスを見舞って背を向けた。

なるほど。この先制点はその得点以上に大きいものだ。
その時のマルシアは動揺を隠すことができず、龍原砲キャプテンの山王丸が必死に尻文字で「卍」マークを書き続けてスマイルアゲイン(サッカーや野球で言う応急処置)しても収める事は難しかった。

龍原砲ベンチがあわただしくなってきた。
審判にタイムを告げ、ベンチメンバーXの一人目が交代出場するようだ。

本当の戦いはまだ始まったばかりだった…。