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IOCというタブー

                        2021/05/28

 

 東京などに発令されている緊急事態宣言は、さらに6月20日頃まで延長された。新型コロナウイルスの感染が期待したほど進まず、重症者数は増え続けているからだ。今年の初めから、飲食業界などは営業時間の短縮など様々な制約を受け、廃業などの余儀なきに至っており、経済に対する打撃も大きい。

 ところが、救いの綱であるワクチン接種は大幅に遅れている。菅首相は、高齢者には接種を「7月末までに完了する」と言っているが、それが可能かどうかはまだ分からない。

 そのような中で、東京五輪を開催するのかどうか、日本では反対の世論が強まっている。

 しかし、そのような世論調査の結果が出ても、19日、バッハIOC会長は、「日本人の粘り強い精神力、逆境に耐え抜く能力」があるから五輪開催は可能だと述べている。精神論で可能というのなら太平洋戦争に負けた大日本帝国陸海軍の主張と変わらない。

 さらに、21日には、IOC副会長で東京五輪担当のコーツ調整委員長は、「緊急事態宣言下でも五輪を開催」と明言し、内外から厳しく批判されている。しかし、開催の中止や延期を唱える世論は6〜8割という現状で、このコーツ発言を国民は冷ややかに見ている。決定権はIOCにあると言うことを強調するかのような発言は、開催ムードを盛り上げるどころか、かえって冷や水を浴びせかけている。

 オリンピック、IOCというのは世界のタブーであり、これを批判することは許されてこなかった。日本では、東京五輪を開催し、33兆円の経済効果を獲得するということが政権の至上命令となり、与党議員、官僚、大企業、マスコミなど、すべて五輪を称えることが義務づけられてきた。

 私は、都知事として「Tokyo2020」を成功させるために全力をあげてきたが、主催都市の長としては、IOCに対して多くの不満があったが、自由に苦言を呈することができるような雰囲気ではなかった。そして、対外的に東京都の言い分を発信すると、24時間以内に厳しい注意の言葉が返ってくるのである。

 そのトーンは、「決定権はIOCにある。東京は金儲けできるのだから黙っていろ」というものだった。大企業のトップも同じような不自由な境遇にあったと思う。

 ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で、五輪を開催すれば日本国民の命が危険に晒される事態となって、楽天の三木谷氏やソフトバンクの孫氏などが開催反対論を主張するようになった。

 コロナがなければ考えられなかった事であり、まさにこのウイルスが五輪やIOCの仮面を剥ぎ、タブーへの挑戦を可能にしたのである。海外メディアはバッハ会長を「ぼったくり男爵」と揶揄している。

 国民世論に関するかぎり、もう勝負はついている。

夏季五輪は1916ベルリン,1940東京、1944ロンドンが戦争で中止になっている。異常気象の影響もあり、今後は、10年ごとに新感染症が発生すると予測されている。「パンデミックのときは、4年後に延期し順送りする」というルールを作れば、今回のような混乱は避けられる。つまり、2024東京、2028パリ、2032ロサンゼルスである。このルール作りをIOCに提案したい。