プラスよりマイナスのほうが多い消費税増税:5つの問題点     | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 来月には、消費税が10%に上がる。

 第一の問題は、軽減税率の導入で複雑な税制となることである。スーパーやコンビニで食料品を買って持ち帰れば8%だが、店内のイートインコーナーで食べると10%となる、逆に外食店での持ち帰りは8%である。牛丼チェーンなど、店のほうは、両者の価格を一致させるなど、様々な工夫をしているが、大変な手間である。

 第二に、キャッシュレス決裁ポイント還元も、愚策である。キャッシュレス化を進めることと、消費税増税とは別問題である。中小小売店は現金での支払いが普通であり、カード決済などしている店はほとんどない。

 しかも、キャッシュレス化にはコストも人手もかかる。中小小売店にキャッシュレス化も無理強いするようなことは、まさに現場を知らない役人の発想だ。そもそも、なぜ日本でキャッシュレス化が進まないかの原因をきちんと究明すべきで、日銀がデジタル通貨を発行するほうが先ではないのか。

 第三に、消費税率の8%と10%との差はわずか2%であるが、心理的なインパクトは大きい。第一に、二桁になることである。第二に、価格の1割というのは計算が簡単な分だけ、消費の段階で重税感が増す。たとえば、1万3750円の買い物をすれば、消費税が1375円だとすぐ暗算できる。しかし、8%だと、電卓でもないと1100円という税額はすぐに出てこない。1割の消費税は消費を抑制する効果が、2%の税率の差以上にあると考えてよい。

 第四に、景気回復の実感を感じていない人が大半であり、消費税増税時にお金の使い方を見直すケースが多い。つまり、10月以降の消費の落ち込みは激しいことが予想される。個人消費はGDPの6割を占めており、政府はポイント還元、軽減税率など様々な対策を準備しているが、それがどこまで効果があるか未知数である。

 第五に、消費税増税による税収の半分は還元するというが、それなら、最初から10%ではなく9%にすればよかったのではないか。還元分を受け取る人は喜ぶかもしれないが、そうでない人は不満を持つ。もし所得の再配分を目的とするのならば、消費税増税対策で行うのではなく、累進性のある所得税を活用すべきである。

 このように多くの疑問が出てくる施策のオンパレードである。税制は簡素で、中立、公平でなければならない。たとえば、一切の例外なしに消費税10%を断行するほうが、簡素な税制になる。

 米中貿易摩擦で世界経済が縮小する状況下で、今回の消費税増税は、プラスよりもマイナスのほうが遙かに大きい。