日韓GSOMIAを破棄した文在寅の正体  | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 8月22日、韓国政府は日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄する決定を下した。東京とソウルの安全保障関係まで危機に陥れる暴挙である。

 世論の動向ばかりを気にして、反日を支持率回復に使う文在寅政権の問題が露呈いている。

 韓国政治史を振り返ってみる。

 韓国には、政権交代があると、前政権のトップは刑務所行きになったり、自殺を迫られたりという悪しき習慣がある。「先王を殺す」という伝統である。

 昨年の10月30日には、韓国大法院(最高裁判所)は、元「徴用工」について新日鉄住金に賠償を命じる判決を下した。

 1910年の日韓併合以来、朝鮮半島からの労働者動員は1939年7月~45年4月に行われたが、それ以外は自由意思による出稼ぎである。動員についても、①民間企業による募集、②官斡旋、③徴用とあり、③は44年9月から8ヶ月のみである。

 私は、長年にわたって、「戦前の在日朝鮮人」について研究し、その実態について公表してきたが、それを韓国の有識者ですら無視し続けている。この元「徴用工」問題も、日韓関係をさらに悪化させている。

 昨年末の12月20日、韓国駆逐艦が海上自衛隊P-1哨戒機に火器管制レーダーを照射する事件が起こった。これはミサイル発射準備の行為で極めて危険であり、国際的にも非常識である。

 そして、今日、8月22日、韓国政府はGSOMIAを破棄した。喜んでいるのは金正恩である。

 文在寅政権は、経済運営に失敗し、南北融和も進まず、対米関係も不調である。そこで、反日攻勢で支持率回復を狙っているのである。

 文在寅は、金大中、盧武鉉政権の流れをくむ左翼ポピュリストである。政策的には、(1)対北朝鮮宥和、(2)対日強硬が特色である。左派政権特有の「日本に対しては何をしてもよい」という甘えがある。

 文在寅政権下で出世しようとすると、与党政治家もこの路線を貫くしかない。文喜相韓国国会議長や李洛淵首相は、いずれも知日派であるが、それだけに反日姿勢を鮮明にせざるをえないのである。私は、李洛淵には、首相就任前に東京で会っている。彼の本音は現在の言動と異なると思うが、立場上、対日強行姿勢をとらざるをえないのである。

 日本と韓国は、国家と国家の対等な関係を構築しなければならないが、今回のGSOMIA破棄決定は、文在寅政権にそれを期待しても無駄だということを、日本人に再認識させたのである。