トランプ外交で大丈夫か・・・金正恩の本音を知るべし | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 6月30日、トランプと金正恩は板門店で会い、3回目の首脳会談を行った。トランプの選挙用のパフォーマンスの色彩が濃いが、今後の展開を考える上で、金正恩の本音を知っておく必要がある。

  第一に、北朝鮮は、本当にICBMと核兵器の開発は完了したのか。もし未完成であるのなら、それで相手を交渉の場に引き込んだということは、張り子の虎を本物と見せた嘘の大勝利である。

 第二に、使用不可能になった御用済みの実験場を廃棄しても、北朝鮮は痛くもかゆくもなかろう。これも、姑息な外交カードである。

 第三に、既存の核兵器やICBMを廃棄するとは言っていないことであり、これでは、本当に非核化を実行するかどうかは不明である。

 第四に、核開発と経済建設の「並進路線」を同時に進めてきたと言うが、実際は国民の生活を犠牲にして、核開発に集中してきたのではないのか。鄧小平が行ったような社会主義下での市場経済という実験を行うことができるのか。

 第五に、北朝鮮の従来の発想を超えるものがあるのかどうか。最高の優先順位は、金王朝の維持、つまり独裁体制の維持である。金正恩は、ルーマニアのチャウシェスクやリビアのカダフィの轍を踏みたくないという思いが強い。だから、その体制保証をアメリカから取り付ける手段として、核兵器とアメリカ本土に到達するICBM の開発に全力を挙げたのである。

 金日成は「肉入りスープと瓦葺きの家」を国民に約束したが、それはまだ実現できていない。国民を飢えさせないような経済建設を行おうとすれば、市場経済化とともに一定の民主化が不可欠となる。それを実行する決意があるのかどうか。

 体制を変更せずに、経済を豊かにする手段は、外国からの経済援助である。米朝首脳会談における金正恩の最大の目的は、非核化という空手形を発行して経済援助を取り付けることである。

 第六に、独裁体制を黙認することは、アメリカ建国の理念に反する。拉致問題は、アメリカが重視する人権問題であるが、解決への道は進展していない。

 以上のような疑問に答えることなく、気楽に金正恩に会うトランプの外交姿勢は問題だと言わざるをえない。