厚労省のデータ管理の杜撰さ:薬害C型肝炎訴訟問題対応の思い出 | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 厚労相の毎月勤労統計の不適切調査が問題になっているが、私が大臣時代に取り組んだ課題に年金記録問題とともに薬害C型肝炎訴訟問題がある。いずれも役人のデータ管理の杜撰さが原因の一つとなっている。拙著『厚生労働省戦記』を引用しながら記してみる。

 薬害C型肝炎訴訟問題は、私の大臣就任直後から大きな問題に発展し、2007年秋から冬にかけてマスコミを巻き込んで、まさに劇場型政治の典型とも言える展開を見せた。

 肝炎とは、肝臓に炎症が起こり、発熱、黄疸、全身倦怠感などの症状が起こる疾患であるが、日本では肝炎ウイルスによるものが8割を占める(A、B、C型が多い)。

 90年代初めまでは検査感度が低かったため、C型肝炎ウイルスに汚染された血液を輸血する危険性があり、感染する可能性があった。さらに、血液凝固因子製剤(フィブリノゲン製剤、非加熱第IX因子製剤、非加熱第VIII因子製剤)の投与によるC型肝炎感染があり、これを薬害肝炎という。

 フィブリノゲン製剤は、止血剤として、例えば、出産の際の妊婦の大量出血への対応として使用される。フィブリノゲン製剤によってC型肝炎に感染した患者らが、製薬会社と国の責任を問うて謝罪と補償を要求して起こしたのが薬害肝炎訴訟である。

 実は、厚生労働省がフィブリノゲン製剤によるC型肝炎ウイルス感染に関する調査(報告書は2002年8月に公表)を実施する過程で、三菱ウェルファーマからフィブリノゲン製剤によってC型肝炎に感染した418人の個人毎の情報が記された症例リストの提出を受けていた。

 このリストには、個人の氏名のイニシアル、住所、投与日、症状、医療機関名などが含まれており、個人を特定できるケースも存在した。しかし、私は、官僚からは、「リストには個人情報を特定できるものは含まれていない」とのレクチャーを受けたのみであった。

 ところが、10月19日、厚生労働省の地下3階の倉庫からリスト関連の資料が見つかり、そこには、フィブリノゲン製剤投与後に発生した肝炎等の報告例418件について、実名記載が2件、イニシャル記載が116件、年齢や性別などの記載が47件、医療機関が特定できているものが24件あった。

  さらに、私は、10月22日、田辺三菱製薬の社長を大臣室に呼び、会社が197人の実名、170人のイニシャルを保有していることを明らかにさせた。また、本人と判明した人にフィブリノゲン製剤投与の事実を告げ、治療や検査を勧めるように働きかけることを指示した。

 その後、私は記者会見し、「メーカーも国もやるべきことをやらなかったのではないか、だから洗いざらい検証する、検証して国に責任があれば、きちんと対応する」と述べた。そして、この問題を徹底的に調査するために省内に大臣直属のチームを発足させたのである。