パックス・アメリカーナの次の国際システムがどうなるのかを考えるとき、議論の整理のために、ウォーラーステインの世界システム・モデルを使って見よう。
下図は、ウォーラーステインのモデルに私が修正を加えたものである。ウォーラーステインは、中核(A)、辺境(C)、それにその中間の半辺境(B)の三つの地域に分類し、時代ごとに中核諸国が交代していくとした。
半辺境については、中核へと上昇しつつある地域と、逆に辺境へと下降しつつある地域の二つがある。そこで、ここでは両者を区別し、前者を半中核(B・①)と呼び、後者を半辺境(B・②)と呼ぶ。
さらに、世界システムとしての資本主義世界経済にとっては、アウトサイダーであり、反システム的な地域(D)が存在した。かつてのソ連を筆頭とする社会主義陣営である。しかし、米ソ冷戦が終わった今日、ロシアも中国も世界資本主義経済システムに組み込まれている。
北朝鮮など少数の国がDにとどまっている。