国際政治学講義⑤:(1)国力とは⑤ | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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(5)文化

 国力の一つが文化の力である。第二次大戦後、アメリカが、その強大な軍事力や経済力で世界を支配したが、同時に、アメリカ文化、具体的には「アメリカ的生活様式(American way of life)」が世界に広まっていった。

 高度経済成長期には、「大量生産、大量消費」に象徴されるアメリカ文化が世界のモデルとなり、ハリウッド映画、音楽、絵画などの分野でもアメリカの影響力が強まっていった。

 しかし、世界には様々な文明があり、それぞれの国に固有の文化と伝統がある。たとえば、私が若い頃に留学したフランスは、文化大国として知られる。文学、料理、ファッション、絵画・音楽・映画などの芸術が世界中の人々を引きつける。

 フランス文化は経済にも直結しており、観光客の数では、フランスが世界一で、年間8260万人(2016年)もの観光客がフランスを訪問している。因みに、日本には2404万人の観光客が来訪しており、世界で第15位である。

 日本文化も伝統的なもののみならず、現代の漫画やアニメなども世界の脚光を浴びている。また、日本料理も健康食として世界から高く評価されており、フランスのワインに及ばないにしろ、日本の酒も海外に輸出される状況になっている。

 オリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であるとともに、文化の祭典でもある。日本の文化力を世界に示す絶好の機会であるが、そのような発想をもって大会の準備に携わっている関係者は少ない。

 先の大戦で、京都と奈良が米軍の空爆から免れたのは、その文化的価値を熟知している専門家が、アメリカ政府の戦争計画に影響力を及ぼすことができたからである。文化が軍事に優ったと言ってもよいエピソードである。

 価値観は宗教とも密接に関連する。サミュエル・ハンチントンが指摘するように、これからは「文明の衝突」の時代が来る。アルカイダやISのようにイスラム教を奉じるテロリストがいる。彼らは、世界の大きな不安定要因となっている。

 イスラム教の中でも、スンニ派とシーア派の対立があり、現在のシリア情勢の混迷にも関連している。欧州で、難民や移民の排斥運動が広がっているが、そこには自国労働者の雇用を守るという経済的要因のみならず、キリスト教文明とイスラム文明との相克がある。

 中東和平の行方は、民族問題とともに、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の三宗教、そしてそれを基盤とした文明の対立がある。

 アジアでは、中国が世界大国への道を歩んでいる。中国にとっては、朝鮮半島も、日本も、ベトナムも漢文明に属する国々であり、国力の増強とともに文化(漢字文明圏)の観点から周辺諸国へ影響力を強めていく可能性がある。

 文化も国力の一つであることをしっかりと認識して、日本もフランスのように文化予算をもっと増やす必要がある。

 

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