国際政治学講義④:(1)国力とは④ | 舛添要一オフィシャルブログ Powered by Ameba

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(4)金融

 第二次大戦後の世界は、パックス・アメリカーナ(Pax Americana)と呼ばれる。アメリカが覇権を握る世界秩序という意味である。

 巨大な軍事力に加えて、群を抜く経済力で、西欧や日本の復興を支援し、自由貿易の恩恵を世界に広めた。世界のGNPに占めるアメリカの比率は、1955年で36.3%、1960年で33.7%であった。

 ベトナム戦争の泥沼に引きずり込まれていく1960年代後半までは、アメリカは恒常的な経済収支黒字国であり、その豊富な資金を世界経済発展のために使うことができた。

 第二次大戦後、アメリカの巨大な経済力を背景に、ドルを基軸とする国際通貨システムが作られた。具体的には、金を国際通貨とする金本位制ではなく、ドルを金と並ぶ国際通貨としたのである。これをブレトンウッズ体制(金・ドル本位体制)と呼ぶ。国際通貨体制を支える機関がIMFである。

 先述したアメリカの巨額の経常黒字に支えられて、1960年代までは固定相場制度が維持された。金・ドル本位制の下では、金1オンスを35ドルと決めて、ドルと金との交換を保証された。日本の円は、1ドルが360円と決められた。

 ところが、アメリカはベトナム戦争で財政赤字が増え、国際収支も悪化して、金とのドルとの交換を保証できない状態に陥る。そこで、1971年8月15日、ニクソン大統領はドルと金との交換停止を発表する。これがニクソン・ショックである。この結果、国際通貨システムは変動相場制に移行する。

 通貨、金融の面における国力は経済力の反映でもあるが、自国の通貨が世界の基軸通貨となることこそ世界一の強国の証である。

 1980年代には、日本が繁栄を謳歌する状況で、「Japan as number one」などと海外の識者からもてはやされ、日本が世界を支配する覇権国になるというパックス・ジャポニカが到来したという論が強まった。

しかし、円が世界の基軸通貨となる見込みは全くない。その点だけを考えても、パックス・ジャポニカ論には無理があったと言わざるをえない。

 通貨や金融の分野における力も、国力の源泉の一つである。EU のユーロや日本の円も国際的な決済手段として使われるが、ドルと同じような意味での基軸通貨ではない。

 GDPで日本を抜いて第二となった中国は、完全な変動相場制ではないし、中国の通貨、元が基軸通貨となる可能性は今のところない。

 金融の面でのアメリカの天下は、まだしばらくは続きそうである。

 

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