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セバスチャン・ハフナー(瀬野文教訳)『ヒトラーとは何か』(草思社文庫、2017年)

 

 私は、若い頃からヒトラーや全体主義を研究してきた。ヒトラーに関する本は山ほどあり、しかも次々と新しい研究書が出版されている。しかし、初心者にも読みやすく、ヒトラーの特色をみごとに描いた本はあまりなく、その点でこのハフナーの本は秀逸である。この度、文庫本になり安価に入手できるようになったことを喜ぶ。

 学問、芸術などに優れたドイツ人がなぜ、このようなペテン師に騙されてしまったのか。しかも古代や中世ではなく、20世紀においてである。当時のワイマール共和国は、世界で最も民主的と言われる憲法を持っていた。

 第一次世界大戦で敗北し、過酷なヴェルサイユ条約を押しつけられたドイツが、威信を傷つけられているとき、それを回復させたのがヒトラーである。政権に就いた1933年に600万人いた失業者が1936年にはほぼゼロになる。また1933年にはわずか10万人しかいなかった軍隊が、1938年にはヨーロッパ最強の陸空軍となった。

 ドイツ人は、この実績を評価した。しかし、反ユダヤ主義がジェノサイドを招いたことは忘れてはならない。彼には、民族・種族しか念頭になく、国家を経営するという意識がなかった。ビスマルクやナポレオンと違って、ヒトラーは戦争によって自分の野望が遂げられないと、ドイツ民族の絶滅すら企てたのである。まさに狂気の沙汰である。

 人間の尊厳の原点である個人主義とは対極的に、この独裁者は「人間の国有化」を実行していった。ハフナーは、ヒトラーを大衆に権力基盤を置く「左翼的ポピュリスト」と位置づけ、上流階級による支配であるファシストとは異なるとも指摘する。ヒトラーの「最大の敵が保守勢力」という説明も説得的である。

 ヒトラーは世界をひっくり返した。このような政治家は歴史上、ほかにいない。金正恩の暴挙がいま世界を恐怖に陥れているが 、本書は北朝鮮の独裁者の思想と行動を理解するのに大いに参考になる。とくに若い人たちに読んでほしい。  

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