ブログにご訪問くださり、どうもありがとうございます。
日常の暮らしを、武道と坐禅でより豊かにしたい―。
そんな思いを込めて、気楽に書いて行きます。
コメントをくださるとうれしいです。
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また刃物によるむごい殺傷事件が発生しました。
神奈川県内を走行中の東海道新幹線で9日夜に発生した殺傷事件。
無職小島一朗容疑者(22)(愛知県岡崎市)は、ナタで20代の女性乗客2人に切りつけ、止めようとした30代の男性を執拗に切りつけて殺害しました。
この男性の勇気には心から敬意を表します。
小島容疑者は「むしゃくしゃした。誰でも良かった」と供述しているそうです。
実は、私は同じ9日夕方に、出張先の名古屋から上りの新幹線で東京に向かっていました。
時間帯も、上り下りも違うとはいえ、同じ日に同じ東海道新幹線の車内で発生した事件だけに、妙に生々しく感じてしまいました。
5月には、名古屋市内の漫画喫茶で、やはり22歳の無職の男が、見ず知らずの利用客の30代男性を果物ナイフで切りつけて殺害しました。「ずっといらいらしていた。誰でも良かった」と、小島容疑者と同じような供述をしています。
これらの事件以外にも、ナイフによる通り魔的な殺傷事件はこの1年にあちこちで頻繁に起きています。
つまり、ナイフによる理不尽な攻撃は、いつ、どこで我が身に降りかかっても不思議ではないのです。
新幹線殺傷事件に話を戻します。
9日夜、あの事件のニュースをテレビで観て、「自分があの現場に遭遇したら、どう対処しただろうか」と考えました。
武道をやっていると、当然そういう発想になりますね。
出張は2泊で、普段仕事で使っているショルダーバッグ(ファスナーで拡張できるタイプ)を持参。着替えのワイシャツ2枚や下着、資料などを入れてパンパンに膨らんでいました。
このバッグをそのまま、ナタを防ぐ「盾」にして使うには、重すぎます。
だから、中からシャツや資料などを急いで取りだしてバッグを軽くして、盾代わりに片手に持って突進し、相手が態勢を崩したところに、顔面に掌底(てのひらの下の部分)をぶち込むか、距離があれば前蹴りを腹部か金的にぶち込む。
しかし、この方法はダメ。
一刻を争う時に、カバンの中から荷物を外に出して・・・なんてやってるヒマはありません。
やはり、すでに報道されているように、椅子の座面を手で外して、盾代わりにするのが手っ取り早いかもしれません。
軽くて厚みがあるようですし。
(シートによっては外せない座面もある、という話も聞きましたが…)
で、くれぐれもやってはいけないのが、素手で刃物に立ち向かうことです。
武道や格闘技の経験者の中には、「刃物なんて素手で捌(さば)けるよ」「蹴り一発入れればいい」などと安易に思っている人がいるかもしれませんが、刃物による攻撃はそんなに甘いものじゃありません。
小島容疑者の体つきは、テレビで観る限り、とても鍛えているようにはみえません。
はっきり言って貧弱です。
それでも、ナタやナイフなどを手にすれば、人を簡単に殺すことができるのです。
たとえば、相手のパンチ(突き)が来た場合、空手では手(手首に近い腕)で受け、反撃します。
しかし、パンチは素手だからいいものの、これが刃物だと、手首に当たって血管が切れてしまうかもしれません。リストカットと同じで、へたをすると出血多量で死に至ります。
もちろん、フルコンタクト空手のように突きを体で受ける、なんてことは、相手が刃物だと自殺行為になることは言うまでもありません。
ナイフ攻撃に対して素手で捌く練習に力を入れている武道や軍隊格闘術もあります。
私も様々な無料動画やDVDの映像を観て、自分なりに研究もしました。
護身武道をやる以上は、刃物もきちんと捌きたいですからね。
たしかに、刃物による攻撃を流れるように捌き、自分の姿勢は保ったまま、相手を抵抗できないように制する、という一連の動作は、かっこよく、美しくさえあります。
しかし、動画を観れば観るほど、攻撃の単調さやスピードの遅さが目に付き、今では、あんなきれいな動きは「幻想」だと考えるようになりました。
相手が刃物を持っているのに、こちらが素手である必要はまったくない。
何でもいいから武器や盾になる物を持つべきです。
だからこそ、多くの武道には、素手・素足で戦う「体術」のほかに「武器術」があるのでしょう(私が修行している心体育道には杖術があります)。
もう一つ、気をつけないといけないのは、犯行が行われたのが新幹線の車内という点です。
新幹線車内の通路の幅は数十㎝なので、当然、動きが限定されてしまいます。
たとえば、暴漢が、剣道の面のように真上からナタを振り下ろしたとします。
現場が路上なら、横にステップしてよけることができます。
でも、新幹線の通路では、横にステップすることは不可能です。
ローキックやハイキックなども使えません(刃物相手には回転系の攻撃は使わないけど)。
後ろに下がってよけることはできます。
でも、一度下がってしまうと、相手はさらに刃物を振ったり突いたりしながら前へ前へと攻撃してくるでしょう。
こちらの体勢は不利になり、最後には刺されてしまうかもしれません。
結局は、シート座面などの盾を使って刃物の攻撃を防御しながら前へ出て、相手がひるんだところに掌底か前蹴りをくらわす、という対処法がベストだと私は考えています。
東京道場では、近い間合いで相手が攻撃してきた時に、前へ出ながら受ける練習を時々やっています。
相手の横や斜め前、後ろではなく、真ん前に出る。
具体的に新幹線の通路をイメージして練習していたわけではありませんが、エレベーターなどの狭い場所でも使える「技と度胸」を身につけようと考えて練習していました。
この動きは、盾があれば、刃物を持った相手にも応用できるはずです。
以上、久しぶりの投稿でした。