白坂です、

 

「埋没費用」と「機会費用」

「埋没費用」というのは、
特に説明は要らないと思います。

普通、日常生活で「費用」と
言っているのは、正確には
「埋没費用」のことです。

たとえば、
映画を観るために映画館に
2,000円を支払ったとしたら、
映画を観るための費用は2,000円です。

つまり、
正確な表現を使うならば、
埋没費用が2,000円です。

なので、
「埋没費用」に関しては、
特段、説明は要らないと思います。

腑に落としたいのは、
もう1つの費用である
「機会費用」の方です。

機会費用というのは、


【捨てる「機会」】


のことです。

たとえば、

もし、仕事をすれば時給:1,000円を
もらえる人が、映画を1時間、観る場合、
仕事をすればもらえた1,000円の機会を
捨てていますので、


1時間につき1,000円の機会費用を
支払いながら映画を観ている


ということになります。

では、
より具体的に考えていきましょう。

・映画代:2,000円
・映画 :2時間
・最初の1時間を観た段階で映画は期待ハズレだった。
 面白くないと感じている


(1)
まず映画を観るために
最初に2,000円を支払った瞬間は、

・埋没費用:2,000円
・機会費用:    0円
・合計費用:2,000円

を支払っています。


(2)
1時間、映画を観ました。
すると、

・埋没費用:2,000円
・機会費用:1,000円
・合計費用:3,000円

さて、
映画の残り1時間、
どのように判断するのが合理的でしょうか?

A:映画代:2,000円がモッタイないから
  残り1時間も我慢して映画を観続ける

B:これ以上、映画を観ることに
  追加の機会費用を支払わないように
  映画館を出る。

もし、
Aを選択した場合は、

・埋没費用:2,000円
・機会費用:2,000円
・合計費用:4,000円

です。

一方、
Bを選択した場合、

・埋没費用:2,000円
・機会費用:1,000円
・合計費用:3,000円のまま。

もし、
その日のうちに、時給1,000円の
仕事を3時間、やったならば、
映画に支払った「埋没費用」+「機会費用」


【合計】3,000円の費用を回収することも出来ます


要するに、

通常、「費用」「費用」、、、と言っているのは
正確には「埋没費用」のことであり、
「埋没費用」は「将来のために今、何をすべきか?」に
何の関係も【ない】。

「将来のために、今、何をすべきか?」を
判断するのに大事なのは、同じ費用でも、


【機会費用】の方である


ということです。


この話は、
映画のような身近な話だけではなく、
人生全般でも言えます。

たとえば、
18歳の人が大学に入学して、
入学金と、1年前期の授業料を
大学に納めたとします。

しかし、
いざ大学に入学して半年過ごしてみたら、
事前に期待していた大学とは全然、
違ったとします。

では、
その大学生は、どのように判断するのが
合理的でしょうか?


A:
支払った入学金と前期の学費がモッタイないから
残り3年半も、我慢して大学に残り続ける
べきでしょうか?

それとも、

B:
大学を中退するべきでしょうか?


もちろん、
「B:大学を中退」が合理的です。

なぜなら、
もし大学を中退すれば、
まず、その後、3年半の授業料を
払う必要がなくなります。さらに、

・アルバイトをして稼ぐ
・どこかの会社へ就職をする
・起業してビジネスを始める、、、

など、いずれかを選択することで、
この後の3年半で、


大学に支払った「入学金」と「前期授業料」
以上のお金を回収できる可能性もあるから、です。

このように、
機会費用というのは、


【捨てる「機会」】


なので、
大事なことは、

まず、
自分の時給を正確に知っていること。

・日給で働いている場合は、8で割る
・月給で働いている場合は、170で割る
・年棒で働いている場合は、2,000で割る

次に、

たとえ、目に見えるお金を
払っていなかったとしても、
それは「埋没費用」を支払っていないだけの
話であって、


機会費用は、常に支払い続けながら生きている


ということ。

もし、
自分の時間を1時間、無駄にしたということは、
たとえ、目に見えるお金を全く支払っていなかった
としても、1時間分の機会費用は支払った、ということ。

もし、
相手の時間を1時間、無駄にしたということは
たとえ、目に見えるお金を全く奪っていなかった
としても、相手に1時間の機会費用を支払わせてしまった、
ということ。


日常的に「費用」「費用」、、、と言っているのは、
正確には「埋没費用」のこと。感情的には、たとえ
モッタイないと感じたとしても、未来に対しての
意思決定には何の影響も与えない。

逆に、

日頃、意識することが少ない、
目に見えない「機会費用」すなわち、


【捨てる「機会」】


こそが、
未来に対しての意思決定に影響を与える。

もし、
今から1時間、何かをするとして、、、
たとえ、目に見えるお金を支払わずに
無料でするとしても、


機会費用を支払ってでも、やった方が良いことか・どうか?


たとえ、
埋没費用はゼロでも、機会費用が高く付くならば、
やるべきではない。

逆に、
たとえ、埋没費用が大きな金額だったとしても、
それ以上に大きな機会を失わないで
済むのであれば、


やはり、やるべき


合理的な意思決定というのは、
常に、基準の費用が「機会費用」。
すなわち、


「捨てようとしている機会は幾らか?」


決断の基準を、
常に、


機会費用を最小化する


するようにする。
そうすれば、

・より少ない費用で
・より大きな機会を

活かしていくことになるので、
時間とともに複利で


経済的に豊かになっていくことが出来ています

 

「埋没費用」と「機会費用」

今回は以上です。
本日も文章をお読みくださり感謝しています。
いつも本当にありがとうございます。

白坂慎太郎

 

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