白坂です、

 

リーマンショックとは?わかりやすく

リーマンショックとは、
アメリカの投資銀行「リーマン・ブラザーズ」が
経営破綻をしたことをキッカケに始まった金融危機です。

投資銀行というのは、
預金銀行との対比で用いられる表現です。

・預金銀行:
 預金者のお金を預かって
 他者に長期で貸し出す。

・投資銀行:
 預金者のお金を預から【ない】で、
 投資家からの出資金を
 他者に長期で貸し出す。


普通の預金銀行は、
2つの理由で、
リスクの高い他者には
貸し出しが出来ません。

1つは、
預かっているのが預金者のお金だから。

もう1つは、
銀行は預金銀行は法律によって
厳しく規制されていたから。

一方、
リーマンショック前の投資銀行は、

・預かっているのが投資家のお金であること
もう1つは、
・預金銀行に比べて、当時は、法律によって
 あまり厳しく規制されていなかった

なので、
よりリスクの高い金融商品に投資をすることが
出来ました。


預かっているのが投資家のお金です。
そして、投資家は投資銀行に対して、
出来るだけ高いリターンを期待します。

だから、
投資銀行は、投資家の要求に応えて
高いリターンが期待できる
案件に投資をします。

ただし、
投資家も投資銀行も、


高いリターンを出来るだけ低いリターンで、、、
という矛盾した欲求を持っています。


リスクとリターンは一致しますので、
社会には、

・ローリスク=ローリターン
または、
・ハイリスク=ハイリターン

のいずれかしか、ありません。

しかし、
人の感情は時として、
世界のどこかには、


ローリスクだけどハイリターンがあるのでは!?


という期待をしてしまう。

だから、
当時の金融市場には、


【数学上】:「ローリスク・ハイリターン」の
案件を創っていました。


いわゆる、金融工学です。
具体的には、


・まず、とにかく
 出来るだけハイリターンの案件を創ること

・次に、
 ハイリターンの案件を1つの金融商品の中に
 出来るだけ沢山混ぜ合わせること

・沢山混ぜ合わせることにより
 商品の組合せによって分散効果が働き、
 【数学上】はリスクが下がる。
 

ハイリターンの案件として選ばれたのは、
返済能力の低い人たちへの貸付金を
証券化した債券。

アメリカという国には、
メキシコや南米の人たちが
「アメリカン・ドリーム」を夢見て、
毎年、たくさん移住して来ます。

移住して来た人たちも、
当然、アメリカで夢のマイホームを持ちたい。
ただ、現金一括では買えないので、お金を借りて
マイホームを買う。

移住者にお金を貸した銀行は、
お金を貸している債権を
証券化して金融商品にする。

その
金融商品の中でも、


特に、完済が難しそうなものに注目した


完済が難しそうな案件であれば・あるほどリスクが高い。
だから、そのリスクが高い金融商品を買う側は
当然に高いリターン(金利)を要求する。

こうして、
まず、


リターンが高い金融商品が完成する。


そして、
色々な地域の、色々な人たちに関する
金融商品が混ぜ合わされる。混ぜ合わされれれば
混ぜ合わされるほど、


分散されるので【数学上】は、リスクが下がる


結果、
・ハイリスク・ハイリターンの金融商品

・分散効果でリスクを下げる

・【数学上】ローリスク・ハイリターンの金融商品が売買される


リーマン・ブラザーズだけではなく、
他の大手の投資銀行も売買していました。

名だたる大手銀行が投資していることで
金融市場も金融商品を信用していました。
当時の、格付け機関も最上位ランクの


AAA(トリプル・エー)を与えてしました


・大手の名門投資銀行が取引をし、
・格付け会社もお墨付きを与えていたことで、
「ローリスク・ハイリターン」の金融商品が
全世界で売買されていました。

しかし、
金融商品の元々は、


完済が難しいと見込まれていた人たちのローン


です。

・ある人は、予想通りに完済できないかもしれない。
しかし、
・みんなが・みんな完済できないということはないはず、、、
だから、
・完済できない人がいても、誰かかが完済できれば
 債権そのものはプラスになるはず、、、


この
みんなに・広く・たくさん分散していれば
全滅することはないはず、、、という分散思考が
最悪の悲劇に繋がります。

すなわち、
【数学上】下げることが出来ていたはずの
リスクを


全く下げることが出来ていなかった


つまり、
対象になっていた人たちの、
ほぼ・ほぼ全員が


ローンが払えず、家出をしていた


最初の一報が出た瞬間、
投資銀行に投資をしていた投資家は
大パニックになりました。

リーマン・ブラザーズに投資をしていた
投資家たちは、大急ぎで、出資金の返還を
求めたわけです。

1850年(日本の江戸時代)に創業して
創業160年以上の歴史があった
リーマン・ブラザーズが、


ものの半日で経営破綻した瞬間でした。


リーマン・ブラザーズという1つの
投資銀行の破綻は、他の投資銀行、
さらに広く金融機関を次々と連鎖的に
経営破綻させる可能性がありました。

ただ、
1929年以来、100年に1度とまで言われた
2008年のリーマンショック。当の震源地であった
アメリカは、


わずか1年半後には、再び、経済成長に向かっていました


理由は、
アメリカ政府が、過去の1929年の世界恐慌以降、
やはり学びを得ていたからです。すなわち、


アメリカ政府が金融市場に積極的に関与して、
投資銀行のドミノ倒しを起こさせなかった


過去1929年の時の世界恐慌の時は、
アメリカ政府は、金融市場の「神の見えざる手」に
任せていました。しかし、待てど・暮らせど
不況が終わらず、街の失業者が減らなかった。

歴史から学んでいた政府は、
金融市場における「神の見えざる手」に依存せず、
積極的に関与しました。金融機関に多額の公的資金を注入し、
債務には政府保証を付けました。

ある意味、
大失敗した金融市場を、アメリカ政府は無理やり
助けることで、金融市場で起こった信用不安を
最小限に止めることに成功したわけです。

1929年の世界恐慌は、結局、
1939年の第二次世界大戦にまで
発展してしまっていたことからすると、

100年に1度と言われたリーマンショックは、
1929年の世界恐慌に比べたら、はるかに・
はるかに小さな損害に留められました。

なお、
もし、私たち投資家が「リーマンショック」から
学ぶべき本質的な教訓があるとしたら、


分散すれば安全とは言えない


ということ、です。

もし、
数多くのものに分散した結果、
とても複雑な金融商品の組合せになったならば、
そのカゴの中に盛られた卵は


一斉に全部割れて、全滅する危険性もある


ということ。

>「これだけ沢山のものに分散しておけば、
  どれかは、1つ、大きく当たるかもしれない!?」

>「これだけ沢山のものに分散しておけば、
  全滅することはなく、どれかは大丈夫だろう!?」は、


【幻想】


数が多すぎて・複雑・難解なものほど
危険の大きいものはない。

人の脳は、それほど沢山のものを適切に
理解することも・管理することも出来ない。
それくらいだったら、極論、


たった1つの卵から決して目を離さずに、
厳重に・厳重に管理していた方が、
よほど安全。

たとえば、
結婚相手は、基本、分散できない。
そして、何より、自分自身は、
決して分散できない。だから、


分散しさえすれば安全は【幻想】


アメリカ政府は、
過去1929年の世界恐慌以降の学びを
活かすことで、リーマンショックの被害を
小さく止めることに成功しました。

同じように、
投資銀行に投資をする投資家も、
また、過去の歴史を教訓として
学びを得ることが重要。

たとえ感情的には、
分散が安全に感じられたとしても、
過去の歴史が教えているのは、
出来るだけ数が少ないシンプルな


集中こそが成功最大の鍵


であるということは、
常に肝に銘じ続けていたいものです。

 

リーマンショックとは?わかりやすく

今回は以上です。
本日も文章をお読みくださり感謝しています。
いつも本当にありがとうございます。

白坂慎太郎

 

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