イラストレーター長友心平ドックアート

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アーティスト&イラストレーターの長友心平です。
1977年鹿児島生まれ。東京在住。大在学中に自転車で日本横断。
関東、関西中心に似顔絵イベントや愛犬の絵画教室を開催しております。
2015年NHK教育「趣味どきっ」講師として出演。

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イラストレーター長友心平

8/20 更新!

<絵画教室>
◎8月23日(水)三鷹教室
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◎8月27日(日)世田谷区教室(千歳烏山)
https://reserva.be/info_shinpei_naga2
◎9月3日(日)中央区教室(築地)
https://reserva.be/info_shinpei_naga2
◎9月5日(火)田園調布教室 午前
https://reserva.be/info_shinpei_naga2
◎9月7日(木)魔法の描き方講座
https://reserva.be/nagatomomaho1/reserve
◎9月10日(日)大阪教室(淀屋橋)
https://reserva.be/info_shinpei_naga2/reserve…
◎9月11~14日
阪急ハロードックフェスタ
◎9月18日(月祝)世田谷区教室(千歳烏山)
https://reserva.be/info_shinpei_naga2
◎9月22日(金)中央林間教室
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◎9月27日(水)NHK学園市川
◎9月28日(木)三鷹教室
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◎10月1日(日)中央区教室(築地)
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魔法の描き方講座(今後の予定)
平日9/7(木)10/5(木)11/2(木)12/7(木)
休日8/26(土)9/23(土)10/28(土)11/25(土)

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9月15日。阪急ハロードックフェイスタが無事閉会した次の日。
 
知人がこの展覧会を観て、大きなショックを受けたと言っいたので、フラフラと導かれるように大阪から兵庫県へ。兵庫県立美術館で開催されている「怖い絵展」に向かう。
東京では10月から上野で開催されるようだが、今、観ておかなければと思ったのだ。
会場に着いたのは、まだ朝の7時。開館にはまだ3時間近くあった。当然ながら、誰もいなかった。
 
僕は、美術館入口の冷たい石の地面に座った。
静かな朝の気配を感じながら、20年前の自転車日本横断旅行のことを思い出していた。
鹿児島から北海道まで、野宿しながらの自転車旅行。出発して一週間くらいだろうか。
兵庫県に入ると、街のあちこちが工事中だったり、だだっぴろい広場があったりで、阪神淡路大震災の爪痕が、いたるところに残されていた。
宿も空いていないし、神社の軒下も断られ、行き着いた先は港町の倉庫。そこで、寝袋にくるまった。殺伐とした夜、遠くで若者たちの金切り声が聞こえて、地面の冷たさを感じながら眠りについた・・・。
そんなことを思い出していた。
 
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午前9時50分。
開場10分前には200人以上の来場者が並んでいた。
そしてついに入場が始まって、僕は一番最初に音声ガイドを手に取り、ダッシュで、一番奥に展示されている「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の前に立った。
 
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展覧会のことを少し。
 
開催中20万人が訪れたという大盛況の「怖い絵展」。長蛇の列ができていた。3列くらいの列で、順々に作品を観ていく来場者。
子供たちは「ぎゃーー!」と笑い、カップルはお互いの手を強く握りしめ、中には食い入るように見てる人や、老夫婦、車椅子の方、呆然と立ち尽くす人、苦み走った顔の人、無関心そうな人・・。様々に、作品の「怖さ」と対話していた。
 
それが、とても興味深かった。
 
かつての大盛況の展覧会のお題目、若冲でも、等伯でも、印象派でもない。そこにある絵画は、あまりに残酷な現実や神話である。
それを、我々が無意識に求めている時代なのかもしれない。「お化け屋敷感覚」とは割り切れない、何かの怖いもの見たさなのか。そうでなければ、あれほどの反響は呼ばないだろう。
 
「恐怖は想像力です・・」との会場の解説の通り、まだ見ぬ恐怖。でも、予想される歴史的な結果。
 
人間の無意識にある巨大な空白に、のっそりと確実に忍び込み、いつか支配してしまうもの。
劇的な演出や、美しすぎる表現を持って、ようやっとその片鱗を感じれるもの。
身体はぎゅっと緊張するけど、心の奥で、なぜか安堵しているようなもの。
 
それでも、美術館を一歩出たら、忘れてしまうのだろうか。いや、きっと忘れてしまったほうがいいこともある。
 
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「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
16歳で政治の闇に巻き込まれ、処刑された在位9日間の女王。
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描いたのは、当時、歴史画家で知られたポール・ ドラローシュ。
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まずは、この作品に絞って、画家の視点で感じたことを書いていきたい。
 
 
僕は、一番奥に展示されている「レディ・ジェーン・グレイの処刑」の前に立った。
わずか15分間。この世界には、この絵と僕しかいなかった。静かだった。
 
最初は、「なんて優しい絵だろう」という印象を受けた。もっと容赦ない悲劇的な印象を持つかと思っていたからだ。
なんといっても、ジェーンの手を支える司祭の手。目隠しをされたジェーンのさまよう手を、そっ添えて導く手。
司祭は険しい表情だか、神の祈りを囁いているのだろう。
 
鉞を持つ処刑執行人の表情も、冷徹無情というより、苦渋の色が滲んでいる。
「本当はこんなこと俺だってやりたくない。でも自分を守るためなんだ」と言わんばかりに。
しかし鬼のような形相がその意識を押し殺している。
背後にいる次女は、失神して空ろだ。あまりに残酷な現実に、ただ心を失ってしまっている。
 
ジェーンは、画家ポール・ ドラローシュの人知を超えた表現力で、完璧なる聖女、悲劇のヒロインとしてのすべての要素を備えて、舞台のワンシーンのようにドラマチックに描かれている。
「悲劇のヒロインは美しくなければならない」と誰かがいった。
しかし、ロミオとジュリエットと比べると、比較にならないくらい悲劇的な一枚だ。
 
その衣装、その肌艶、目隠しされているからこその、匂い立つ美しさ。
そして、手の動き・・。
これに関しては、この感想の核心になるので、もう一度触れることにしよう。
 
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このジェーンの美しさには、歴史的な背景がある。
 
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政権争いに勝利した「血のメアリー」ことメアリー1世は、この処刑を止めようとした。
メアリーの母親と、ジェーンの母親が親友だったからだ。
メアリーは改宗をすれば助けられると伝えたが、敬虔なプロテスタントのジェーンは断った。そして、その後ジェーンの父親も反乱に加わっていたことも重なり、処刑は決行された。
 
ジェーンは、まさに殉教者の鏡なのである。
実際は黒服を着ていたという史実を、画家ポール・ ドラローシュは純白のドレスにした。
その数分後、真っ赤に染まるシーンを、観る者に連想させるために。
 
夏目漱石はこう言った。
「余のズボンの膝に二三点の血がほとばしると思ったら、すべての光景が忽然と消え失せた」
ジェーンは、その後の絵画の歴史に名を残したわけだ。どうしようもない歴史の愚行に巻き込まれた悲劇の「闇」が深いほど、燦然と輝く「光」。
 
僕は目を閉じて、ジェーンと同じポーズをとった。
 
目隠しされている・・。
首置き台を探る左手に、司教の手を感じる・・・。
硬く、冷たく、強張っている手。無力観が伝わってくる・。
そう、司教は、懺悔の心で導いている。
ある意味、最高の殉教に向かう美しき子羊に、自身の矛盾した葛藤が、伝わってくる。
苦渋。苦渋。苦渋。
死の台に導いく使命。
神に祈りながら、神に叫ぶ。
「おお神よ!まるで私は、死神のようではないか!」
 
ジェーン。歴史では、汚濁の渦に巻き込まれながら、清く死を受け入れたとされていた。
しかし、この絵に描かれている、わずかに見える口元を見てみよう。
決して、覚悟とか、決意とか、清さ、という口元ではないような気がする。
 
この口元。
呆然・・・。無。虚無。
感情がない・・。
 
そして、手先。
首切り台を探る手のひらは、永遠の虚空をさまよっている。
台に手をつけば、あとは一瞬で天に召される。
 
が、その台は永遠に遠い・・・。
向かって左手の、なんとも頼りないことか。
もう消え去りそうに、ただただ、彷徨う手。
 
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僕は、同じポーズをとりながら、
その、あまりに恐ろしく、深く、彷徨う虚空に、心底「怖れた」。
無重力。
時間も失い、永遠に闇を彷徨う・・・。 
 
 
ーーそれが「生きている」ということではないのか。
 
 
人生、長かろうが、短かろうが、夢を見いだそうが、絶望しようが、家族が出来ようが、孤独だろうが、僕らは、ずっとこの闇を彷徨い続け、首置き台を探している。
 
寄る辺ない、しかし絶対的な孤独。
認めたくないが、確実に死が迫っていている「事実」を知っている。
司教に、静かに導かれていること、ちゃんと「想像」できる。
 
その真理を、永遠に画布にとどめた画家の力は、時間をも支配した。
これが、時間と共にある音楽や舞踊や舞台なら、また印象も違ってきただろう。
 
時間は宇宙のルール。
そのルールに隠された真実を、個人の力で発見し、描き出せるのか・・。
それは、大いなる叡智であり、歴史への畏怖であり、誠実に「事実」に向き合った、画家の覚悟の成せる技だ。
 
僕は、画家の端くれとして、その片鱗を感じ、
全て溶けてしまったような感覚に襲われ、その場に座り込んでしまった・・。
 
気がつくと、辺りはとても賑やかになってきた。
会場はたくさんの来場者に埋め尽くされていて、もはやジェーンの姿も見えなくなってしまった。
次の予定も迫っていたので、この辺りが潮時だと思い、出口に向う。
途中の会場も、雑貨コーナーも、出入り口も、熱気ある人で埋め尽くされていた。
「怖い絵」が、先ほどにも増して、凶暴さとユーモラスさを醸し出す。
何か、来場者を歓迎するムード。カーニバル。
「我らの残酷な恐怖を、どうぞご覧あれ!」
 
外に出ると、港町の潮風に包まれた。
東京ではあまり感じたことのない風だった。
故郷、鹿児島の潮風とも違う、なにか。
秋の始まりを予感される、心地よいものだった。
 
またいつもの日常が、容赦なく時を刻み始めた、と感じた。
 
しかし、僕は忘れてはいなかった。
永遠というものを。
 
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9月17日。東京にて。
長友心平
 
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