チッチの極短小説 第8回:二重のわたし | 質 篠原商店 ブログ
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栃木県宇都宮市塙田の質屋(質店)、篠原商店 のブログです

 

 チッチの極短小説の第8回は【二重のわたし】です。自分が2人に感じるというこの感覚、分かる人には分かると思います。チッチも過去にそういう経験あります。

 

 いつも記事を読んで下さる方、ありがとうございます。また、初めてこの記事を読む方、この記事に飛んでいただきありがとうございます。不景気に新型コロナウイルスの感染拡大と暗い話題の真っただ中ですが、いっしょに頑張りましょう。チッチはしゃかりきに頑張りますよ (''ω'')ノ

 

                                                                                                                                             

 

   1

 

 わたしが「わたし」と口に出していう時、それはわたしただ一人がいっているのではなく、わたし以外の何者かが口をそろえていっているように感じる。しかも、わたしの声を完璧にまねて。頭の中で「わたし」という時もそうで、とにかくわたしは、わたしの声を常に二重に感じるの。

 

 ただ感じるといっても軽くで、本当に二人がしゃべっているようには感じない。もしそうだったら、わたしは精神科に通院していることでしょう。でもわたしは、精神科どころか内科にもかからず、会社とアパートを往復する平凡な暮らしを送っている。

 

   2

 

 わたしの独り言はもはや独り言ではなく、わたしとワタシによるおしゃべり。時おり、自分の裸が背後から見られている感じになる。わたしの裸をワタシが見つめる。なぜかいつも決まって裸の時。それから、お酒を飲んで酔いが回ってくると、わたしはどちらのわたしなのか分からなくなってくる。

 

 もう一人のワタシは完全にわたし自身というわけではなく、かといってまったくの赤の他人でもない。完全に〈わたし〉ともいえず、ましてや〈わたしたち〉ともいえず、本当に不思議な感覚。わたしのような女は、この世にどれくらいいるんだろう。

 

   3

 

 二十半ばを過ぎた頃からだろうか、わたしが二重に感じるようになったのは。軽い感じだから、特に生活に支障はないけども、唯一困るのは自分を責めた時かな。自分を責める言葉を口にし始めると、わたしとワタシ二人から寄ってたかって責められているように感じ、胸が突き刺されたように苦しくなる。

 

 で、あまりにも苦しいから、いつの間にか失敗しても「めげずに次頑張ろう」と思えるようになった。だってその方が、わたしとワタシ二人から励まされているように感じ、すぐに元気が戻って来る。そして、また新しいことに挑む勇気が湧いてくる。わたし一人じゃ落ちこんじゃってだめだけど、わたしとワタシ二人なら立ち直れる。

 

   4

 

 わたしはわたし自身が二重になる病になったことで、自分を責める悪癖が治った。今わたしは人があきれるほど前向きで、仕事に恋に奮闘している。わたしが愛する作家のアルベール・カミュいわく、「重要なのは、病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ」。そして、「涙が出そうになるくらい生きろ」。

 

 

(原稿用紙3枚)

 

                                                                                                                                     

 

 

【 解 説 】

 

 

 

 

⑴ 内容について―自分が二重に感じる

 

 統合失調症、離人症、自己像幻視などの精神疾患に陥ると、こういう感覚に陥るので、【二重のわたし】は創作上の産物ではありません。チッチは過去に軽い離人感を体験したことがあります。あの時は確か、自分自身を頭の上からながめているような感じでしたな。

 

 それと、読みやすさを考えて、文章を長々と書くのではなく、【1】【2】と節分けしています。もともとは

分けていません。アメブロの横書きスタイルを考えると、こういう体裁の方がいいのではないでしょうか。
 
 
⑵ 言葉の拝借先
 
 文末の言葉は、チッチが敬愛してやまないアルベール・カミュからの拝借です。

 

  重要なのは、病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ。……『シーシュポスの神話』より

  涙が出そうになるくらい生きろ……【カミュの名言】が載っているサイトで発見

 

 お薦めは『異邦人』と『ペスト』です。どちらも小説で、新潮文庫で手に入れられます。哲学的エッセイの『シーシュポスの神話』も良いですよ。こちらも同じく新潮文庫から。

 

 

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