チッチの時事評論 第102回:小さい会社の戦い方 No.2―景気回復に期待しない | 質 篠原商店 ブログ
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栃木県宇都宮市塙田の質屋(質店)、篠原商店 のブログです

 

 昨日はテニスの全豪オープン決勝をテレビ観戦してました。さすがジョコビッチ、並みのプレイヤーならな気持ちが切れてしまうところを我慢し、時間をかけてねばり強く立て直しました。勝ち方を知っているということです。見てて勉強になる試合でした (´-ω-`)

 

 第102回は【小さい会社の戦い方 No.2―景気回復に期待しない】です。今の社会構造では、景気が回復しても、小さい会社に客足は向かない、というのがチッチの考えです。詳しくは本編をどうぞ。

 

                                                                                          

 

【 目 次 】

 

⑴ 小さい会社に景気回復の恩恵はない

⑵ 今は【大企業の囲いこみ】が半端ない

⑶ 大企業の宣伝・広告は脅威

⑷ 今は全国各地の企業がライバル

⑸ 物が売れないのは【供給過多】だから

⑹ 小さい会社は【付加価値】で勝負するほかない

⑺ 小さい会社はウェブ・マーケティングを頑張ろう

 

                                                                                                                                             

 

⑴ 小さい会社に景気回復の恩恵はない

 

 

 世の中には、自社の業績不振の理由を「景気が悪いから」の一言で片づけ、「景気が良くなれば、客が来るようになるだろう。景気が良くなるまで辛抱だ」と思い、何の手も打たない経営者がたくさんいる。

 

 だが、もしこのままいっこうに景気が良くならなかったならば、いったい彼らはどうするつもりなのだろうか。もしそうならば、会社はじり貧で先細ってゆくだけであり、そもそも、景気が良くなったからといって、自社に恩恵がもたらされるとはかぎらない。

 

 というより、小さい会社の場合は、今後景気が良くなっても、自社に顧客がわんさか訪れることはなく、顧客は今まで以上に大企業へ足を運ぶだろう。もし日本国民の収入が上がり、少々高いものを買える余裕ができたとしても、顧客は小さい会社には目もくれず、大企業の高額の商品・サービスを購入するだろう。

 

 

⑵ 今は【大企業の囲いこみ】が半端ない

 

 

 1990年以前の昔ならば、小さい会社は黙っていても食ってゆけた。理由は、地元において【大企業の囲いこみ】がなかったからだ。今ではすっかり見かけなくなった【町の電器屋さん】がその良い例だろう。

 

 昔は、テレビや冷蔵庫といった家電を買うとなれば、地域住人は町の電器屋さんに足を運ぶしかなかった。そのため、家電に関していえば、町の電器屋さんは地元で圧倒的な知名度を誇り、何か特別なことをしなくても、店を開いていれば客は来た。競合他社は存在しても、みな町の電器屋さんという小さい会社で営業許容量は少なく、だから自社の顧客を根こそぎ取られることはなかった。

 

 が、【コジマ(現在は『ビックカメラ』の傘下)】【ヤマダ電機】【ケーズデンキ】といった家電量販店チェーンが全国のあちこちに店舗を展開し始めると、町の電器屋さんは軒並み消えていった。

 

 自分の生活圏内に2個も3個もケーズデンキの店舗が立っていれば、町の電器屋さんの名前よりもケーズデンキの名前を目にする機会が多く、おまけにテレビCMやチラシをどんどん打つものだから、地域住民にとっては町の電器屋さんよりもケーズデンキの方が知名度が高くなってしまった。

 

 そして、ひとたびケーズデンキに足を運べば、町の電器屋さんよりも商品の種類が豊富で、しかも値段が安いということもあり、町の電器屋さんへ足が向かないようになった。

 

 

⑶ 大企業の宣伝・広告は脅威

 

 

 大企業というと、薄利多売の手法に目が行きがちだが、しかし値段がいくら安くても、店に来てもらわなければどうにもならない。したがって、店舗に顧客が来るようにしむけるための宣伝・広告は企業活動にとって何よりも重要なものであり、この重要領域に巨額の資金をつぎこめるのが大企業の何よりの強みである。

 

 前回も話したように、私たちは何か商品やサービスを選ぶ時、今まで聞いたことのない企業のものよりは、世間に名の知られた企業のものを選ぶ。ビジネスにおいては何をおいても【知名度】が重要なのであり、だから一見そうとは思えないが、実は値段の安さは2番目である。

 

 まずは自社の商品・サービスを顧客に知ってもらわなければならない。競合他社の商品・サービスに競り勝つためには、顧客の比較検討の網にかからねばならない。文面にすると至極当たり前の話なのだが、ここが抜け落ちている人間は多い。

 

 

⑷ 今は全国各地の企業がライバル

 

 

 町の電器屋さんのような例は枚挙に暇がない。地方に【ジャスコ(現在は『イオン』)】や【ダイエー(現在は『イオングループ』の完全子会社)】といった巨大ショッピング・センターが出現すると、町の洋服屋さんや雑貨屋さんは次々と店をたたみ、【セブンイレブン】や【ローソン】といったコンビニエンス・ストアの店舗があちこちに立つと、町の弁当屋さんやパン屋さんが消えていった。

 

 バブル崩壊以降は、全国各地に多店舗展開している(フランチャイズ制も含む)大企業が圧倒的に強くなり、この30年、地方の小さい会社は厳しい戦いを強いられている。

 

 さらには、そこに加えてネット社会の到来により、ネット通販で県外の企業から顧客を持っていかれるようになった。お分かりだろうか、今は小さい会社にとって地元にある大企業だけが強烈な競合他社なのではなく、全国各地のありとあらゆる企業が強烈な競合他社なのである。インターネットは日本全体を一つの市場に変えた

 

 

⑸ 物が売れないのは【供給過多】だから

 

 

 今まで耐えてきたからといって、油断してはならない。日本の人口は2011年から減り始め、日本国内の市場は縮小している。供給過多が進み、競争倍率が上がっているので、国内のビジネス環境はもっと激しくなるだろう。

 

 戦後からバブルにかけて小さい会社でも黙って食って行けたのは、供給不足だったからだ。日本の人口が右肩上がりで、大企業の商品・サービスだけでは日本国民全体に行き渡らず、だから小さい会社にも客足が向いたのだ。それに何より、全国に渡って多店舗展開する大企業が少なかったことが大きいだろう。

 

 無論、平均年収の低下や消費税増税の要素も考慮せねばならないにせよ、しかし物の売れ行きを大きく左右する要素は【需要と供給の関係】にほかならない。

 

 ここで1社1固の商品を提供し、顧客は1固だけ商品を購入するとしよう。そして、100固の商品があるとして、これは顧客が100人いれば、商品はすべて売れることになる。だが、顧客が70人に減れば、商品は30固あまり、30社は売上を上げられなくなる。今の日本で起きている物が売れない状態というのは、単純にこのことでしかない。だから、大企業は海外市場に乗りだすのである。

 

 

⑹ 小さい会社は【付加価値】で勝負するほかない

 

 

 今は供給過多で、顧客には選択肢があり、顧客の方に主導権がある。したがって、数ある商品・サービスの中から、顧客が自社のものを選択してくれるようにするためには、競合他社よりも顧客の【QOL(Quality of Life=人生の質)】を高めるような商品・サービスを開発せねばならない。

 

 そのためには顧客のライフスタイルを深く知らねばならない。小さい会社は大企業のように薄利多売の戦略を取れず、どうしても自社の商品・サービスは大企業のものよりは割高になるため、付加価値で勝負するほかないのだ。そして、全ての顧客が満足するような商品・サービスを作ることは不可能であるから、標的とする顧客層を絞らねばならない。

 

 この辺のところは、前回の『小さい会社の戦い方 No.1―基本方針は【大企業との差別化】』の⑺⑻でも述べたが、とにかく今は【QOL】【ライフスタイル】ということを念頭に戦略を立てるのが、ビジネスにおける常識である。

 

 

⑺ 小さい会社はウェブ・マーケティングを頑張ろう

 

 

 ここまで来れば、何もしないでただ景気の回復を待つことが、いかにバカげたことがお分かりいただけたと思う。それに、この物が売れない時代においても、着実に業績を伸ばしている企業はたくさんあるのだから、こういった成長著しい企業の手法を研究し、それを自社に落としこむ努力をすべきである。そもそも、何もしないは経営の打ち手として最悪であり、経営者として失格である。

 

 ところで、成長企業はインターネットを駆使して新しいビジネスモデルを構築している。今はネット社会であるし、小さい会社もインターネットを用いた経営戦略を立てる必要があるだろう。しかも幸いなことに、ネットサービスはほぼほぼ無料であり、有料でもあっても超低額であるから、資金の乏しい小さい会社でもウェブ・マーケティングを実施することができる。

 

 そこで次回からは、私が実践中のウェブ・マーケティングを紹介していくつもりだ。私も小さい会社の人間であり、小さい会社で奮闘する人間の参考になればと思い、このシリーズを書き始めた。もし今これを読んでいるあなたが、やる気があって勉強熱心な小さい会社の人間ならば、私とあなたは同志だ。ともに頑張ろう。ともに頑張り、ともに生き残ろう。

 

 

(原稿用紙10枚)