いわゆる代償行為

心理学に防衛機制という考え方がある。この防衛機制の１つが、置き換え＝代償と言われるものだ。
置き換え＝代償とは、「欲求を本来のものとは別の対象に置き換えることで充足すること」と定義されている。

置き換え＝代償は、次の3つに分類されている。
◆転移
抑圧された感情や衝動を本来の対象とは別の対象にふり向けること。
例：父親への憎悪を抑圧し、より安全に攻撃できる教師に向ける。
◆補償
劣等感を他の方向で補う。
例：「勉強がダメだからスポーツに打ち込む」
◆昇華
非社会的な欲求を、社会に受け入れられる価値ある行動へと置き換えること。
例：「性欲をスポーツで発散」


こうした理論で説明されるような心の中での処理がうまく行われないと、適応障害となり、自律神経失調症に陥ることもある。

体に様々な偏重を来たし、仕事に集中することすらできなくなることもある。そんなときに、弱い自分に初めて気づき、驚かされる。こんなにもストレス体制が弱かったのかと。親が死んだときでもこんなことは起こらなかったのにと。

「自分がこんなことで」と思うきっかけでも、年齢や取り巻く環境や何かのタイミング次第で、あることに対してストレスを非常に感じてしまうこともあるんだ。