五行詩(237) | 五行詩人の散策

五行詩人の散策

ありふれた日常の中でふと思うこと、嬉しかったこと、切ない気持ちを五行で書いております。

大切なモノが
そこに有るのに

見ようともせず
嘆いていないか?

心で見ているか?



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星の王子様は言っていた。

「本当に大切なものは目には見えないんだ」

しかし、目に見えるモノにすら、隠された大切な事もあったりする。


ちょっと変わった例えになるけれど、こんな事があった。


僕は通勤に地下鉄の都営大江戸線を使っている。

今日、帰宅時にある駅から車椅子の男性が電車に乗ってきた。

彼は乗るときも降りるときも補助する人も、車椅子用の渡り板も使わなかった。


彼自身の頑張りもあると思うが、車椅子の人でも乗り降りできる電車とホームの設計が凄いと思った。

利用している方は改めて見ていただけると判るが、大江戸線のホームと電車の間は他の電車に比べても驚異的に狭い。


電車が静止しているのならまだしも、それなりの速度で走るのである。

つまり、これは電車やホーム、線路の設計とそれを実現できる施工技術、さらには長年使用していても歪みや傾斜が発生しない品質のなせる業である。


コレだけの品質で全ての駅を作るにはかなりのコストがかかるハズだが、それを実現しようとする信念が感じられる。


大江戸線は他の部分でもバリアフリー化されている。車椅子の方のレポートなどがネットでも幾つか観ることができる。

果たして、健常な人たちはコレに気付いているだろうか?


電車とホームの間をあそこまで狭くするのは並大抵な技術ではない。

そして、その技術には車椅子などを利用する人への思いが込められている。



こうして、目に見えることですら、僕らはその裏に隠された想いや信念を見逃しがちなのだ。


ましてや目に見えない人の真心や愛情なんて、一生懸命に見ようとしなければ見えるはずが無い。

その人がしてくれる行動一つひとつを

その人がかけてくれる言葉の一言一句を

かみ締める事もせずに

自分は何も与えられていないと嘆いたりしてはいないだろうか?


大切なことは目に見えない。

目に見えないからこそ、必死になって見ようとしなければいけないのだと、痛感させられた帰宅路なのでした・・・。





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