【タイトル】
ひとりあそび
【アーティスト】
柴咲 コウ
【リリース】
2005/12/14
【トラック】
[1]恋愛感染経路
[2]memory pocket ―メモポケ―
[3]不自然な空気と果実
[4]Graybee
[5]合わせ鏡
[6]Glitter
[7]Strange space
[8]濡れた羽根
[9]漆黒、十五夜
[10]若手クリエーター
[11]Sweet Mom

【総合評価】3.4


 2ndアルバム。映画で「RUI」の名義は使用しているが、この時はまだ「KOH+」の名義は存在していない。


 当アーティストの音源についてはシングル楽曲とアルバム楽曲の各ベストアルバム2枚をレンタルして入手した覚えがあるが、どういうわけかほんの数曲しか残っていなかった。何らかの事情で選曲したようだが、こんなに少なかったか。

 そして今回のアルバムを見つけたわけだがそこに音源として残っていた楽曲が何曲か入っておりある程度の都合がついた形。レンタルではなくレンタル落ちだったのでCD自体も入手した。


 先行シングル楽曲は『Glitter』『Sweet Mom』の2曲。周知されているかどうかは分からないが本人が作詞をすることが多い、この作品でもほぼ8割が本人の作詞。

 本人の作詞については流麗な印象を受ける。他の女性アーティストに見習ったほうが良いと、素人の自分が言える立場ではないが一線を画しているのは確か。当方が言う「詞人」として相応しいとは思う。

 ただ、これは持論なのだがその歌詞に柴咲コウの《本能》(※本性とも言えるが以下本能で話を進める)が見えてこない。感情をぶつけるというほどの強さを感じない、歌詞に「!」「?」などの記号が入っているものもあるが実際聴いても中々気付くのは難しい。

 ただ組み上げた歌詞ではないとは思う。何処かに本人の想像する世界があってどうなっているのかを歌詞として表現しているというのが、多少深読みながら当方の見解。ただ、そこで動いているのは果たして本人なのかそれとも本人が投影した人間なのか。本人と見えてこないのが《本能》が出ていないとする主たる理由である。


 《本能》を歌詞に出さないことは良し悪しを問うものではない、心象風景などは大事だとは思うが感情は有っても無くても本人の自由であると考える。ただ柴咲コウに関しては作詞を手掛けるからにはその本性というか本能が垣間見れればいいなと個人的に思っていた、しかしながら結局はほぼ見えなかったような気がして何処か残念だった。

 意外性で言えば『若手クリエーター』、一覧を見れば遊んでいるようにも感じるが推薦としては一番に挙げる。(完)