2015-01-04-日 【政治ブログ】過度な世襲制は社会運営の失敗 | 新宿会計士のブログ(移転しました)-> http://shinjukuacc.com

2015-01-04-日 【政治ブログ】過度な世襲制は社会運営の失敗

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<2015年1月4日(日)政治ブログ>

本日も当ブログを訪問して下さり、ありがとうございます。昨年から今年にかけての年末年始は日並びが良く、クリスマス休暇と正月休みをうまくつなげて、12月22日(月)、24日(水)~26日(金)、29日(月)、30日(火)という6営業日を休むだけで

●2014年12月20日(土)~2015年1月4日(日)

という16連休にしたという人もいらっしゃるかもしれません。いずれにせよ、正月休みも終了ですが、当職自身は少し遅めに今週水曜日から連休を戴いて、ちょっとした旅行に行ってくるつもりです。

●2015年1月7日(水)~2015年1月12日(月)

の期間は、当ブログも更新を休む可能性大です(但し、世界中でWiFiがつながっているという昨今の通信事情を考えると、更新できるようなら更新するかも…です)。

▼世襲制の考察▼

世襲制(せしゅうせい)、という言葉があります。特定の社会的地位を親から子へと継いでいくことを世襲制と呼びますが、大昔であれば王様や貴族、封建領主といった地位が世襲制の対象となっていました。日本でも、事実上3代で滅びてしまった鎌倉王権を初め、室町足利王権江戸徳川王権などは、いずれも日本国王たる地位が世襲されました。しかし、鎌倉王権、室町王権、江戸王権はいずれも滅びており、現在の日本では最高権力者である内閣総理大臣は主権者である国民の意思により選出されています。また、欧州でも国王が権力を有しているケースは殆どなく、大部分の国では政治的な権力は民主主義の原理に委ねられています。

一方、現代の日本で世襲制が続いている例は、世界最古の血統を有し、世界最高の権威である天皇家でしょう。天皇陛下は日本国の国家元首であらせられますが、天皇陛下に政治的な権力は一切ありません。英国を初めとする欧州の君主国家でも同様であり、また、日本の皇室と並ぶ権威を持つローマ法王庁は世襲ですらありません。

一方、世襲の王家が絶対権力を有している例は、世界にいくつかあります。例えばサウジアラビアがそうですし、クウェートやUAEといった中近東の産油国もそうです。他にも、ボルネオ島の産油国であるブルネイ・ダルサラーム国やインドと中国に挟まれた小国・ブータン、意外なところではスイスとオーストリアに挟まれた小国・リヒテンシュタインが、君主の力の強い国であるとされています。そして、最近、世界中に厄介事を振りまく世襲制独裁国家として忘れてはならない国が北朝鮮でしょう。北朝鮮は共産主義(というか「主体主義」)を掲げ、人民に対して金正恩(きん・しょうおん)に従属することを強いていますが、この金正恩こそが、金日成(きん・にっせい)、金正日(きん・しょうじつ)と続く「金王朝の正統な後継者」なのです。

その一方、意外なことですが、同じ共産主義独裁国家である中国は、本質的には世襲国家ではありません。もちろん、中国は間違いなく、政治的に腐敗した独裁国家です。太子党を初め、共産党の有力幹部の子息らが権勢を誇っているという側面はありますが、それでも中国共産党の事実上の創設者であり、文化大革命で人民を殺害した戦争犯罪者・毛沢東の子息が共産党の国家主席を世襲したという事実はありません。

▼世襲制とは、必ずしも政治的な権力を承継することではない▼

日本や欧州の君主制各国は、既に遠い昔に政治的な世襲制を放棄し、立憲君主国家に移行しています。しかし、社会的な権力とは、必ずしも政治権力には限られません。例えば、大企業の創業者一族の御曹司として生まれた人間が、その企業に入社して分不相応に社会的な権力を握ることも、広義では世襲制と言って良いのではないかと思います。

ただ、日本の場合、創業者一族が大企業の社長の地位を世襲により継承していくのは難しい状況です。例えばトヨタ自動車の現在の社長である豊田章男さん は、確かに創業者一族出身の社長ではあるものの、Wikipediaによると渡米してMBAを取得し、米国の金融機関で勤務し、そこから平社員としてトヨタ自動車に入社しています。つまり、創業者一族であるというだけの理由で優遇された訳ではないということであり、事実、トヨタ自動車の創業者一族は、同社の多数株主でも何でもありません。

しかし、それとは逆に、どうやらあの隣国では、財閥の子息はエリートコースを歩むのが一般的なようです。

■韓国財閥3世 28才入社後、平均3年の31才で役員となる

―――20141231 1600分付 アメーバニュースより

http://news.ameba.jp/20141231-273/

このアメーバニュースはもともと、ニュースポストセブンから記事配信を受けたものです。この記事によれば、

韓国の全国紙『ハンギョレ新聞』が主要15財閥を調査したところ、財閥3世たちは、平均すると28才で入社し、31才で役員になっていることが判明した。入社から役員登用までわずか3年である。

と報じています。つまり、韓国の経済社会を支配する財閥では、財閥の御曹司であるという理由で、若くして大企業の役員に就任しているということです。

※余談ですが、Chaebolと言えば英字紙でも韓国の財閥を意味する用語として一般化しつつあります。そして、それが必ずしも良い意味で使われているものではありません。

記事では

知識も経験も、まるで足りない人間が会社の経営に携わっているのだから、不祥事が連発するのも無理はない

幼少期の教育も問題で、財閥子息は『周囲はみな召使い』というような環境で育てられるので、傍若無人な振る舞いになりやすい

手厳しい指摘がなされています。ちなみに「韓国では、主要10財閥が国内の年間GDPの75%を占め」ているというくらいですから、記事が事実なら、「10財閥」が韓国経済を事実上支配していると言って良い状況でしょう。

昨年も当ブログに記載したのですが、

■2014-12-22- (1/2)【政治ブログ】日韓関係、あと998年は疎遠で…

■2014-12-09- (1/2)【政治ブログ】全く、ど~「ナッツ」てんの?

財閥オーナーの長女である航空会社の副社長が発生させた「ナッツ・リターン事件」が、日本や欧米でも有名になりました。当職自身、先日も「同族経営の財閥企業が『ナショナルフラッグ』である大韓航空を支配していること」が日本では考えられないことだと申し上げました。先日のブログにも紹介した次の記事によれば、

■やりたい放題な韓国財閥ファミリーの横暴に韓国国民の反感高まる

―――20141211 1500分付 ライブドアニュースより

http://news.livedoor.com/article/detail/9565085/

過去10年間で見ると、韓国の10大財閥ファミリーの半分が刑事事件を起こしている。事件の総数は11件。財閥ファミリーのうち有罪となった人数は、9人に上る。また、韓国公正取引委員会が指定する49財閥のうち、約32%に当たる16財閥の人物が、刑事事件で起訴、もしくは有罪判決を受けている

皮肉なのは、財閥ファミリーが事件を起こし有罪判決を受けても、恩赦などでほとんど処罰されないという点にある。犯罪行為を行ってもまともに処罰されないのだから、財閥ファミリーが自分本位になったとしてもおかしくない

という状況であり、国全体のガバナンスの緩さには、もはや驚きを禁じ得ません。

▼世襲制と民度は比例する?▼

あまり差別的なことは申し上げたくないのですが、結局のところ、世襲制が罷り通る国は、市民が世襲制に対して戦わないからではないかと思うのです。あるいは、社会の一部分の階層に、富も名誉も権力もすべてが集中する社会というのは、どう考えても不健全です。

日本の場合、江戸時代を例にとれば、

●富は社会の最下層である商人に、

●権力は社会の最貧層である武士に、

●権威は社会的権力の無い公家に、

それぞれ分散していた訳であり、明治時代に入り、大日本帝国憲法が制定されてから数十年で原敬という平民が内閣総理大臣の地位に上りつめています(いわゆる平民宰相)。つまり、日本はもともと、権力の世襲が苦手な国なのではないかと思います。また、主要国の中でも特に厳格な相続税法を有していることを考えると、日本では富と名誉と権力を子々孫々へと無条件に伝えていくことは困難です。豊田章男さんのように、創業者一族であっても自ら考え、苦労しなければ、社長に就任することなどできませんし、豊田さんのケースすら日本では例外的であると言えるでしょう。

しかし、これに対してあの隣国では、主要財閥の経営者が世襲制となってしまっているのです。他国の悪口は言いたくないものの、あの国の在り方は、やはりどこか間違っているのではないかと言わざるを得ません。しょせん他国なので、我々日本人にとってはある意味「どうでも良い」話かもしれませんが、それでも失敗する社会を他山の石にすることには意義があると言えるでしょう。

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