続々・回想のクリスマス
義父がオーブンから取り出したローストビーフはこんなんなってました。
すごい汁〜
ローストビーフっていうか、ビーフシチューみたい
でも美味しそう
ジャガイモとにんじんをお皿の周りに飾るとナイスに見えるだろう?
そう言って盛り付け、ビーフをスライスしてる義父は可愛らしかった
でも、やっぱり耳が遠いから大声で喋り続けてるのよね、、、ツバ入る〜!
何はともあれ、こちらが義父の作ってくれたディナーです
ローストビーフ(?)、付け合わせのポテトにニンジン、マッシュポテト。
温めたコーンの缶詰も。
他にテーブルの上にあったのは、私がチンした枝豆、ディナーロール2種類、チーズ&クラッカー、ポテチ。
でね、どっぷり出てた汁はグレイビーで美味しいからってそのまま別のボウルに入れて食卓に置かれたのよね。
どう使うのかいまいち私にはよくわからなかったんだけど。
びっくりしたのが、、、私が席に着いて義父を待ってる間に、みんな食べ出したのよ〜
アメリカに「いただきます」はないけどさ、、、もっとこう、みんな揃ってから食べるとか開始の合図とかないわけ?
しかもトミーがディナーロールを取ってほしかったらしく、夫がつかんだそのパンを私に渡してトミーにパスしろって言うの。
手掴みでリレーしてパンを受け取るって、、、私ならいやん
義父「ステーキソースいる?」
夫「別にいらないと思う。」
義父も座り、、、夫だけが「オールライト!メリークリスマス&ハッピーバースデーパル」って。
でも誰も聞いてやしない。義父も食べ出したし、、、せめてかんぱ〜い!とかないんだ?
私、結局夫以外誰にもハッピーバースデーって言ってもらってない。
Dだって「これがパルへのプレゼントだよ」って言っただけで、ハッピーバースデーとは言われてないぞ?
悲しい、、、そりゃ〜ケーキは帰省前に向こうで食べておいたし、、、サラダやスープがなくても文句言わない、、、プレゼントだって当たり前のように無くたっていいけどさ、、、ハッピーバースデーくらい言ってくれても良くない?
テレビでかかってるのはこれだし、、、76年前の映画て!これともう一つ同じくらい古い白黒の映画があるんだけど、クリスマスといえばこの2つを毎年見るらしい
ショックに打ちひしがれていると、夫がボソッと日本語で「やっぱりソース貰った方が良かったかも。全然味がしない」って
そう、見た目は美味しそうだったローストビーフ、肉の味以外ほぼせず
味付けとしては玉ねぎとガーリックをソテーしてビーフブロスを投入したらしいんだけどね。
義父も味がないと思ったのかグレービーでグレービーソースを作ろうか?って言ってくれたのでうんって返したんだけど、またあのタマラから電話が来て今度は道順がわからないと。迷子になったみたい。
義実家は車を運転しない私でもわかりやすいなって思うくらい単純なルートで辿り着けるのに
義父が「今どこにいるんだ?ストリートサインはどこになってる?それなら〇〇ストリートでなんちゃらを見かけたら〇〇アベニューに右折すればいいから」とリアルタイムでガイダンス。「わかったわ」と言いつつ右折すべきところを左折したりしてパニックになってるようだ。
夫「なんてこった、こんなに頭の悪いやつは初めてだ」
義父には感謝してる。
2ヶ月も前から私たちが帰省することはわかっていたはずなのにクリスマスディナーを全く考えていなかったことには呆れるけど、、、夫の方が経済的に余裕があるし、パルもこの汚い家で食べるよりもどこか外で食べたいと思ってるはず、と思ってたのかもしれません。
私もあと何年かすれば40。誕生日を盛大に祝ってほしいとか思ってないし期待もしてないんだけど、この家には孫が住んでるのになぁ、、、そしてちゅっちゅがいるのになぁって悲しくなるんですよね😢
例えば親子の間でクリスマスはどうするの?とか、パルの誕生日だしどこかへ連れて行くの?といった会話はないものなんだろうか。
その会話があったなら前日に夫が怒る必要もなかったわけで、、、
アメリカに住む私のブロ友さんは料理上手、もてなし上手の方が多いので、しょっちゅう食事会の様子だったりパーティー料理を目にする機会が。
アメリカのクリスマスってこんなに力を入れるものなんだ、こんな料理を作るものなんだ、って頭に刷り込まれてるのよ。
義実家とのあまりの違いに、、、心の中で泣いた
世の中いろんな家庭があるものだ、と割り切るしかない。
ちなみに座席はこのように。寒いけど、ダウンが汚れると困るので脱ぎました。
写ってないけど私の右隣にちゅっちゅが座ってます
これは余談だけど、アップルウォッチのカメラ機能を使えばリモート撮影ができるんですよ
ボタンを押して3秒後に自動でシャッターを切ってくれます。ご存知でしたか?
さて、お腹を下した私が再びトイレと格闘して席に戻ると、、、なんと義妹が戻ってきたようだ、と夫より
「彼女と話せたの?」
「いや、もう部屋にいるみたい。」
は〜
玄関の階段は既にコンクリートが固まって使用できる状態になっているのに、わざわざ裏の入口から入ってきたらしい。
裏の入口はキッチンの奥にあり、そのまま地下へと繋がる階段へアクセスできる。
リビングにいたみんなと顔を合わせる必要もない。
これは、、、私が動くしかない。
義妹にはプレゼントのお礼がしたかったし、このまま無視して帰るのはもちろん、後でテキストだけ送るってのもしがないじゃない?幸い私に怒っているわけではなさそうだし、兄妹喧嘩のことは知らないていで話をしに行こうと思った。
地下へ降り、義妹の名前を呼んで夫婦の部屋を静かにノックする。
最初は反応がなかった。
もう一度ノックをし、「⬜︎⬜︎?パルだけど、ここにいる?」
「ヤー?」
「ちょっといい?」
義妹がキャミソール姿のたくましい格好で出てきた。
「プレゼント受け取ったよ。すっごく嬉しかった、ありがとう!」
「それは良かった。不器用だから完璧とは言えないけど、、、Dにも手伝ってもらって作ったの。」
「Dも一緒に作ってくれたんだね、ありがとう。感動したよ。家族写真もそうだけど、ティーンネイジャーの頃の夫の写真を見たことなかったから嬉しかった!若い頃の〇〇(夫)はハンサムで、、、」
義妹の顔がピクッとしたのを見逃さなかった。
やば!失敗したケンカしてるんだからそんなこと言っちゃダメね
「ハンサムで、、、今よりずっと細かったのね!あははちゅっちゅへのプレゼントもありがとう、あんなにたくさん!ちゅっちゅはピンクが好きだから、どれもピンクで可愛くて嬉しかった。Mがネイルをつけてくれてちゅっちゅも喜んでた。Mは可愛くてとっても良い子ね!すごく大きくなってた。ちゅっちゅとたくさん遊んでくれたのよ。」
ドアのところで立ち話を続けた。
ペットの話になって、キャスパーが可愛くてしょうがないという話もしといた。
夫のフォローをしとかんとね
義妹の口調や瞳は穏やかだった。
とてもあんなテキストを夫に送りつけるような人には見えない、、、
クリスマス当日もドアダッシュの仕事。お腹を空かせていないだろうか。
ディナーを一緒に食べることはできなくなっちゃったもんね、、、
「お腹空いてない?ご飯持ってこようか?」
「大丈夫。Dと外でご飯を食べてきたから。」
え!そうだったんだ。あの後Dと合流して食べてきたのか、、、でもどこで食べてきたんだろう。開いてるお店ってファストフードとか?
、、、
義妹のことは苦手だし何を考えてるのか理解できない人間だと思っていたけど、、、この時いろんなものが義妹の背景にフラッシュバックのように見えた。
成功してるお兄ちゃんには自分の気持ちはわからない。自分の運命は変えられない。
決してそんなことはないのに、そんな風にいつも自分を卑下してる義妹。
ずっと貧乏で普通以下の暮らし。
「ダッド。タマラはね、迎えに来てほしいのよ。今いる場所を聞いて、そこまでお迎えに行ってあげたら良いと思う。」
そう伝えると義父はタマラに「私に迎えに来てほしいか?パルがそうしろって私にアドバイスをくれたよ。、、、うん、わかった。いいか、今から行くから、絶対にそこから動くなよ?」
義父はタマラを迎えに行きました。やれやれだわ
後々余計なことをした、迷子のままでいさせたらよかったと後悔することに。
さて、みんなも食事は済んだようだし、義父が戻ってくる前にせめて皿洗いくらいはしておこう。
どれも汚いけどどれが皿洗い用のスポンジなのよ?
トミー「その白と青のブラシだよ。」
オェーッ!マジか〜、、、何年もの?
しかもこの蛇口部分、壊れてるみたいで浮くんですけど〜!
シンクは2つあるんだけど、右に動かそうとしても勝手に左に戻ろうとするし
更に驚いたのが、洗剤よ!
このDAWN ULTRAという青い洗剤は、本来であればトロッと粘性の強い洗剤のはず、、、水で薄めてるのか、シャバシャバなんですけど〜!!!勘弁してよ
皿洗い中に尻尾を振りながら私を見つめてるキャスパーだけが癒しかわゆし