なんと!
仙台に新しい通年リンクが誕生するようです!
新しいリンクを一から作るのではなく、すでにあるゼビオアリーナ仙台を改修し、リンクとフロアを共有できる施設にするそうです。
つまりフラット八戸と同じスタイルですね。
以前書いたと思いますが、アイスリンクの上にフロアを引き出してアリーナにするスタイルは、近年北米の主流になっているようです。
これにより、フィギュア、アイスホッケー、バスケットボール、音楽ライブなどで施設を共有することができるため、空き時間を減らして効率よく施設を使うことが出来るというわけです。
どのように共有するのかは知りませんが、フラット八戸の実績があるので、これからはこういったスタイルが増えていくんでしょうね。
ゼビオアリーナは結弦くんがソチで金メダルを取った後、凱旋公演をやった場所でもあるので、羽生ファンにはちょっと思い入れもありますよね。
あの頃は電子チケットなどもなく、確かロッピーでの一発勝負だったように記憶しています。
必要項目を入力しボタンを押した時すでに遅く、一気に無くなったチケットに、ローソンの店内で呆然としてたっけ…
私の入力がトロかったのは否定しないけど、完売するのに1分ほどしかかかっていなかったよなぁ…(遠い目)
そのゼビオさんが建物の中を改修し、その後建物を仙台市に寄付し、仙台市は管理をゼビオに委託するという形で運営するそうです。
たぶん上尾のリンクもそういう感じだと思うので、完全民間のリンクより官民で半分ずつ負担するこのシステムが一番安心のように思います。
座席はスケートリンク使用時は4500席とちょっと物足りない感じですが、新横のリンクよりは多いのでまあこんなもんでしょう。
そういえばオリンピックの後にアイスリンクに改修すると言われていた辰巳の水泳場はどうなっているだろうと思いちょっと調べてみたのですが、多分完成は2025年を目指して動き始めているようです。
こちらも座席数は固定席3500席+仮設席1500席、合計5000席なので、常設リンクとしてはこのくらいがベストなんだと思います。
とはいえどちらも完成は2025年ですよね?
それまでは施設の老朽化したアイスリンク仙台に頑張ってもらわなくちゃいけないわけで、もうしばらく我慢ですね。
さて、週末は福島でボラをやっていたのでNHK杯は見ていなかったのですが、その後何やらジャッジでもめていたようですね。
試合は見ていないのでプロトコルをざっと見て、いくつかの記事を読んでみたのですが、これはアレ?
やるやると言われ続けていたのに全然やってこなかった、いわゆる「下回り」の取り締まりが始まったということなんでしょうか。
どうも、ネットに出回っている意見を読むと、ほとんどの方々は「試合によってジャッジの基準が違うのはおかしい」ということを問題視しているみたいですが、でもかなり前から「下回りに厳しくなりそうだ」というのは言われていましたよね?
ルールに明記されたのも、はっきり書かれたのは今季からですがそういった文言が加わったのは先シーズンからですし、それ以前にも噂レベルでコーチ達には伝わっていたように思います。
実際、平昌が終わった頃からロシアのコーチ達は選手たちに、4Lzではなく4Loを推奨するようになっていましたよね?
ロシアの男子選手で上周りの4Lzをクリーンに跳んでいたのはコリヤダ君だけでしたから、取り締まり対策かな?と思っていたんですが、4Loは4Lzより難しいと言われているせいか4Loが増えている印象は今のところ感じられません。
でも、ロシアのコーチが4Lzより4Loを推奨してるというのが本当なら、理由はやはり下回り問題だと思うので、対策をしている選手はちゃんと数年前から対策をしていたということです。
日本のコーチ達にも一応通達は行っているみたいですが、シニアの選手はもう直せないでしょう。
それだけジャンプというのは子供の時の基礎がものを言うエレメントなんですよね。
小杉スケートの吾一さんが、この件で失言しツイッターを削除していましたが、あれはスケート連盟から指導が入ったんでしょうね。
スケ連って、内部のルールを外に漏らすのを極端に嫌がるので、インストラクター協会で話が出ていたと書いたのがいけなかったのかな?と私は思いました。
同じ様な感じで、何年か前、埼玉でジャッジをやっている方がブログを消されたこともあったんですよ。
そこに書かれていたことは「自分はジャッジする時にこういうところを注意して見ている」というような、選手にはむしろ有益なんじゃないかな?と思われる内容で、当時はそんなことまで削除するスケ連にちょっと胡散臭いものを感じたものでした。
もちろん、どうしてそんなことすら削除されるのか理由は分かっています。
それは「そこを注意して見ているというのはあなただけのルールですよね?」ってことなんですよ。
つまり、ジャッジはそれぞれ自分なりの感覚でジャッジしているので「同じところを見ていない」ジャッジもいるってことですよね。
にもかかわらず、ジャッジの言葉として活字に残ってしまうと
「ジャッジはここを見ていると書かれているのに、全然違う点数をつけてるジャッジがいる!おかしい!陰謀!」
と騒ぎだすファンがいるので、そういったジャッジ個人によって多少違うことを明文化しちゃいけないってことなんですよ。
吾一さんのツイートには「アクセルをスキッドしている選手」とも書かれていましたが、スキッドが絶対ダメというわけじゃないんですよ。
スキッドも下回りも、要は程度の問題であって、回る角度が小さければ問題はないわけです。
なのでそこは誤解を受けるかな?と思う部分でしたね。
それに、スキッドアクセルを跳んでいた選手はいましたからね。
そのファンに暴れられても厄介ですし
あ、下回りのことを「プレロテ」と書いている人がたくさんいますが、プレローテーションは「準備回転」というような意味で、決して「下回り」を指す言葉じゃありません。
下回りは「跳び上がる前に下で半回転以上まわってから跳び上がるジャンプ」のことなので、意味が違います。
ジャンプには回転する力が必要なので、どんなジャンプにも多かれ少なかれ跳び上がる前の回転はあります。
トウジャンプはトウを突きながら上に跳び上がるイメージで、エッジジャンプは軽く回転させながらスライスするように跳ぶので、エッジジャンプの方が準備回転は多くなります。
なんというか、プレロテという言葉を選手批判の便利な言葉に使っている人が大変多くて辟易してしまいますが、問題はあくまでそのプレロテが過度であるかどうかです。
便利な単語を知ってしまうと「羽生の4Loは180度のプレロテだ」みたいにトンチンカンなことを書いてくるイカレポンチが湧いてくるのでマジで頭を抱えてしまいます。
まあ、あくまで私個人の感覚ですが、許容される準備回転はトウジャンプで90度、エッジジャンプで180度までだと思っています。適正な範囲内であれば跳び上がる前に回転していても問題はありません。
上に上がる力をサポートするために突くトウを、まるでコマの軸のようにねじって、そこで回って半回転以上下で回転してから跳び上がるのが「下回り」と呼ばれるジャンプです。
トウジャンプは本来「トウアシストジャンプ」と呼ばれ、踏切り足の反対の足でトウを突いて、上に上がる力をアシストするジャンプです。
なので踏切り足とトウを突いた足はほぼ同時に氷から離れます。
下回りのジャンプはついたトウで回り始めてから跳ぶので、だいたいトウの方が氷から離れるのが遅くなります。
そうなると「踏切り足」ってどっちなの?踏切り足が離れてもトウはまだ氷についているじゃない?トウが離れた時を離氷と考えると空中では3回転くらいしか回っていないけど、それで4回転って言っていいの?ということになり、そこが批判される原因になっているわけです。
さらに、トウの先を突くのではなくベッタリエッジを氷につけて跳ぶのを「フルブレード」と言います。
下回りはエッジが氷から離れる前に回転を稼ぐチート技ですが、フルブレードは単純に「稚拙な踏切り」になります。
どちらもフィギュアを始めた時から正しく教えていれば良かったことなんですが、基礎を正しく身につけるのは時間も根気もいりますので、ここ最近は下回りを推奨しているコーチも多かったんですよね。
ヨーロッパでも下回りを最初から教えるコーチが増えていたようなんですが、そういった流れもここ2年ほどでやっぱり正しい跳び方に切り替わってきているようなので、今後は下回りは減っていくんだと思います。
何度か書いてきたことですが、自己流の形でやっていて「ジャッジは点数をくれているんだから大丈夫だ」と判断するのは大変危険なんですよ。
ルッツフリップのエッジエラーだって、厳しく見るようになった途端、修正できなかった選手は消えることになってしまいました。回転不足が厳しくなった途端、グサグサ刺されてキスクラで呆然とする選手は何人も見てきました。
基礎に忠実な形ではないけど点数が出ているんだからいいという考え方は、ルールが厳格化されたら簡単に淘汰されてしまいます。
そこは、簡単なやり方というのはメリットもあるがデメリットもあるということです。
ジャッジに問題があるとしたら、厳しく取るジャッジと緩いジャッジでエラーを取られたり取られなかったりすることです。
ショーマのジャンプは変わっていないのに中国杯の時は4Tにしかqがついていませんでした。
それがNHK杯では4つのqマーク。
どっちのジャッジが正しいのか、見ている方に判断はできません。
ファイナルではまた何事もなかったかのように高いGOEが並ぶかもしれませんしね。
ただ、取り締まりが始まったというのが本当なら、いつ何時qが並んでもおかしくはないということなので、そこは頭に入れておく必要があると思います。
着氷時の回転不足と違って、離氷時の下回りは勢いよく高く跳んだとしても回転が足りるとかいう話じゃありません。
跳び方そのものを変える必要があるので、シニアに上がってから変えることはほぼ不可能です。
でも、もう何年も前から取り締まりはあると言われ続けていたことなので、それをジャッジ批判にすり替えても意味はありません。
むしろ、今後の試合でそんなことは無かったかのような判定をされたら、その時こそ騒ぐべきです。
まあ、私的には下回りの取り締まりだけではなくスピンも正しく判定してと声を大にして言いたいところですよね。
座っていないシットスピンでレベル4なんて、誰が見てもおかしかったですからね。
そもそも、テクニカルがダメと判断しなくちゃパネルジャッジは普通にOKしていたんだろうし、そうなるとパネルジャッジ達はルールをどう解釈しているのか疑問ですよね。
しかし、ロシアの選手の多くが下回りのフルブレだったので取り締まるのは無理かな?とも思っていましたが、ある意味ロシアが表舞台から消えていることで鬼のいぬ間にやっちゃえって感じなんでしょうかね(笑)
何にしても、結弦くんのファンになって10年たたないくらいの私でも、回転不足やエッジエラー判定、転倒の減点、GOEを3段階から5段階へと、選手達の競技人生を大きく左右するほどのルール変更を見てきました。
その上で、結弦くんのファンで良かったなと思えるところは、そのどんな時代であっても結弦くんは勝つことが出来たし、ルール変更の影響をほとんど受けなかったと言えるところです。
つまり、昔から続いている正しい基礎を身につけている選手は、ルール変更によるダメージをほぼ受けないということでもあります。
ルール変更によって通用しなくなる選手というのは採点競技では普通にいます。
体操の白井くんも採点基準が変わったことで勝てなくなりました。
でも、内村くんに影響はなかったので、彼もまた確実に正しい基礎を身につけているということなんでしょう。
そして、レジェンドと呼ばれる選手は皆、そういう、ルールに翻弄されることのない選手達なのだということです。
先日、ボラの帰り道の車の中で、友人がどこかのGP試合を見たと言っていました。
そのうえで「あれ?フィギュアってこんなだったっけ?」と、ちょっと驚いてしまったんだそうです。
なんか動きもユルイし、点数も全然低い。
「あれ?男子ってこんなもんだったっけ?なんかハラハラもドキドキもしない」
と感じたそうですが、まあフィギュアファンでもない人間の、それが正直な感想ですよね。
2017年のヘルシンキワールドは300点をとっても表彰台に上がれなかったんですよ。
あの頃は本当に群雄割拠という言葉がピッタリの凄い時代だったと思います。
今後ああいった時代が再びやってくるかどうかは分かりませんが、世界のトップを狙うなら徹底した基礎を身につけること。
これからの選手たちにはそれを肝に銘じて日々精進して欲しいと思います。
以上