先日、ブログの中に「6割の大衆」ということを書いたのですが、この6割という数字がどこから来たのかというと、ビジネス用語にある「2-6-2の法則」を根拠にしています。
仕事をしていると「2-6-2の法則」を目にした方も多いとは思いますが、これは別名「働きアリの法則」とも呼ばれる、人間の行動パターンを表した法則となっています。
ざっくり要約すると
「人間の集団で、大変よく働く人間は2割、普通に働く人間は6割、余り働かない人間が2割」
と、このように分けられるということなんですね。
これは日本の学者さんがアリの群れを観察して気付いたことらしいんですが、それがそのまま人間社会にも当てはまるということで、この言葉が
「会社の中で、大変よく働く人間は2割、普通に働く人間は6割、余り働かない人間が2割」
という風に使われるようになったということです。
私がこの言葉を知ったのは15年以上も前のことだと思います。
当時、ヘッドハンティングという言葉が流行っていて、企業のトップは色々な会社から仕事のできる人をヘッドハントして自社に優秀な人間を集めようとしていたんですね。
ところが、優秀な人材を集めても事業はなかなかうまくいかない。
そこで出てきたのがこの「2-6-2の法則」です。
この法則によると、たとえ優秀な人間を100人集めたとしても、最終的には「大変よく働く人間は2割、普通に働く人間は6割、余り働かない人間が2割」に分れてしまうんだそうです。
理由は様々で、周りについていけなくなったり、互いに足を引っ張り合い結果的に業績に支障をきたすようになったり、自分が頑張らなくてもいいやと諦めてしまったり、そこは色々なんだそうですが、人間というのは大体このような割合でまとまるんだそうです。
で、元々はビジネスシーンで使われていたこの法則ですが、最近では人間の社会全てに通用すると言われるようになっていて、いわゆる対人関係とか自己啓発とかメンタルコントロールの分野でも使われるようになりました。
つまり
「自分を好きな人が2割、自分のことを嫌いな人間が2割、何とも思っていない人間が6割」
と、そういう風に置き換えることが出来るということです。
先日書いた結弦くんの記事の中で、私はこの「結弦くんのことを好きでも嫌いでもない6割の人間」と書きましたが、日常的には結弦くんを常に批判的な目で見ている人間たちが2割いるということを考えれば、全体には8割の人間が波のように大きく騒ぎ始めるので、実際に波が動き始めたら2割の人間にはどうすることも出来ない状況になります。
本当に暗澹たる気持ちです。
月曜になっても少しもニュースが落ち着くこともなく、何か記事が出たらまた特に結弦くんのことを知っていたわけでもない人々が
「いや、(お相手を)守れよ」
「海外とかに移住すればいいじゃないか」
「最初から違和感があったんだよな」
「愛してたら普通は我慢するでしょ」
とトンチンカンな批判でコメント欄を埋めています。
いや海外に居を移したらどうやってアイスショーを進めるの?と、何も知らない人たちの無責任な言葉に呆れてしまいます。
殺害予告や襲撃予告を何度も受け、珍バイトなどで組織的な誹謗中傷をされ、オリンピックに出場するのにセキュリティをつけられていた人間のストレスなど知る由もない、平凡で無知で、そのわりに自分はいっぱしの意見をしているつもりになっている愚かな大衆が、ここぞとばかりに他人のプライバシーを娯楽にしているのです。
最初に実名報道を出した地方紙が「おめでたいニュースなのだからニュースにするのは当然だ」といった反論をしていましたが、その認識はもう古いと思います。
誰も記事にしてないからスクープだ!と舞い上がったのかもしれませんが、今の時代、氏名を公表していないということは記事にすべきではないということなんです。
それでも「おめでたいことなんだから」といって記事にしたいと思ったら、それは取材を申し込み許可を取って載せるべきであって、「おめでたい話」だの「違法性はない」だのはどうでもいいことです。
そんなのは田舎のオヤジの論理であって現代に通用することじゃありません。
地元の有名人のおめでたい話を吹聴したことで、お相手の方の過去の交際歴だのなんだのまで晒されていたんですから、最初に記事を載せたところがやらかしたことは地元の宝を傷つけただけなのです。
今の時代はLGBTQの問題にも言えることですが、当人が公表していないことを「特ダネ!」なんて言って載せていい時代じゃありません。
そんな中、こちらの徳力基彦氏の記事は(殺害予告などのことは知らないのだとしても)中立で良記事だと思いました。
全てのメディアがこういった認識をもって活動をしてくれるのなら素晴らしいことですが、人のプライバシーを好奇の目で追いかける人間たちに、こういった考えが根付くのは難しいでしょう。
それでも、特に事情を知らない人でもこういった視点を持ってくれるなら、そこは感謝したいと思います。
何度も書きますが、週刊誌が許可なく結弦くんの親族などにまで取材をしていたのはソチの頃からです。
パレードのたびに襲撃予告もありました。
大会や五輪の時にまであったのはセキュリティをつけられたことで確かです。
イタズラなのか本気なのかはこの際関係ありません。
襲撃するぞと言われた側の精神的肉体的負担は一般人にはかり知ることはできません。
ネットに結弦くんに対する誹謗中傷を書くようにという信じられない募集もありました。
移動で新幹線を使う時、隠し撮りをしていたメディアもいました。
結弦くんの生活圏に引っ越しをしたりリンクに出入りしたりする異常なファンもいたようです。カナダでも日本でも、です。
アンチもいた、異常なファンもいた、そして事実ではないことを書き散らかし一般人に嘘を植え付けたメディアもいたんです。
それは事実です。
大谷くんはネガ記事を書かれないのに羽生だけ書かれるのは羽生に原因があるんだと書いていたコメントも見たことがありますが、大谷くんのマネジメント会社はCCAという世界最大手のスポーツマネジメント会社で、日本のマネジメント会社はホリプロです。
大金がかかっているのですからメディアに取材制限をかけていないわけがありません。
叩き記事を書こうものなら取材が出来なくなります。
野球選手は自らヤバいことをしでかさない限り、移動までカメラに追われることはないはずです。
そこを一緒に考えるのは馬鹿げています。
まあ、結弦くんの対応でまずかったことがあるとしたら、襲撃予告などがあった時点で犯人をきっちり潰しておかなかったことなのかもしれませんが、こういうことは潰せば潰すほど一部の人間の怒りを買い、エンドレスになる可能性もあるので難しいところです。
なんといってもそういった誹謗中傷をするのは常識が通用しないグレーの人が多いので、自分が間違っているということを理解させるのは大変難しいのです。
世の中には、正しい人間、美しい人間、成功した人間、頑張る人間が大嫌いな人間たちがいます。
それは、正しくない、美しくもない、成功もしていない、頑張るのも嫌いな人間です。
そういった2割の人間に関してはもはや会話は通用しないと考えていいと思います。
6割の人間は、状況によって正にも負にもなりますし、全員に好かれるというのは不可能なのだということは法則から導き出されています。
なので、そこは理解してもらえるよう地道に頑張る必要があると思います。
私達は、これからもただ、結弦くんが見せてくれる素晴らしい世界を楽しみ、応援していけばいいだけだと思います。
MIKIKO氏が言っていたように、結弦くんのショーを見ることは、今を頑張って生きる私たちへのご褒美です。
誹謗中傷してその世界を知るチャンスを失うなんてもったいないことです。
他人を傷つけることは自分自身の魂も傷つけることです。
6割の人々には、そこをしっかり理解したうえで言葉を選べる人間になって欲しいなと思います。
とにかく、ファンがエキセントリックな怒りをばらまくのは逆効果です。
間違っていることや誤解は粛々と指摘しますが、騒げば騒ぐほどアクセス数を稼ぎたい人たちの思うつぼなので、冷静に、しかし信念をもって、結弦くんの応援をしていきたいと思います。
以上