いやぁ、スイッチの2回目、面白かったですね!

 

この企画は光一くんからのオファーだったそうですが、結弦くんもまた長年にわたり舞台を続けている光一くんに聞きたいことがいっぱい!といった感じで、見ているこちらも感心することばかりでした。

 

 

光一くんの「エンドレスショック」の中の

「ひとつ苦しめばひとつ表現が見つかる。ひとつ傷付けばまたひとつ表現が創れる」

という言葉は、これは本当に胸に刺さります。

 

つまり、表現って自分の中に無いものは外に出せないんですよ。

だから、どんなに傷ついて辛い経験をしたとしても、その感情がまた自分の財産のひとつになるし、そういった感情を全て肥やしにして自分の引き出しにストックし続けていくのが表現者ってものなんですよね。

 

どんな体験も貪欲に自分の糧にするわけです。

 

 

身を削って何かを得、それを貪欲に吸収し自分のものにする。

ある意味で、表現者というのは恐ろしい生き物なんですよね。

 

 

 

結弦くんの、太陽である観客が放つ光で輝く自分は月である、という発言もしみじみしちゃいましたよね。

 

結弦くんは月という表現をしていましたが、鏡と考えてもいいですよね。

 

何か哀しいものを内に抱いている人は結弦くんの演技で涙し、毎日を充実して過ごしている人はその演技に興奮し、静かな心を持っている人は結弦くんの演技に何か神聖なものを見つけたりします。

自分自身の心の在り方が違えば結弦くんの演技から感じられるものも違うわけです。

 

でも、それが普通なんだと思うし、芸術ってそもそもそういうものなんだと思います。

 

ピカソの「ゲルニカ」を見て、辛い戦争を思って涙する人もいれば「変な絵」と言って通り過ぎる人もいる。

それでいいんです。

人間は、自分の心の中に無いものは受け入れられないんですから。

 

 

何といってもあの若さでそんな境地に辿り着いている結弦くんも凄いし、それに共感できる光一くんも凄いと私は思うわけです。

 

 

 

 

後半の結弦くんは何かイキイキしていましたよね?

たぶん、これからどんどん形態が変わるのであろうショーについて、自分はどうすればいいのかヒントが欲しかったのかもしれません。

 

結弦くんがワンマンでショーを開くのは、それが一番早くてシンプルに行動できるからでしょう。

 

自分1人で判断して行動するのが一番楽なのは誰が見てもそうだと思うんですよ。

演出も構成も自分でやるから、演者(自分)が何が出来て何が出来ないのかも知り尽くしています。

だから最小の時間で演目が決まり、チケットの販売期間から何から何まで大変短い時間で進んでいくわけです。

 

「GIFT」は場所が特殊だったこともあり、ドームの専属チームに色々お願いしていたようですが、結弦くんがやっていたらあんなに何度もチケットを販売することもなかったと思います。

だって、1回で埋まるなら何度も発売する意味はないんですから。

 

そういうことも長年にわたるドーム公演のしきたりみたいなものだったのかもなと推察するわけですが、結弦くんの性格的にはチャッチャとやりたいところなんだと思います。

 

ひとつの公演でも演じる人が増えれば増えるだけ、物事の決定には時間がかかります。

違う意見も増えてくるし、同じ時間で同じ仕事をこなせない人もいます。

 

そういったわずらわしさを最小限に抑えるには少ない人数で回すのが一番なんです。

 

光一くんも人に決断を委ねられるようになるにはしばらくかかったと思うけれど、それは仕方ないです。

 

何年も同じスタッフでやっていくうちに、阿吽の呼吸で任せられるスタッフが増えていくんだと思いますが、それには少し時間がかかるんじゃないでしょうか。

 

結弦くんもいずれは複数のスケーターを率いる時があるかもしれないですけど、そうなると自分のペースだけでは練習スケジュールを組めなくなるわけで、そういう時に光一くんはどうしてる?と聞いた答えが

「自分に鞭を打つ」

だったのが面白かったですよね。

 

どうしたって人数が増えたら効率は悪くなるし我慢する部分も増えるわけです。

その時に出来るのは「自分に鞭打って頑張る」しかないという、簡単だけど絶望的な解答で(笑)

 

まあ、そこにどう折り合いをつけていくか、あるいはずっと今のペースでやるか、そこは結弦くん次第ということですね。

 

 

 

今回は、光一くんの言葉に何度も感動させてもらいました。

特に

「幕が開く前、ずっと怖い。毎回怖い。でも、幕が開いたら絶対にできるという自信もどっかにある」

という言葉が好きでした。

 

この言葉には、エンターティナーとして大勢の観客の前に出る人間の全てが詰まっているように思います。

 

エンタメの世界は本当に奥が深いです。

舞台の上に立つ人は皆、肉体の限界に挑みながら自分自身を削って観客に命の一部を与えてくれているんだなと、そんな風にさえ思えるインタビューでした。

 

いやあ、3回目も楽しみ。

っつーか、凄い人はいっぱいいますよね。

 

まだまだいろんな話を聞いて欲しいですね。

 

 

 

以上