え~、まだまだ色々書きたいこともいっぱいあるので、ミラノワールドについてはざっと書いて終わりにしたいと思います。

とりあえず、この記事をもって、今日のコメントと昨日のコメントのお返事とさせてもらいます。
コメ返だけで時間が無くなってしまうものですから…。




今回のミラノワールドについては、結弦くんが参加していないこともあり、選手からもメディアからも、何となくモチベというか意識が上がっていない雰囲気が漂っていました(笑)

以前から言われていたことですが、結弦くんが参加する試合としない試合では大会の格が変わってしまうというのは明白なようです。

ショーマも今回の大会について、何となく普通のGP大会のようだと言っていたようですし、ネイサンも結弦やハビの姿がないと寂しい的なことも言っていました。

入るカメラの数も違うしメディアの数も観客の数も違いますから、やはり結弦くんがいる大会は、選手達にとっても「特別にワクワクする大会」になるんだと思います。

なので、他のカテゴリにはあまり影響しなかったのかもしれませんが、男子シングルには顕著に影響が出ていたように感じました。


「オリンピックの後に世界選手権があるのは選手にとって負担が大きいから、オリンピックのある年には世界選手権はなくてもいいのでは?」
という意見もあるようですが、私は、それは甘いように思います。

他の競技の選手たちは、日本に数日滞在してすぐ次の試合に向かっていきました。
オリンピックの疲れを残した選手もいますし、その後の試合で素晴らしい成績を残している選手もいます。

最初からオリンピックの後に世界選手権があるのが分かっているのなら、それを念頭に置いて調整をするのがアスリートなのだと思います。

オリンピックで出し尽くしてしまったとしても、次の試合を戦う戦略は持っているべきだと思うのです。

ただ、メダリストは国に帰ってからセレモニーやら何やらで練習時間を取られてしまうため、調子を崩すことが往々にしてあります。

オリンピックのメダリストが世界選手権に出ないことが多いのは、練習ができないからです。

そういう意味ではザギトワは大変だったでしょう。
ロシアは特に、メダリストに対しては大騒ぎをする国ですから。


オリンピックのメダリストが、平昌のメディアブースをハシゴしていたのを見て
「試合の後はゆっくりさせてあげて」
と私も思ったのですが、1日でまとめて終わらせられるなら、それほど酷い話でもないのかもしれません。

国に帰ってきてからテレビ局を回らされるより、狭い建物の中で回っていた方が短時間で済んでいたでしょうから(笑)



なんにしても、オリンピック組とそうでない選手とでは負担が違うというのは事実だったように思います。

女子では、メドベデワが欠場したことでザギトワの優勝は固いと誰もが思っていました。
それがまさかの5位。

ただ、オリンピックの時点で少しだけ予兆はありました。
機械のように正確だったザギトワの滑りが、オリンピックでちょっとだけ怪しいところがあったので、そろそろ成長期に入ってきていたのかな?という感じだったのです。

それで私も「あと2年後にはわからない」と書いていたのですが、もっと早くに成長期は来ていたようです。
オリンピックの後1ヶ月で3センチ身長が伸びたそうですから、これからしばらくは大変かもしれません。

とはいえ、ザギトワの圧倒的な技術は素晴らしいものがあります。

ジャンプばかりを詰め込む男子と違い、ザギトワの場合は全てがぎっしり詰め込まれていているのです。
後半にジャンプを詰め込むことについて色々言う人もいるようですが、その技術はやはり特筆に値すると私は思います。


しかし、そのザギトワが5位。
そして平昌で銅だったオズモンドが1位。

これはもう、ベテランのオズモンドの安定の勝利だったと思います。



そんな女子の戦いで、自分を出し切ったのは新葉ちゃんです。

怪我をして全日本で沈み、オリンピックの2枠に入れなかった時、せめて3枠あれば入れたのかもと私も残念に思っていたものでした。

でも、思えば去年の世界選手権でも、怪我で順位を下げてしまったのが新葉ちゃんでした。
そういう意味では、ここは去年の借りを返す場所だったように思うのです。

そこはスケ連の「枠を取り返してこい」というメッセージだったんじゃないでしょうか。
そしてそんな舞台で自己ベストを出せる新葉ちゃんは、まだまだ強くなれるように思います。

しかし、新葉ちゃん泣きすぎ!(笑)
それはノブの十八番だから!きゃはっ
ノブの泣き芸を奪わないであげてキャーあせ


で、転倒があって若干スコアが下がってしまったさっとんですが、怪我明けにもかかわらず全ての試合できっちりと日本のエースとしての底力を見せてくれました。

いやあ、バックステージでジャージを着て歩いているさっとんの姿は、どこからどう見ても立派なアスリートでした。
それなのに頭にお団子結っているのだから、そのギャップの可愛いこと(笑)

ただ、今シーズンはやっぱりプログラムがどちらも似過ぎていたように思うので、せめてショートを「ファイアーダンス」のような曲にして欲しかったですね。

演技後のインタでも、3年ほど前までは消え入るほどの小さな声で喋っていたのに、今じゃはきはきと大きな声で喋っていますよね?
いやあ、さっとんも大人になったなあと、しみじみしてしまいました。


とにかく、女子は3枠取り戻しました。
3枠を取ったのは、日本、カナダ、ロシアの3国だけですが、そのロシアもザギトワ5位-ソツコワ8位でギリギリ13P。
どんな王国も、絶対安全圏にいるということはないのだと痛感させられました。




で、男子。

私、毎回マヨロフを見るとちょっとニヤリとしちゃうんですよね。
なんつーか、お腹周りが太すぎて(笑)

あんなに胴体太いのに、なんかSPではデカの衣裳に似たスタイリッシュな黒の衣裳で出てきたじゃないですか(笑)
見た瞬間「やめとけっ!」って思っちゃいました苦笑

しかも、結弦リスペクトなのか、フリーではヘランジにハイドロまで入れちゃって号泣
もう「やめなさいっ!」って感じでした。

マヨロフは、決してスケーターとしては好きじゃないんですけど(あ、酷い)スウェーデンはメダル争いが出来そうにない選手はオリンピックに派遣しないということで、枠はあったのに平昌に派遣してもらえなかったんですよね。
お国事情はそれぞれですが、ちょっと可哀想でしたね。

でも、そのハイドロ、とっても形が変だからやめなさいね(笑)



友野くんの演技はもう
「カズキ!でかしたっ!」
という感じでしたね?

さすがに10位以内に入るのは苦しいだろうと思っていたのに、なんと5位に入りました万歳

この大舞台でフリーにひとつマイナスが付いただけで、ノーミス演技をそろえてくるあたりは立派です。
いやいや、女子に比べて男子は育っていないなんて言われていましたが、どうしてどうして、ほんのちょっとのきっかけで大きく化けるものなのかもしれませんね。

デカもうかうかしてられませんね。


で、ビチェンコ兄さんったら、危うくワールドで台乗りしちゃうところでしたよ!

若いもん!しっかりしろ!
兄さんは4Tしか持っていないしステップはしっちゃかめっちゃかだけど、意外と安定してるんだぞ!

自分がミスしたら、背後にニコニコビチェンコが迫っていると思えよ!んー

でも、兄さんのSP「ハヴァナギラ」は大好きです。
あれをカーニバルオンアイスで見て拍手喝采しちゃったくらい。

あれはビチェンコの名プログラムですね。



今回、第3Gくらいまでは、まあ疲れもあるしみんなピークではないけどそれなりにまとめてきているよなという感じだったんですが、荒れたのは最終グループです。

キーガンからSPのはつらつとした笑顔が消えたな~と思っていたら、その後の選手たちがまあ転ぶ転ぶ。

こうなってくると、4回転を入れずに美しいスケーティングを披露したラトデニ君のようなスケーターこそが
「これで4回転を跳べるようになったら無敵じゃね?」
と思えて来ちゃうわけです。

そのくらい、みんなダメダメでした。



なんというか、2シーズン前に4回転の転倒について減点が厳しくなったじゃないですか。

私は、あれはISUからの「4回転でコケるな」というメッセージだと思ったんですよ。
つまり、コケても回転が足りていれば基礎点が入るという風潮に対するISUの「NO」ですね。

それを敏感に感じ取って、クリケット組はコケないように舵を切ってきているように見えるんですが(でもそれでハビは銅になっちゃったわけですが)他の陣営は今でも「転倒上等!」でやってきているのが私には信じられないんですよ。

ジャッジは、4回転の本数の規制はしないけどそのかわり完成度を上げろと言っているんですよね?
私があのルール改正から読み取ったのはそういう感じなんですけど、問題は、ルールでそういった雰囲気を出しながらもジャッジは未成熟な4回転にガンガン+のGOEをつけちゃうってことなんですよ。

どんなに程度の低い4回転でも着氷すればいいの?
それとも、ジャンプだけではなく美しいスケートを目指した方がいいの?

そういった方向性が、ISUの中でも統一されていないように思います。


それにしても、なんでショーマは「注射打ちたくないと思っていたら痛みが消えた」程度の怪我を、あんなに大袈裟にメディアに公表したのかな?
普通、フィギュアはメンタルのスポーツだから、選手が怪我をしている情報は試合前には流さないものなんですよね。
怪我が分かったら、ライバルに精神的な余裕が生まれるためです。

だから結弦くんは13年の時の怪我はメディアに箝口令を敷いていたし、平昌ではメディアすらも分からないくらい徹底して怪我の情報を隠していました。

今回、デールマンもキスクラでシューズを脱いでいましたし、みんな演技後に「実は…」とやるものなんですよ。
そういう意味では、ショーマ陣営は無策すぎるんじゃないか?と思いました。

上位陣が自滅したからいいようなものの、こんなことをやっていてはこれから先が思いやられる感じですよ。

まあ、怪我慣れしていないから痛みに耐性がなかったんでしょうけど(笑)
ボストンの時のハビみたいなもんです。


で、その後のボーヤンとヴィンスはもうボロボロで。

そこまで調子が落ちているなら構成も落として転倒を防がなきゃダメだろうと思うのですが、遮二無二ジャンプに行って転倒してしまう。

そういうのを見たら、また芸術派のジャッジに「4回転を規制しろ」って言われてしまうんじゃないの?とちょっとガッカリしちゃいました。

ボーヤンは、やっぱりまだジャンプ前の助走が長いんですよね。
だから毎回、壁に激突しそうになるんじゃないでしょうか。

そこはもう少しスケーティングを磨いて、短い助走で跳べるようにならないといけないんじゃないのかな。



そして、最後にネイサンが締めてくれた感じでしたが、ネイサンも決して魂を揺さぶられる演技というわけではなく、とにかく「転ばずに跳んだ」というレベルだったように思います。

やはり、4分半の演技の中で6本はやりすぎです。
他の演技がほとんど何もない感じに見えちゃいました。


ショートが終わった時点では誰も想像していなかったかもしれませんが、アメリカ男子が3枠取れたのは、アーロンが11位に入っていたからなんですよ。
ヴィンスじゃないんですよ。

そしてロシアは、コリヤダ3位-アリエフ8位で、ついに念願の3枠です。

中国はボーヤンが19位に沈んだことで、来季は1枠になりました。
カナダはナムくんがフリーに進めず18P、ただキーガンが8位なので2枠となります。



今回、日本は友野くんが5位ということでなんとか3枠死守できましたが、こうやって見れば枠を減らすのなんか一瞬ですよ。
結果として、誰かが沈んだ時にでもバックアップできる選手がいるかどうかということなんだと思います。
あのロシアっ子達ですら危なかったことを考えれば、誰のせいで枠を失ったとかと言って選手を責めることが、いかに馬鹿らしいことかと理解できると思います。

枠を失うのも枠を増やすのも、選手の実力だけでは駄目だということです。
そこには運もきっとあります。


今まで結弦くんがいたら3枠確実だと思われていましたが、誰かが怪我をしたらあっという間に枠が減るということです。

枠取りについて「枠取りに貢献しなかったやつには枠を使わせるな」と言っている馬鹿みたいな人達もいるみたいですが、今までずっと、先輩がとってきた枠で後輩が出られているのですから、そんなことを言っている人達はフィギュアのことを全く理解していないで、感情だけでものを言っている人達です。
それこそ、そういうことを言っている人達の言葉に、耳を傾ける必要は全くないということです。



なんにしても、今回の大会は残念な大会でした。

さいたまワールドは是非、ヘルシンキワールドのような大会を望みます。



ところで、ヴィンスって誰かに似てるな~って思っていたんですけど

顔の長いえなりかずき?きらきら



以上