善光寺の宿坊を出る時、有能な執事・小林が、呆れたように言いました。


「ええっ?これから(この雨の中)戸隠神社に行くんですか?いや…それはちょっと…。行くなとは言いませんが…。からくり屋敷?まあ、あそこだけならいいか…」


はい。

執事がこんなに忠告してくれていたのに、私達、(というか主にO型が)戸隠神社と台風をナメていたんですよ苦笑


何だかクネクネした変な道を通り、とりあえず戸隠蕎麦を食べようと行ってみると、ドシャ降りの雨だというのに有名なお蕎麦屋さんの前に列が出来ています。


善光寺を散策して服が濡れてる上、車の中が曇るので暖房も入れられず、私達は完全に冷えきっていました。


あそこに並んだら、この寒い雨の中、30分は並ぶな…。



そんなのヤダ~いぶ~ぶ~


ってなワケで、私達は駐車場のある、向かいのお店に入りました。


Do not pay attention to me  


寒かったので、暖かい天ぷら蕎麦です。
お客さんは並んでいませんでしたが、天ぷらはカリカリアツアツ、エビはプリプリで、ちゃんと美味しかったですよ。

お蕎麦屋さんのすぐ横に、戸隠神社の中社があります。
風がないのが幸いですが、雨はかなり強くなっています。
水たまりだらけで大変でしたが、何とか参拝です。


Do not pay attention to me  



あとは、友人がクリアできず、戸を外して出てきたという(笑)忍者村のからくり屋敷に行ってオシマイです。

だがしか~し!
からくり屋敷の向かいにある、奥社に向かう入口を見るなり友人が言いました・


「まだ時間はあるし、奥社にも行こうよおぉ!


ええ~?
あーた、執事の言葉を聞いていなかったの?もぉだめ・・・


台風が来てるんだよ!
帰りの高速だって速度規制がかかるかもしれないんだし、とっとと帰った方がいいって!


「せっかくこんなとこまで来たんだしキャー


こんなとこまで来たのは、からくり屋敷を一人で脱出できなかった人がいるからです!泣

戸隠神社は今回の旅の予定には入っていません!


「片道30分くらいだからさ~」


絶対ウソだよそれ~!
つか片道30分は往復1時間じゃないか~!


周り見てよ!

みんな雨合羽着てるよ!
こんな台風ナメた格好してるのは私達くらいだよ!(そりゃそうだ。最初から山に登る気で来る人と、突然思いたった人間では気合いが違います)


しかし、冒険モードに入ったO型は止まりません。


戸隠神社の奥社は、静謐な山の奥にあります。
ぶっちゃけ、軽い登山です。


山道はぬかるんでいるので、いくら足元を選んでもスニーカーはすぐにグチョグチョになりました。


Do not pay attention to me  

(見知らぬ方が思いっきり写っておりますが、どいてくれるのを待つ、精神的&肉体的余裕がありませんでした。すいません苦笑


真ん中辺りに門があるのですが、足元を選びながら歩いていたので、すでに30分近くかかっています。


ガイドブックに載っていた所要時間30分っていうのはさ、健脚な人が晴れた日に出す時間だよ!
私のような体力無しが台風の時に出せる時間じゃないんだよ号泣


中門をすぎてしばらく行くと、なんと!


目の前に長大な階段が現れました!


階段があるなんて聞いてな~い!おののく汗


左右の視力が違うため、遠近感がうまく計れない私にとって、最も苦手なものが、高さがまちまちな階段なのですが、そんな、いつ転げ落ちてもおかしくない、いびつな階段が続いています。



私はまたO型に騙されたのか…ガクリ


「隣の駅まで歩いていけるよ。う~ん、10分くらい」


と言って30分歩かされたり


「だいたい道わかるから大丈夫だよ」


と言って道に迷ったり


「え~?そっち行きたくない!」


と言ってナビに逆らい、夜の高速道路で現在地を見失ったり…。



思えば彼女の大丈夫が大丈夫だったためしはないのです!ふん手


もし、一緒にいる時に巨大地震がやってきたら、絶対私の判断で行動しよう!
O型の判断に従っちゃいけねえ!



そんなことをぶつぶつと考えながら、何とか階段を登り切ると、戸隠神社と九頭竜神社の小さな奥社が現れました。


え?こんなに苦労して来たのに、これだけ?
ジンジャーランドがあるんじゃないの?きゃはっあせ


Do not pay attention to me



よく、戸隠神社はパワースポットだと言われておりますが、私思うに、パワーがあるのは多分この森なんじゃないでしょうか。


時々足を止めてあたりを見ると、心が洗われるような自然で感動するんですよ。
しかし、その時の私は、心ではなく全身ずぶ濡れになっていたので、そんな感動に浸っている余裕がなかったんですが…(笑)


(写真が少ないのは、雨でカメラを出す気になれなかったからです)



とりあえず御朱印をもらい、登りよりはるかにヒザに堪える不規則な階段を下りると、とっととからくり屋敷に向かいます。




からくり屋敷は、戸隠忍者資料館などに併設された、いわゆる忍者屋敷です。


戸隠は、伊賀、甲賀、雑賀、風魔などと同じ、忍者の里です。
なので、資料館などがあるのですが、私達の目的は(つか、友人の目的は)からくり屋敷の攻略のみです!


と思いながら屋敷に行くと、受付に座っていたおじさんが言いました。
「みんな2番の部屋で出られなくなるんだよね」


マジすか!驚き顔
友人のような人が他にもいるんですか!


するとおじさん
「観音様の手がヒントだよ」
と教えてくれました。


そっか~。

友人の話を聞いて笑っていたけど、結構難しいのかもしれないな…。


そう思いながら階段を上がるとすぐ友人が
「あ、私が出られなかったのはこの部屋!」


え~っ?マジ?

こんな入ってすぐのところで出られなくなったの?


「こっちに出口あるけど」

「そっちは行っても出られないの」

「へえええ~」


なんてやってると、その出られない出口が開いて、子供が飛び込んできました。

その男の子は、私たちの姿を見るなり、すがりついてきそうな勢いで


「出~ら~れ~ない~の~~!泣


すでに半泣きです(笑)

その後ろから、困った顔をしたお母さんもついてきました。


「そっか~出られないのか~(笑)そりゃ大変だ~!ニヒヒ


出られないのは分かっていても、そっちにも不思議な部屋があるってことなので、一応行ってみると、部屋が斜めになった、大変気持ちの悪くなる部屋でした。


その部屋を出ると、元の部屋に戻ります。


さて、真面目に出口を探すか。

「観音様の手って言ってたよね?」

「こっちの壁が開くとか?」

「いや、押してもダメ」

「でしょ~?分からないのよ」



「あ!あいた!」



……


さすがに、三人寄れば文殊の知恵です(笑)

タヌちゃんがあっさり開けてしまいましたきゃはっ


それからはサクサク進みます。

なんてったって5人いるわけですから、誰かが出口を見つけます。


ってゆーか、私、気づいてしまいました。

開くところは、みんなが手をかけるから、そこだけ色が擦り切れているということに!


ふふふ、ボク。

みんなこうして汚い大人になって行くんだよふっニヤリ



ってなわけで、10分程度で脱出完了です。

いや~おじさんありがとう!

いいヒントをもらいました!


「ってゆーかさ、あのおじさん、屋敷の中をモニターで見てなかった?」

「え?ってことは、数年前に戸をはずして脱出したところも見られていたんじゃないの?」

「絶対見られてたね」

「もしかしたら、数年前に戸を外した奴だ!って気がついて、だからヒントをくれたんじゃない?笑顔


まあ、出られない人を助けに行かなきゃいけないからモニタを見てるのでしょうが、見られていたのだとしたら結構恥ずかしいですよね?苦笑


とりあえず、数年来の友人の心残りだったからくり屋敷をクリアした私たち。

意気揚々と帰途に…と言いたいところですが、それから高速で事故渋滞に巻き込まれてエライ目にあいました(笑)



でも、からくり屋敷は、造りがショボイ割に面白かったです。


次にどこかでからくり屋敷に遭遇したら、また入っちゃうかもしれません。


お近くに行かれた方はぜひ!

ここを読んだ方なら絶対クリア出来るはずです。



Do not pay attention to me

以上