長野旅行のつづきです。

KAOさんの個展の後は、そのままその日の宿である宿坊に向かいました。


実を言うと、今回の旅で1番未知だったのが宿坊です。


「善光寺に行くなら是非!宿坊へ!」
とあちこちに書いてありますが、宿坊がどんな宿なのかもわかりません。


精進料理が出るのは知ってるけど、他は普通の旅館と何が違うんだろ…不満


善光寺の宿坊リストを見ても、全部で39ある宿坊のうち、HPを持っている宿坊は5軒もありません。
それどころか、電話番号だけでFAXすらないところもあります。


変な宿坊選んじゃったらどうしよう…泣


ネットで色々探してみても、宿坊のレポなんてありませんよ。何を基準に選べばいいのかわかりません。
うう~ん、困った。


こうなると自分の勘だけが頼りです。


HPを持っている大きな宿坊にはあまり惹かれません。
なので唯一、「てらしっく」というサイトで紹介されていた「徳行坊」さんを選んでみました。
(最近では、トラベルサイトで予約が出来るところもあるんですよ)



情報がほとんどないので、宿坊には駐車場があるのかどうかもわかりません。
行きがてら電話をかけてみると、善光寺の駐車場に止めて良いとのこと。


とりあえず、善光寺裏の駐車場に車を置いて歩いて行きますが、今度は自分達の泊まる宿坊が何処にあるのかわかりません!

(だっていっぱいあるんだもん苦笑行けばすぐわかると思ったら分かんなかったんだもん苦笑


仕方ないので近所のお店のお姉ちゃんに聞いてみると


「宿坊にはがあって…」


はあ?がーん
余計わからなくなりました(笑)


後でわかったのですが、宿坊には〇〇坊とつくところと〇〇院とつくところの2種類あって、天台宗の25院、浄土宗の14坊と、それぞれ宗派が違うのです。


いや~知らなかった~。


私達の泊まる徳行坊はココ。とても小さなお宿です。


Do not pay attention to me

台風接近により、雨がどしゃぶっています(笑)



私たちが行ったのは、御開帳の時でもGWでもない時だったので、お客は2組だけです。

なんと、2階は私達の貸し切りです!きゃはっキラキラヤホ~イキラキラ



部屋に入ってまったりしていると

「執事の小林です」
と言って、宿のご主人が、宿坊と善光寺の行事について説明に来てくださいました。


宿坊に執事ってどうなのよ(笑)


いやいや、宿坊というのは、小さいながらもそれぞれがお寺なので、住職さんがいるのです。

住職ではないということで、今流行りの「執事」を名乗っているわけですね(笑)


しかし!

この執事の小林(執事なので呼び捨て苦笑)が、大変、説明上手で有能なのです!



まず、善光寺というお寺は、基本的に無宗派なのだそうです。


大陸から仏教が伝来したばかりの時、異教扱いをされて仏像が捨てられたのだそうですが、その仏像が、捨てられた池から

「善光(よしみつ)や善光や」

と、通りかかった役人の本田善光を呼び、自分を持ち帰らせて出来たのが善光寺なのだそうです。


つまり、仏教の「宗派」というやつは、すべて善光寺より後に出来たものなので、善光寺に宗派はないのです。


現在は、一応浄土宗と天台宗が善光寺を管理していますが、誰が参拝しても良いのが善光寺なのです。
「死ぬ前に1度は善光寺に詣でるべき」と言われるのはこういった理由です。


まあ、一番驚いたのは
「善光寺って、人の名前かよ!」
でしたけどね(笑)


善光寺は、男性の菅主さまと、女性のお上人さまのツートップ体制で、お上人さまは代々高貴な血筋のお家から輩出されているのだそうです。

今でこそ、社会を知った上で修業を積んでお上人様になるのですが、昔は5歳でなる人もいたのだそうです。


ムッチャ歴史を感じました。





善光寺に来たからには、是非参加したいのが「お朝事(あさじ)」と呼ばれる朝のお勤めですが、それの説明と歴史のお話。

さらに、そこでしてもらいたいお祈りのお取り次ぎ。

それらのことを1時間以上じっくりとレクチャーしてくれるのです。


途中、執事・小林が

「皆さん、手を合わせる時、まず最初に何と言ってお祈りしますか?」

と聞いてきました。

なんか、決して「宝くじを当ててください」ではない雰囲気です。


正解は、まず、神様に今ある無事を「有難うございます」と感謝してから、お願い事をするのです。


すると友人

「私知ってたよ!ってゆーか、教えてくれたのshinさんじゃない!私、それからちゃんと、まず有難うを言ってからお祈りしてたよ!」


ええ~~?驚き顔

私そんな有難いことを教えてたんですか~?

つか、言った本人、すっかり忘れていましたぜ~~!


私という人間は、日々テキトーにホラを吹いて生きておりますので、自分が何を言ったのか覚えていなかったのでありました号泣



で、バチ当たりな私たちは「おさい銭の正しい金額は?」な~んて、執事もビックリな質問をしてしまいましたよ。

だって、おさい銭の正しい金額は、私たちにとっての永遠の謎なんですもん。

(その時のバカ話はこちら から)


その時の執事の話を要訳すると、人間は何かを求める時、まず自分の持っているものを捨てなければいけない。まず捨てて、そして与えてもらう。

その行為がおさい銭という行為になったのだという感じでしょうか。


そっか~。

15円でも415円でも間違ってはいないわけか~苦笑


一番良いのは、お財布の中でアレコレ小銭を選んだりせず、一番最初に掴んだお金を使うのが良いのではないかということでした。


いや~、執事の言葉はためになるわ~キラキラ






ラッキーなことに、もう一組の方々は私達よりずっと早くに来られていたので、執事のレクチャーもじっくり聞けました。
きっと、泊まり客の多い時はそんなわけにもいかないでしょうから、空いている時に来て本当に良かったです。


そして、その後私達は、宿坊探検です。
何てったって、2階は私達だけしかいないのです。


「そっちは何があるの?」

「こっちにも階段がある!」
ってな感じで、3人であらゆる部屋を開けて写真撮りまくりです。


Do not pay attention to me


もう、寛いじゃうのなんのって(笑)

Do not pay attention to me



Do not pay attention to me


あ~楽しいはーと


宿坊は古い造りになっていますので、階段も急ですし部屋に鍵もかかりません。


今回は私達だけしかいないので2間を使わせてもらいましたが、混んでいる時などは当然一組一間です。

しかも、襖で仕切られているだけなので、きっと話し声も筒抜けだと思います。


トイレ、洗面、お風呂は共同。とても綺麗にされています。

Do not pay attention to me


タオルや歯ブラシはちゃんとありますし、ドライヤーもありました。
各部屋エアコンもテレビも完備です。


古い建物ですが、掃除は行き届いていましたし、トイレなどは新しくなっていました。


そして、食事。
いわゆる精進料理です。


Do not pay attention to me



豪華な食材は何も使っておりませんが、野菜嫌いな私でも、おかわりしちゃいましたよ。


笑っちゃうことに、般若湯とか言って、お酒がついてきます。
希望すれば「泡般若湯(ビール)」にすることも可能だそうです。善光寺ってどんだけユルイんでしょうね(笑)
ただし、ジュースはありません。なので、私達は甘い梅酒を頂きました。


そして、お風呂に入ったらあとは寝るだけです。
次の朝は、善光寺に来たらぜひ参加すべし!の「お朝事(あさじ)」です。


朝は4:45起きという早さなのですが、この「お朝事」がまた良かったのです。


つづく