私は馬が好きです。
(馬に限らず動物は何でも好きですが)
その為、お金を賭けた事も競馬場に行った事もありませんが、競馬中継は良く見ます。
パドックで歩いている姿を見ると、馬には本当、一頭一頭個性があって「俺はやるぜ俺はやるぜ!」と気合いが入り過ぎて廐務員を振り回している奴から「ボクねぇ、これから走るんだけどねぇ」とでも言っているかのように、厩務員さんの顔を覗き込んで歩いている奴まで、本当に様々です。
で、毎週のように競馬中継を見ていれば、当然競馬にも詳しくなるわけですが、世の中には逆に、競馬には詳しくないけど賭けるのが好きという人もいます。
以前会社にいたパートさんは、G賞は大体全て買っているというのですが、競馬の事は何も知りませんでした。
競走馬の名前が9文字まで(外国産馬は例外あり)なのも知らなければ、サンデーサイレンスという名前も知りません。
「じゃあ、マスクを被ってる馬と被ってない馬がいるのは何故なのかも知らないの?」
「え?あれはファッションじゃないの?」
「ちゃうちゃう!馬はみんな神経質で敏感なんだ。特に音に敏感な奴は耳まであるマスクで耳を塞ぐの。隣の馬を気にする奴は目の横にブリンカーがついてる。足元を気にする奴は、足元が見えなくなるように鼻の上にシャドーロールが付いてんのよ。じゃあ、尻尾やタテガミにリボンやボンボンが付いてるのは?」
「ええ~?オシャレじゃないの~?」
「あれはね、尻尾に付いている馬には蹴り癖がある。タテガミに付いている馬には噛み癖がある、という意味よ。作業員に注意を促してるわけだ」
「知らなかった~!じゃあ、S田さんは今週のG1、何が来ると思う?」
「心情的には北海道の星コスモバルクだけど、まあキングカメハメハだね。(当時)あの馬は他の馬と格が違うよ」
「カメハメハ!変な名前~!」
「馬にはもっと変な名前があるよ。イヤダイヤダとかシゲルガンバレとか」
「いや~ん!お馬ちゃん可哀相~!」
というわけで、変な名前の馬の話です。
(えっ?ここまで前置き?長っ!)
競走馬には「冠名」といって、それがついていると誰が馬主かわかる名前というものがあります。
「キタサン」=北島三郎
「コパノ」=ドクターコパ
「フサイチ」=関口房朗
「トウカイ」=内村正則
「アドマイヤ」=近藤利一
etc、etc
そんな中、変わった名前で固定ファンを得ている有名な馬主さんがいます。
それが小田切有一さんという馬主さんなのですが、この方の場合、そのユニークな名前で「オダギラー」と呼ばれる熱心なファンもついています。
もしちょっと落ち込んでいるような時は、ネットで検索して、この方の所有馬名を見てやってください。笑えること請け合いです。
そしてまたこの馬達が、重賞には縁のないような駄馬ばっかりで(笑)そこがまた愛おしいんですね。
競馬というのは「カスケード」だけじゃドラマは生まれないんですよ。その中に「マキバオー」や「ベアナックル」がいて、初めて笑いが、もとい、ドラマが生まれるわけなんです。(by「ミドリノマキバオー」より。笑)
ちなみに、いくつかの名前をピックアップすると…(全部、本当に存在した競走馬です)
「オレハマッテルゼ」
私も待ってるぜ!
「エガオヲミセテ」
こんな笑顔でよければ…
「イトマンノリョウシ」
…えーと、馬だよね?
「ロバノパンヤ」
だから馬だよね?サラブレッドにロバとは…哀れな
「アッパレアッパレ」
苦しゅうない。ちこうよれ!
「コワイコワイ」
何が怖いの?
「カミサンコワイ」
カミサンか…こんな名前つけたのがばれたら…
「オジャマシマス」
いえいえお気になさらずに
「オソレイリマス」
いえいえお気になさらずに
「オジサンオジサン」
なんだい?オバサン
「サヨウナラ」
いえいえ、お構いもせずに
etc、etc…
そして、先日、久しぶりに見た「所有馬一覧」で、私は究極の名前を発見してしまいました!
その馬の名前は…
「モチ」
すでに生き物ですらないのかよ
「ふふ…俺が乗ってんの…餅なんだよね…」
という騎手の、心の嘆きが聞こえてくるようです
合掌!