MMT(現代貨幣論)と機能的財政論の共通点 と守備範囲【ヤンの字雷】 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

本日は、ヤン様の寄稿コラムです!

 

機能的財政論とMMTのことを、こうもわかりやすく説明できるのは、日本でも片手の人数いるのかどうか。。。

 

ヤン様、天才!!

 

真の頭の良さに学歴なんぞ関係なし、を体現されるヤン様に続いて、私達も切磋琢磨して勉強していかないといけませんね。

 

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MMT(現代貨幣論)と機能的財政論の共通点 と守備範囲【ヤンの字雷】

 タイトルは難しそうですが、今日はMMT(現代貨幣論)と機能的財政論の共通点を、ざっと解説したいと思います。

 

 機能的財政論とは、ケインズ学派のアバ・ラーナーという経済学者が唱えた説で、積極財政派に広く受け入れられている理論です。
 そして巷を騒がせているMMT(現代貨幣論)。この2つは驚くほど共通点が多いので、「えっ? 言ってること、一緒なんじゃ?」と思われるかもしれません。
 しかし、守備範囲が異なる点もあります。本日はそれを簡単に解説していこうと思います。

 また、最後には「なぜMMTerは機能的財政論を好むのか」についても触れます。

機能的財政論とはなにか?

 機能的財政論の概要は至ってシンプルです。

  1. 自国通貨建ての内債で、財政破綻することはありえない
  2. 国債発行は、右ポケットから左ポケットにお金を移すだけのもの
  3. したがって、不景気には国債を財源として財政出動したらいい
  4. 国債発行が制限されるのは、過度のインフレだけ

 上記が、概要のほとんどだと思ってもらって結構です。

MMT(現代貨幣論)とはなにか?

 ここでは純粋なMMT(特異なマクロ経済学「現代貨幣理論(MMT)」は他の経済学と何が違うのか? | sorata31さん)を前提とします。イデオロギーレスなMMT理論です。

  1. 貨幣=負債(誰かの負債=誰かの資産)
  2. 通貨を駆動するのは徴税権(税率の軽重は関係ない)
  3. spending first(最初の支出)は政府支出であり、預金じゃない(政府支出で預金・民間資産が創出される)
  4. 統合政府では、自国通貨建て国債で破綻することはない。そもそも通貨も国債も、発行主体にとっては負債
  5. インフレで政府支出は制約される

 どうでしょう? 驚くほどに似てませんか? しかし異なる部分というか、論じている守備範囲は少し異なります。

機能的財政論とMMT(現代貨幣論)の守備範囲

 機能的財政論は、国家のバランスシートについて論じますが、貨幣そのものについては論じていません。
 インフレ、デフレや景気に主眼をおいており、自国通貨建て国債では破綻しないと述べるにとどめています。

 

 逆にMMT(現代貨幣論)では、貨幣そのものから論じ、金融構造全体の”現実”を明らかにしようとします。
 帰納法的か、演繹的かの違いも見られるように思えます。
 機能的財政論だけに、帰納法だって……(笑)

 

 ……閑話休題。
 純粋でイデオロギーレスなMMTは、基本的に政策提案をしません。ただただ「現実はこうである」という分析と提示をするだけです。
 ですので、基本的には何らかの理論と接合が不可欠になります。

 

 逆に機能的財政論は――おそらくクナップなどの貨幣国定説をベースにしている――、機能的財政論単体で、自国通貨とはなにか? の説明はありません。
 つまりMMT(現代貨幣論)との接合で、より強力な説得力を持ちえるというわけです。
※機能的財政論と、他の貨幣論(主流派経済学的な)の接合はおそらく無理です。

現代貨幣論と機能的財政論を接合すると、どうなるの?

 すごく簡単にいいますと、通貨から経済政策までを一貫した理論で主張できます。

 

 消費税議論で考えてみます。
A.「デフレだから、緊縮財政はダメだ。消費税は廃止でもOK」
Q.「財政赤字はどうするんだ!」
A.「自国通貨建て国債は破綻しない。ゆえに制約はインフレのみ」
Q.「なぜ自国通貨だと破綻しないんだ!」
A.「政府が統合政府(政府+日銀)で、通貨発行権があるからだ」

 

 ここまでは機能的財政論でOKです。
 以下からMMT(現代貨幣論)の守備範囲。

 

Q.「インフレにならなかったら、無税国家も可能なのか?」
A.「税が通貨を駆動するので、無税だと通貨が通貨として成り立たない」
Q.「国債は預貯金を借りているから、預貯金以上に発行できない!」
A.「spending first(最初の支出)は政府支出(負債)であり、政府が支出するから預貯金(民間資産)が創出される」

 

 全部を説明したわけではありませんが、おおよそ、このような感じで理論に一貫性が出ます。
 MMTer(MMT論者)のほぼ全てが、機能的財政論を採用しているのも、このように違和感なく接合できるからです。

現代貨幣論(MMT)的貨幣論は、昔からあった

 G・F・クナップの貨幣国定説にケインズが賛同していたのは事実ですし、ジェームス・トービンの万年筆マネーは、ケインズ理論をトービンが支持しつつ発表した理論です。

 

 やや難しい話ですが、貨幣論には2つの潮流しかありません。貨幣をクーポン(発行主体にとっての負債)とみなすか、金属(それ自体に価値がある)とみなすか、です。
 この議論は200年前に、地金論争で議論されたことです。
 もちろん、MMTは貨幣をクーポン(発行主体にとっての負債)とみなし、主流派経済学はいまだに金属とみなしています。

 

 この議論をすると、必ずある反論がこうです。
「新古典派経済学だって、今は不換紙幣を肯定して表券主義だ」

 

 本当でしょうか? MMT批判 経済評論家の藤巻健史参院議員はお金を知らないでも書いたので引用します。

 新古典派経済学による貨幣へのアプローチによればこうです。
 一般均衡論の確立に最も頁献した新古典派経済学者の一人であるF.ハーンは、新古典派経済学が一般均衡モデルにおいて貨幣をまともに扱えていないことを次のように告白している。

 主流派経済学にとって最も根本的な、一般均衡理論には「貨幣が入る余地がない」のです。これは単純に「物々交換経済学」といわれてもしょうがありません。
※実際に経済学者のダドリー・ディラードは「物々交換幻想」とこき下ろしていたりします。

 

 主流派経済学の理論に、貨幣が入れないのは実は当然です。主流派経済学の理論は「金属貨幣→商品→金属貨幣→商品」であり、金属も採掘などで生産される、”商品の一種”と捉えているのですから。
※一般均衡モデルが、皮肉にも物々交換的貨幣観を肯定しているのです。

 

 余談が過ぎましたが、今日のテーマに戻ります。
 機能的財政論では、貨幣を詳しくは論じません。純粋なMMTは政策提案には踏み込みまず、金融構造の現実分析のみします。

 

 このMMTと機能的財政論が接合されると、大変強力な理論体系になると、ご理解いただけましたでしょうか。
 中野剛志さんも、この事に早くも気がついたからこそ、富国と強兵で「国定信用貨幣論」として現代貨幣論(MMT)を扱ったのでしょう。

 

 中野剛志さん、三足貴明さん、藤井聡さん等々の積極財政派がMMTを支持するのも、薔薇マークキャンペーンがMMTに興味を示すのも、強力な理論体系であるという直感があるからではないか? と思います。

 

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(了)


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