“世間に背を向け、我が子にも心を開かなかった母親の突然の他界。
残された二通の手紙と遺言に導かれ、双子の姉弟は、母の数奇な人生と家族の宿命を探り当ててゆく…。
あまりにも恐ろしく、そして残酷な真実。想像を絶する母親の魂の軌跡をたどる、心震わす至高のヒューマン・ミステリー。”
(アマゾンの本作解説より抜粋・転載)
アマゾンプライムビデオで観ました
(実はアマゾンで配信される何年も前から、今まで5回くらいは観てます)
(プライム会員なら絶賛無料視聴可は、7日以内に終了)
(以下、ネタバレあり)
ジディ・ムアワッドの戯曲『焼け焦げるたましい』の映画化。
先ず本作は、レバノンに住む各民族の文化的背景を知らないと理解は難しい
(管理人も本作を観てから調べ、再度視聴。)
脚本 兼 監督は、
いまじゃみんな知ってるドゥニ・ヴィルヌーヴ
(AirSoftの名を冠する当ブログを訪れられる方は、
戦争映画やドンパチ映画を
好んで観る人も多いと思われるので、
「ボーダーライン」を撮った人だと言えば)
本作の主演はあの、
低予算作品にもかかわらず、
各方面から絶賛された「パラダイス・ナウ」で
殉教者の父を持つヒロイン役を演じたルブナ・アザバル。
「パラダイス~」に負けず劣らずかそれ以上に、
管理人は心に残る一本になりました
(「パラダイス~」の8年後に撮られた
やはり同じくパレスチナ自治区が舞台となる
「オマールの壁」も
時節柄いちどは観ておくべき一本)
本作と同じく民族・宗教問題が背景の、
「パラダイス・ナウ」「オマールの壁」ですが、
この「灼熱の魂」は「分断」ではなく「受容🤝」。
ベタな言い方をすれば愛が重要なテーマとなっています。
物語中盤、イスラム国のような黒頭巾で顔を隠し、
聖母マリアの絵が貼られたカラニシコフAK-47で、
女子供含む非武装のイスラム教徒🕌を虐殺🩸するマロン派キリスト教徒たち。
(劇中では描かれていませんが、マロン派キリスト教徒を裏で操って(煽って)いるのはイスラエル)
『父よ。彼らをお赦しください。
彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。』
(出典:ルカの福音書 23章34節)
彼らと同じバス🚌に乗り合わせていたものの、
キリスト教徒であることを示して虐殺🩸を逃れる、
ルブナ・アザバル演じる本作の主人公ナワル。
(🚌に乗れたのはイスラム教徒🕌のふりをしたからという皮肉)
“難民を脅かす社会民族党に 私たち学生は反対します
彼らはキリスト教徒を支持 難民を弾圧しています
そのため難民も武装 国内のムスリムは彼らを支持しています”
“でも あなた(ナワル)たちはキリスト教徒でしょ?”
“宗教とは関係なく 平和を求めます”
言論🎤に拠る平和的解決を掲げていたナワルは、
このキリスト教過激派グループの蛮行🩸をきっかけに、
自らも血🩸で血🩸を洗う世界に呑まれ棄教
イスラム教🕌過激派グループの刺客となることを選び、
マロン派キリスト教徒指導者の殺害に成功。
(怒りと絶望に囚われたその代償は、
死よりも辛い15年の投獄と晩年)
このあとはいちど観てからでないと
ワケワカメ(死語)になるので、
観てから戻ってきてください
貴っ様ぁぁぁ観てこんかったやろー!!!
ハアハア、、まあいい。
仏のごとき慈愛のモチヌシである管理人は赦す(何様
愛から生まれたナワル(キリスト教徒)とワハブ(イスラム教徒🕌)の子供○○は、
カビの生えた因習に縛られている者が言うところの「忌み子」なんかじゃない。
(信仰や人種や民族の違い 一族の恥
実 に く だ ら な い 。
惹かれ合う“引力”に、他人がどの口を挟めるのか。)
ゆえに、皮肉すぎる運命の下に生まれたナワルの子ジャンヌ・シモン姉弟も、
(先の○○とはまた別人物)
「呪われた子」なんかじゃないと、物語は結ばれます。
過激派の手段をもちろん首肯はできませんが、
誰も好き好んでそんなことを始めたわけじゃなかろう。
序盤でジャンヌが受けている純粋数学講義の教授の台詞は、
“ここから先は大きく変わる
答えのない問題へと続く――
解決不能な問題に直面するようになる
努力してもムダだという人もいるだろう
想像を絶するほど複雑で難解な問題を前に――
自分を守る術はなくなる”
ヴィルヌーヴ監督が埋め込んだメタファーだと、管理人は受け取りました。
(「ここから先」=「本作を観た後」
「自分を守る」=「世界のあちこちで今日も起きている争いに見て見ぬふりを決め込む」)
(忘れてない)
「人は変われない(争いを止められない)」と決めつけ
を決め込み沈黙🔇してしまったら、
未来が変わる可能性も詰んでしまう
(こんな脱はいかがですか)
(宣伝🔈)
ナワル最後の手紙✉より、
“あなたたちの物語は 約束から始まった
怒りの連鎖を断つために”
再び、ジャンヌと会話する純粋数学教授の字幕台詞より、
“避けられぬものに
抵抗してはいけない
事実を知るべきだ
でないと
心に平和は訪れない
(中略)
踏み出さなくては”
アマゾンでも整合性だの何だのと、
二次的な点で評価を下げている方も居ますが、
この作品で肝心なの、そこ
本作はフィクション・寓話ではありますが、
「(やるせなくて)二度と観たくなくなるものこそ、至高の戦争映画」
(「5回観てんじゃねーか」というツッコミは無しで)
枝葉末節をあげつらい斬って捨てる🗑️のは、あまりに勿体ない。
管理人は文句なく星5つを贈ります。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品にハズレ無し
百年先とは言わないまでも、いつか人の幼い意識がもっと進化し、、
戦争という悪臭、、もとい悪習を卒業する
(:戦争以上に合理的で実効的な非暴力🛑手段を創造する)
日が来ることへの管理人なりの祈りとして、
ここに小さな種(レビュー)をひとつぶ蒔いておきます。
(種が芽吹き🌱生い茂る🌳栄誉を、あなたのに。)
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