☆☆☆+(3.5)
2022年6月20日初版第1刷発行 祥伝社 338ページ 月刊NON 2021年11月号~2022年3月号 加筆訂正
○桂望実「残された人が編む物語」読みましたか
この本は、失踪とか行方不明になった人を、その家族や友人が、行方不明者捜索協会の人の協力を得て捜したり、また思い出したりする連作短編です。
お葬式とか、残された人が気持ちの整理をするために行うものだなと感じます。もしも、家族が行方不明になってしまえば、いつまでも、心に気がかりとして残るでしょう、たとえ死んで見つかったりしてもその心の整理は大変だと思います。
行方不明捜索協会が実在するか知りませんが、こんな協会に協力してもらえば、心の傷も早く癒える気がします。以下、覚え書きです。121722
第一話 弟と詩集
上田亜矢子は、あることがきっかけで片耳が聞こえません。母親が死んだことで、十数年音信不通の弟と連絡をとりましたが、居場所がわかりません。行方不明者捜索協会に頼んで一緒に探すのですが、その間に亜矢子は子どもの頃のことを思い出すのでした。。。
第二話 ヘビメタバンド
樋口は32歳の公務員です。大学の時にヘビメタバンドを組んで音楽活動をしていましたが芽が出ず、卒業を機に音楽活動はやめました。そんなとき、ネット販売している会社から音源をネットで売らないかと話がありました。そのためには大学のメンバー全員に連絡を取らなければいけなかったのですが、一人だけ連絡が取れない仲間がいました。樋口は彼に告白された思い出がありました。。。
第三話 最高のデート
関根由佳は中学生の子供と両親で暮らしていました。夫は10年以上前に行方不明になりましたが浮気をしていたかもしれない、疑惑がありました。由佳は全国の警察のホームページの行方不明の情報のページを定期的に見ていたのですが、あるとき見覚えのあるネクタイを見つけました。。。
第四話 社長の背中
川田剛は20代のときに働いていた会社の社長矢作鈴子に数年前に偶然ばったり会いました。そのとき、親の介護ホームの入居金として、300万円を借りました。それを返すために、鈴子に電話をしましたが電話は通じませんでした
第五話 幼き日の母
西山静香は行方不明者捜索協会に勤めています。彼女の母親は彼女が幼い頃、失踪しました。それ以来、静香は各県の行方い不明リストを調べることが日課になっていました。あるとき、見覚えのあるカバンが。。。
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