山下景子「万葉の鳥 和歌を通して鳥を愛でる 鳥を知って和歌を味わう 」
☆☆☆+
誠文堂新光社 255ページ 2021年9月
○山下景子「万葉の鳥」読みましたか
この本は万葉集に取り上げられている鳥について、季節ごとに、短歌の解説とその鳥の蘊蓄を交えて、書かれている本です。鳥はほとんどカラーイラストです。
ちなみに取り上げられている鳥は
春 5種:鶯(うぐいす)、雲雀(ひばり)、燕(つばめ)、雉(きじ)、山鳥(やまどり)
夏 6種:雀公鳥(ほととぎす)、鵺(ぬえ→トラツグミ)、鵜(う)、斑鳩(いかるが→イカル)、鳧(けり)、白鷺(しらさぎ→ダイサギ、チュウサギ、コサギ)
秋 5種:雁(かり→マガン)、鶉(うずら)、獦子鳥(あとり)、百舌鳥(もず)、鴫(しぎ→オオジシギ)
冬 12種:鶴(たづ→マナヅル)、鴨(かも→まがも)、鸍(たかべ→コガモ)、䳑(あじ→トモエガモ)、鴛鴦(おしどり)、秋沙(あきさ→カワアイサ)、千鳥(ちどり→シロチドリ)、鴎(かまめ→カモメ)、都鳥(みやこどり→ユリカゴメ)、鳰(にお→カイツブリ)、鷲(わし→イヌワシ)、鷹(たか→オオタカ)
無季の鳥 2種:鶚(みさご)、烏(からす)
春の季語にもなる謎の鳥 2種:呼小鳥(よぶこどり→ツツドリ)、容鳥(かおどり→カッコウ)
その他謎の鳥 3種:比米(ひめ→シメ)、真鳥(まとり→クマタカ)、菅鳥(すがとり→?)
万葉集で最も多く詠まれて鳥はホトトギスで、153首もあるそうです。2番目は雁の64首だそうです。ちなみにホトトギスの歌のうち大伴家持が半数近くの66首作ってるそうです。どれだけ、ホトトギスか好きなの、大伴家持!!
また、鳥つながりということで、他の句集からも、歌をとりあげてあったりもします。鳥と歌が楽しめるお得な一冊です。
鳥たちが万葉の時代から愛されていることを知って非常に嬉しくなりました。42422
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